ロンドンパスは元が取れるのか|損益分岐点を入場料の実額で計算(2026年版)

    London Sightseeing Passes

    2026年9月時点の情報

    結論

    「行きたい有料施設が1日3〜4か所あり、それを連日つづける」旅程でだけ得をします

    この条件から外れる旅程——無料の博物館をゆっくり見る、街歩きと買い物に時間を使う、1日1か所を丁寧に見る——では、まず元が取れません。ロンドンは無料の館が強いぶん、観光パスが効きにくい街です。

    • 条件 1

      有料施設だけを回る

      ロンドンの一級の博物館・美術館は常設展が無料です。無料の館に行く時間は、パスの元を取る観点では丸ごと空振りになります。

    • 条件 2

      1日に有料施設を4か所以上

      1日券£99に対し、中心部の名所を3つ回っても合計£95で届きません。4か所目でようやく超えます。

    • 条件 3

      それを連日つづける

      日数制のパスは初回利用日から連続で切れます。中日に無料の博物館や買い物を挟むと、その日のぶんは捨てることになります。

    こういう旅程なら買わないでください

    • 博物館・美術館めぐりが旅の中心
    • 3泊以下で、移動と食事にも時間を使いたい
    • 子連れで1日1〜2か所しか回らない
    • 有料の名所は2〜3か所だけと決めている

    1前提 — ロンドンは主要館が無料

    パスの損得を考える前に、ロンドンという街の前提を押さえる必要があります。ここが他の欧州の都市と決定的に違います。

    • 大英博物館
    • ナショナル・ギャラリー
    • テート・モダン
    • 自然史博物館
    • 科学博物館
    • V&A(ヴィクトリア&アルバート博物館)
    • 国立肖像画美術館
    • 大英図書館

    いずれも常設展が無料です。入口に任意の寄付(£5前後が推奨額として掲示される)の箱がありますが、義務ではありません。特別展だけは別料金です。

    この8館だけで、まる3日は埋まります。入場料£0で。

    つまりロンドンでは、観光パスが効く相手が最初から限られています。パスの「100以上の施設に入れる」という宣伝は、その100のうち何割が自分の行きたい有料施設なのかを見ないと意味を持ちません。

    ロンドンの無料スポット入場無料の館と、無料で見られる景色をまとめています。

    2損益分岐 — 何か所で元が取れるか

    有料施設を回る順に入場料を積み上げると、パス代を超える地点が出ます。並び順は中心部から郊外へ、実際に回る順序に近づけました(安い順に並べると分岐点が不当に遠のき、高い順ならパスが不当に有利になります)。

    1. 1ロンドン塔中心部£37£37
    2. 2ウェストミンスター寺院中心部£31£68
    3. 3セント・ポール大聖堂中心部£27£95
    4. 4タワーブリッジ(展示)中心部£18£113
    5. 5キュー・ガーデン西郊・半日£22£135
    6. 6王立天文台(グリニッジ)東郊・半日£24£159
    7. 7カティサーク(グリニッジ)東郊・半日£22£181
    8. 8ウィンザー城郊外・ほぼ1日£36£217

    右端が累計。緑は1日券 £99 を超えた行です。

    注目してほしいのは3行目です。ロンドン塔・ウェストミンスター寺院・セント・ポール大聖堂——ロンドンの有料名所の代表格を1日で3つ回っても、合計は£95。1日券£99に届きません。

    • 1日券 £99

      有料 4か所目

      累計 £113 でようやく超過

    • 2日券 £149

      有料 6か所目

      累計 £159 でようやく超過

    • 3日券 £179

      有料 7か所目

      累計 £181 でようやく超過

    入場料は大人・当日窓口の目安です(2026年9月時点)。多くの施設はオンラインで事前に買うともう少し安く、その場合パスの分岐点はさらに遠のきます。

    パス側に有利な補正

    ただしパスには乗り降り自由バスとテムズ川クルーズが含まれます。もともと乗るつもりだったなら、その£32前後はパス側に足して考えてよい金額です。逆にいえば、バスに乗る予定がないなら、この宣伝上の「お得」は自分には発生しません。

    ロンドン旅行の予算(7日間)入場料を含む現地費用の全体像。宿・食・交通まで積算しています。

    3対象施設の一覧

    当サイトが紹介しているスポットのうち、ロンドンパスで入場料がまかなえるものです。区分ごとに並べています。

    販売側の対象は110件前後ありますが、その内訳はウォーキングツアー、食事つきの体験、自転車レンタル、eSIMのデータ通信などが大きな割合を占めます。施設の入場として数えられるものは、そのうちの一部です。

    庭園・公園1

    無料の館をここに入れていない理由

    大英博物館、テート・モダン、自然史博物館、サイエンス・ミュージアム、帝国戦争博物館は対象一覧に名前が載りますが、ここには入れていません。これらは元から入場無料で、パスが付けるのは音声ガイドや館内ツアー、土産のガイドブックだからです。入場のために買う必要はありません。

    対象は入れ替わります。2026年9月時点で確認したものです。買う前に販売ページで最新の対象をご確認ください。

    4「100以上」の穴 — 対象外の名所

    「100以上の施設」は数の話であって、行きたい施設が入っているかどうかとは別です。旅行者の行き先上位に入りながら、対象外のものがあります。

    • チャーチル戦時執務室

      別途 £33 前後。どのパスにも入っていない

    • バッキンガム宮殿(ステートルーム)

      夏季の公開期間のみ、条件付きで対象になる年がある

    • ワーナー・ブラザース スタジオツアー(ハリー・ポッター)

      別途 £53.50。要事前予約で当日券は出ない

    • シーライフ・ロンドン水族館

      マーリン系のコンボ券の側に入っている

    • 国会議事堂ツアー

      別途。英国民は無料枠があるが旅行者は有料

    とくにチャーチル戦時執務室は、どのパスにも入っていません。ここを旅程の中心に据えている人は、パスの対象施設だけで分岐点まで積み上がるかを別に確かめる必要があります。

    54種類のパスを誰に向くかで比べる

    • ロンドンパス(Go City All-Inclusive)

      日数制

      £99(1日)〜£279(10日)

      子供(5〜15歳)£69〜£199

      向く人
      有料の名所を1日3〜4か所、連日詰め込める人。体力と時間の両方が要ります
      注意
      連続した日数で切れます。中日を休むと1日ぶん捨てることになります
    • エクスプローラー・パス(Go City)

      施設数制

      £64(2施設)〜£159(7施設)

      子供 £49〜£109

      向く人
      有料施設を数か所だけ、日をまたいで回りたい人。ロンドンの旅程にはこちらのほうが素直に当てはまります
      注意
      施設ごとの定価より確実に安いとは限りません。行き先を決めてから単体価格と足し算で比べてください
    • マーリン系コンボ券

      系列内の抱き合わせ

      £49 / £54 / £59 / £69

      大人・子供の別は時間帯によって変動(公式が固定額を出していない)

      向く人
      ロンドン・アイ、マダム・タッソー、シーライフ、ダンジョン、シュレック——この系列を子連れで2つ以上回るなら明確に得です
      注意
      対象はすべて同じ運営会社の娯楽施設です。歴史的な名所は1つも入っていません
    • ロイヤル・ミュージアムズ・グリニッジ デイパス

      1地区の館だけ

      大人 £38 / 子供(4〜15歳)£19

      単体は王立天文台 £24、カティサーク £22

      向く人
      グリニッジで有料の2館を両方見る人。単体で買うと £46 なので、£8 安くなります
      注意
      同じ敷地の国立海事博物館とクイーンズ・ハウスは元から無料です。デイパスの対象に入っていないのはそのためで、損ではありません

    ゴールデンパス(Golden Tours)

    乗り降り自由バス24時間券に、12施設から1〜3か所を選んで組み合わせる商品です。有効期限30日と長く、ウォーキングツアーも付きます。ただし公式サイトが閲覧者の通貨で変動する価格しか表示せず、GBPの定価を確認できませんでした。価格を固定額で示せない商品は、事前に損得を計算できません。買う前に必ず決済画面でポンド建ての総額を確かめてください。

    6数字の読み方

    • 「£300ぶんが£99」の£300は当日窓口の定価

      パスが宣伝する節約額は、対象施設をすべて当日窓口の定価で買った場合との差です。実際には多くの施設がオンライン事前購入で安くなり、時間帯によってはさらに下がります。比べるなら、自分が実際に払う額どうしで比べてください。

    • 2026年9月1日まで、入場料が一時的に安かった

      英政府の Great British Summer Savings により、2026年6月25日から2026年9月1日まで施設入場料のVATが20%から5%に下がっていました。夏に調べた価格が今より2〜3割安いのはこのためです。このページの数字は税率が戻ったあとの標準料金で計算しています。

    • パスがあっても入場枠は別に要る

      人気施設は時間指定の予約枠が必要です。パスは入場料を先払いしただけで、枠を確保するものではありません。到着してからアプリで押さえようとすると、その日は満席ということが起こります。

    • 対象施設の数は、行きたい施設の数ではない

      対象100件のうち大半は、ウォーキングツアー、郊外の小規模な館、体験型の商品です。数を魅力として受け取る前に、自分の旅程に実際に載る施設が何件あるかを数えてください。多くの人は3〜5件です。

    よくある質問

    参考・公式情報

    料金・時刻・制度は変更されます。本記事は2026年9月時点の情報です。渡航前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。

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