ロンドン旅行の実用情報|両替・カード・チップ・治安・eSIM・電源・服装

    London Travel Tips

    ロンドンは「ほぼ完全キャッシュレス」「NHSは無料ではない」「免税制度はもう無い」など、ガイドブックの古い情報が通用しない場面が増えています。渡航前に押さえておきたい実務的なポイントを、入国手続きからチップ、治安、通信、電源、服装まで一気にまとめました。

    2026年8月時点の情報

    ロンドン旅行の準備で厄介なのは、数年前の情報がもう通用しない項目がいくつもあることです。

    • 旅行者向けの免税(VAT還付)制度は廃止済み
    • 日本人もETA(電子渡航認証)の取得が必須になった
    • 現金がほぼ不要なほどキャッシュレスが浸透した

    古いガイドブックやブログを読んで準備すると、現地で困ります。この記事は2026年8月時点の情報で、渡航前に確認しておきたいことを順番に並べました。

    1. 入国前に済ませておくこと

    ETA を忘れると飛行機に乗れません

    ETA(電子渡航認証)— 必須

    **日本国籍の方も、英国渡航前に ETA の取得が必須です。**これがないと、そもそも日本で飛行機に搭乗できません。

    項目内容(2026年8月時点)
    費用£20
    有効期間2年間(またはパスポートの有効期限まで)
    滞在可能日数1回につき最長6ヶ月
    申請方法公式アプリまたは GOV.UK のオンライン申請
    所要時間通常は数分〜数日

    申請は必ず GOV.UK の公式サイト(または公式アプリ)から行ってください。検索すると手数料を上乗せする代行サイトが多数出てきます。

    そのほか

    • パスポートの残存有効期間:滞在期間をカバーしていれば渡航可能ですが、余裕を持たせるのが安全です
    • eGate:日本国籍は自動化ゲートを利用できます。入国審査の列が大幅に短縮されます
    • 海外旅行保険:後述しますが、実質的に必須です
    • 液体物ルール:空港ごとに規制の緩和状況が異なります。出発する日本の空港と、乗り継ぎ・帰路の英国の空港の両方で最新ルールを確認してください

    補足

    ETA の詳しい申請手順

    申請画面の項目や、よくあるエラーへの対処はETA(英国電子渡航認証)ガイドで詳しく解説しています。

    2. 通貨と両替

    日本で全額両替してはいけない

    通貨はポンド(GBP、£)。補助単位はペンス(p)で、£1 = 100p です。

    両替の考え方

    **日本で全額を両替するのは、ほぼ確実に損です。**そもそもロンドンでは現金をほとんど使いません。

    • 空港の両替所:レートが最も悪い。緊急時以外は使わない
    • 街の「手数料無料」を掲げる両替所:手数料を取らない代わりに、実質レートに利益を乗せています。無料ではありません
    • 現実的な選択肢
      1. Wise / Revolut などのマルチカレンシーカードを作っておく
      2. 現地の **ATM(cashpoint)**で必要な分だけ引き出す

    現金はいくら必要か

    £20〜50 もあれば十分です。使う場面は、小さな屋台、一部の公衆トイレ、チップくらいに限られます。

    紙幣について

    現在有効なのはポリマー(プラスチック)製の紙幣のみです。従来の紙製紙幣は2022年9月に法定通貨としての効力を失っています。古い紙幣を持っている場合は使えません。

    また、£50 紙幣は小さな店で受け取りを断られることがあります。ATM で引き出す際は £20 以下の紙幣が出る設定を選ぶと安心です。

    実務メモ

    • 為替レートは日々変動します。この記事では意図的に「£1=◯円」を書いていません。渡航直前にご自身で確認してください
    • スコットランドや北アイルランドの銀行が発行するポンド紙幣は、イングランドの店で受け取りを渋られることがある

    3. カード決済とキャッシュレス

    ロンドンは現金がなくてもほぼ困らない

    ロンドンのキャッシュレス化は日本より進んでいます。カフェ、パブ、スーパー、地下鉄、タクシー、屋台まで、ほぼすべてがカードで完結します。「現金お断り」の店すら珍しくありません。

    使えるブランド

    ブランド使えるか
    Visa○ どこでも
    Mastercard○ どこでも
    American Express△ 中〜高価格帯の店では使えるが、小さな店では断られることがある
    JCB× ほぼ使えない

    JCB しか持っていない場合は、必ず Visa か Mastercard を用意してください。地下鉄の改札でも JCB は使えません。

    DCC(円建て決済)は必ず断る

    決済端末で「GBP と JPY のどちらで支払いますか?」と聞かれることがあります。これは DCC(Dynamic Currency Conversion)と呼ばれる仕組みで、円建てを選ぶと不利なレートが適用されます。

    **必ず「GBP(ポンド建て)」を選んでください。**カード会社のレートのほうが有利です。

    実務メモ

    • IC チップ+PIN(暗証番号)を使う場面がある。カードの暗証番号を思い出せるようにしておく
    • カード会社に「英国で使う」と事前に伝えておくと、不正利用検知でカードが止まるリスクが下がる
    • 予備のカードを別の場所に分けて持つ。1枚が止まると身動きが取れなくなります

    4. 免税(VAT還付)はもうありません

    古いガイドブックの最重要注意点

    英国の旅行者向け VAT(付加価値税)還付制度は、2021年1月に廃止されました。

    かつては店で「Tax Free」の書類を作ってもらい、空港で還付を受けることができましたが、現在この制度は存在しません。ブレグジット後の制度変更によるものです。

    ロンドンで買い物をしても、税金は戻ってきません。古いガイドブックやブログには今も還付手続きの説明が残っていることがあるので、注意してください。

    なお、EU 各国(フランス、イタリアなど)では引き続き還付制度があります。英国と大陸ヨーロッパを周遊する場合、英国だけルールが違うと覚えておいてください。

    5. チップの実際

    「義務ではない」が原則

    日本人がいちばん不安になるところですが、ロンドンのチップは思っているより簡単です。

    場面チップ
    レストラン(着席・給仕あり)伝票に service charge 12.5% 前後が自動加算されていることが多い。加算済みなら追加不要
    パブ(カウンターで注文)不要
    カフェ・ファストフード不要(端末のチップ選択は断ってよい)
    タクシー端数を切り上げる程度。必須ではない
    ホテル(枕銭)不要
    ホテル(荷物を運んでもらった)£1〜2 程度。任意

    service charge は外してもらえます

    伝票の service charge は法的な支払い義務ではありません。サービスに不満があった場合、「Could you remove the service charge, please?」と伝えれば外してもらえます。気まずいことではなく、英国では普通に行われています。

    逆に、加算されていない店で満足したなら、10〜12%程度を渡すと喜ばれます。

    カフェの端末で出るチップ選択

    カードをタッチする端末に「10% / 15% / 20% / No tip」と表示されることが増えました。カウンター注文なら No tip で問題ありません。

    補足

    サービスチャージはどこへ行くのか

    2023年に成立した Tipping Act により、集められたサービスチャージは原則として従業員に全額渡ることになっています。制度の詳細と、実際に守られているかについては英国サービスチャージ完全ガイドで掘り下げています。

    6. 治安とスリ対策

    危険な街ではないが、油断すると盗まれる

    ロンドンは全体として安全な都市です。凶悪犯罪に巻き込まれる可能性は低い。ただし、窃盗、特にスリとスマートフォンのひったくりは非常に多いというのが現実です。

    多発する場所

    • オックスフォード通り、リージェント通り
    • レスター・スクエア、ピカデリー・サーカス
    • カムデン・マーケット
    • 地下鉄の車内・ホーム
    • 観光地の人だかり、写真スポット

    具体的な対策

    1. 歩きながらスマホを見ない(特に車道側)— 電動バイクや自転車で近づき、走行しながらスマホをもぎ取る手口が多発しています
    2. リュックは前に抱える(地下鉄・混雑した場所)
    3. 飲食店で椅子の背にバッグを掛けない、テーブルにスマホを置きっぱなしにしない
    4. ATM は銀行の店内にあるものを使う
    5. パスポートの原本はホテルの金庫に、コピー(または写真)を持ち歩く
    6. 署名や寄付を求めてくるクリップボードの集団は無視する(注意をそらす手口)

    交通・タクシー

    **路上で客引きをしている無認可のミニキャブには絶対に乗らないでください。**乗るなら黒タク(ブラックキャブ)か、Uber などの配車アプリを使います。

    緊急時

    番号用途
    999緊急(警察・救急・消防)
    101緊急でない警察への連絡
    111緊急でない医療相談(NHS)

    パスポートを紛失した場合は、在英国日本国大使館に連絡してください。

    実務メモ

    • スマホを盗まれても、位置情報を頼りに自分で取り返しに行かないこと。警察に通報する
    • 旅行前にスマホの「探す」機能を有効にし、リモートロック・消去の手順を確認しておく
    • 外務省の「たびレジ」に登録しておくと、現地の安全情報が届く

    7. 病気・けが・保険

    NHS は旅行者に無料ではありません

    もっとも誤解が多い項目です。

    英国の国民保健サービス(NHS)は、英国居住者のための制度です。旅行者が病院にかかった場合、後日、治療費が請求されます。「英国の医療は無料」という話は、旅行者には当てはまりません。

    入院や手術になれば、金額は数十万円〜数百万円規模になり得ます。**海外旅行保険なしでの渡航は避けてください。**クレジットカードの付帯保険を使う場合は、補償額と適用条件(利用付帯か自動付帯か)を必ず確認しましょう。

    症状別の対応

    状況どうするか
    軽い風邪、頭痛、胃腸の不調薬局(Boots、Superdrug)の薬剤師に相談。市販薬で対応できることが多い
    判断に迷う111 に電話(NHS の医療相談窓口)
    緊急・重症999 または病院の A&E(救急外来)へ

    常用薬

    処方薬を持ち込む場合、英文の処方箋または薬剤情報があると入国時に説明しやすくなります。念のため、機内持ち込み手荷物に入れておいてください。

    注意

    海外旅行保険は実質必須です

    NHS は旅行者に無料ではありません。保険に入らずに渡航して大きな病気やけがをすると、自己負担で高額な医療費を支払うことになります。

    8. ネット・SIM・eSIM

    ロンドン旅行では、地図と乗換案内でネットが常時必要になります。何らかの通信手段は必ず用意してください。

    手段特徴
    eSIM(Airalo、Ubigi など)**もっとも手軽。**出発前にアプリで購入・設定でき、到着した瞬間から使える。物理SIMの差し替え不要。対応端末が必要
    日本のキャリアの海外プラン設定不要で楽。ahamo は追加料金なしで使えるが、15日を超えると速度制限がかかる。楽天モバイルにも無料の海外データ枠がある
    現地SIM(Three、EE、Vodafone、giffgaff、Lebara)長期滞在なら割安。空港や街のショップで購入。SIMロック解除済みの端末が必要

    短期旅行なら eSIM がいちばん簡単です。日本にいるうちに購入・設定を済ませておけば、ヒースローに着いて電源を入れた瞬間から通信できます。

    Wi-Fi

    • 空港、カフェ、パブ、多くのホテルで無料 Wi-Fi が使えます
    • 地下鉄の駅構内・トンネル内の携帯電波は整備が進んでいますが、まだ全区間ではありません

    地下では圏外になる前提で、Google マップのオフライン地図をダウンロードしておくか、TfL Go アプリ(オフラインでも路線図が見られる)を入れておくと安心です。

    実務メモ

    • eSIM は端末が対応しているか事前に確認する。iPhone は XS 以降、多くの Android も対応
    • eSIM の設定は Wi-Fi 環境がある日本国内で済ませておく

    9. 電源プラグと電圧

    変換プラグは必要、変圧器はたいてい不要

    規格

    項目英国日本
    プラグ形状BS 1363(Type G)・3本足の角型Type A・2本足
    電圧230V100V
    周波数50Hz50/60Hz

    変換プラグ(Type G)は必須です。日本の2本足プラグはそのままでは挿さりません。

    変圧器は必要か

    ほとんどの場合、不要です。

    • スマホ・ノートPC・カメラ・モバイルバッテリーの充電器 → 本体やアダプタに「INPUT: 100-240V」と書いてあれば、変換プラグだけで使えます。現代の充電器はほぼすべてこれに該当します
    • ドライヤー・ヘアアイロン・シェーバー・電気ケトル要注意。「100V専用」の製品を230Vに挿すと、故障・発煙・発火の危険があります

    **日本製の100V専用のドライヤーやヘアアイロンは持って行かないでください。**海外対応品を買うか、現地で購入するか、ホテルの備え付けを使うのが安全です(ドライヤーは多くのホテルに備え付けがあります)。

    実務メモ

    • USB ポート付きの変換プラグを1つ持つと、コンセントの少ない部屋で便利
    • Type G を1口→3口にする小型の電源タップがあると、家族分の充電が一度に済む
    • 英国のコンセントには個別のスイッチが付いていることが多い。挿しても充電されないときはスイッチを確認

    10. 気候と服装

    傘より防水ジャケット、そして靴

    月別のおおよその気温(平年値の目安)

    最高最低特徴
    1月8℃3℃寒く暗い。日照が短い
    2月9℃3℃同上
    3月12℃4℃春の始まり
    4月15℃6℃花が咲き始める
    5月18℃9℃ベストシーズン。過ごしやすい
    6月21℃12℃日が長い(22時頃まで明るい)
    7月24℃14℃暑い年は30℃超も
    8月23℃14℃同上
    9月20℃12℃穏やかで快適
    10月16℃9℃秋が深まる
    11月11℃6℃暗く雨が多い
    12月8℃3℃16時頃には暗くなる

    正確な平年値と予報は Met Office(英国気象庁)でご確認ください。

    服装のポイント

    1. **歩きやすい靴が最重要装備です。**石畳が多く、1日1万歩以上歩きます。新品の靴は絶対に避けてください
    2. **傘より、フード付きの防水ジャケット。**ロンドンの雨は風を伴うことが多く、傘が壊れます。地元の人はあまり傘をさしません
    3. 重ね着(レイヤリング)。夏でも朝晩は冷えます。1日の中の気温差が大きい
    4. **夏の熱波に注意。**近年は7〜8月に30℃を超える日が出ることがあります。古いホテルや地下鉄にはエアコンがないため、体感的にはかなりつらくなります

    日照とサマータイム

    • 夏(6月)は22時近くまで明るく、観光できる時間が長い
    • 冬(12月)は16時頃に暗くなります。屋外の見どころは午前〜昼に寄せてください
    • BST(英国夏時間)は3月最終日曜〜10月最終日曜
    • 時差は、夏(BST期間)が日本より8時間遅れ、冬が9時間遅れ

    11. 休業日と営業時間の罠

    12月25日(クリスマス)

    この日はロンドンが止まります。

    • 美術館・博物館・観光施設:ほぼ全休
    • 商店・レストラン:ほぼ全休
    • 地下鉄・バス・鉄道:ほぼ全面運休

    移動手段は徒歩かタクシー(割増料金)のみ。**12月25日にロンドンにいる予定なら、この日は「宿の近くで過ごす日」として計画してください。**ホテルのレストランを予約しておくのが現実的な対処法です。

    12月26日(Boxing Day)

    大規模なセールが始まる日ですが、公共交通は大幅な減便です。

    Bank Holiday(祝日)

    年に8日ほどあります。多くの施設が短縮営業、一部は休業。旅行日程に含まれる場合は必ず確認してください。

    日曜

    大型店(延床面積の大きい店)の営業は法律で6時間に制限されています。11:00〜17:00 が典型的な営業時間です。日曜にショッピングを予定している場合、開店が遅いことを前提に組んでください。

    パブのキッチン

    多くのパブで、キッチンは15時頃に一度閉まり、18時頃に再開します。14時半に「遅い昼食を」と思って入ると、飲み物しか出てこないことがあります。

    12. 細かいけれど効く話

    • 公衆トイレは有料のことが多い(20〜50p)。タッチ決済に対応している場所も増えています。博物館・美術館・デパート・パブのトイレが実質的な無料トイレです
    • **水道水は飲めます。**ペットボトルを買い続ける必要はありません。給水スポットを探せる Refill というアプリもあります
    • エスカレーターは右側に立ち、左側を空ける(日本の関東と逆)。地下鉄では厳格に守られています
    • **横断歩道では「LOOK RIGHT」の表示に従う。**車は左側通行なので、日本と同じ感覚ですが、一方通行の道では逆から来ます。足元の表示を必ず見てください
    • **レジ袋は有料。**エコバッグを持っていくと便利です
    • ドアを押さえて待つ文化。後ろの人のためにドアを押さえるのが普通です
    • **行列(queue)には必ず並ぶ。**割り込みは英国で最も嫌われる行為の一つです
    • パブは基本カウンターで注文して先払い。席で待っていても誰も来ません

    よくある質問

    参考・公式情報

    料金・時刻・制度は変更されます。本記事は2026年8月時点の情報です。渡航前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。

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