ウェストミンスター寺院Westminster Abbey
イギリス王室の歴史的教会
- 料金
- 大人 £31〜 / 子ども £14〜
- 所要時間
- 2〜3時間
- 最寄駅
- ウェストミンスター駅 徒歩5分
- 休館日
- 日
- 開館時間
- 9:30〜15:30
日曜は礼拝のみで、見学はできない
料金・開館時間は変更されることがあります。訪問前に 公式サイト で最新情報をご確認ください。
1065年創建のゴシック様式の教会で、イギリス王室の戴冠式や王族の結婚式、重要な葬儀が行われる。内部には歴代の王族、著名な政治家や文学者の墓や記念碑が多数あり、英国の歴史と文化を感じられる。美しいステンドグラスや精巧な彫刻も見どころ。
このページの内容
着いてからの歩き方
ウェストミンスター寺院に着いたら、この順に見ていくと迷いません。
- コツ
午前の枠で入る
現役の教会なので、礼拝が入ると見学が止まります。午前入場(平日9:30〜、土9:00〜)の枠が一番落ち着いて回れます。入場料にマルチメディアガイドが含まれるので、受け取ってから進んでください。
- 見どころ
戴冠椅子
大西門の近く、セント・ジョージ礼拝堂にガラスで保護されて置かれています。1066年以降ほぼすべての君主がこの椅子で戴冠しました。近づくと、18〜19世紀の見学者や少年聖歌隊員が彫り込んだ落書きが木肌に残っているのが見えます。700年使われてきた道具が、傷ごと残っている場所です。
- 見どころ
ポエッツ・コーナー
南翼廊の一角に、100人を超える詩人・作家が埋葬または顕彰されています。チョーサー、ディケンズ、ハーディは実際にここに眠り、シェイクスピアやオースティンは記念碑のみ。床石を踏まないと通れないほど密集しているので、足元も見てください。名前を読みながら歩くだけで英文学史をたどれます。
- 見どころ
ヘンリー7世礼拝堂
寺院の東端にある、天井が石のレースのように垂れ下がったファン・ヴォールトの部屋。16世紀初頭の石工技術の限界を見せる場所で、寺院内で最も見上げる時間が長くなります。エリザベス1世と、その姉メアリー1世が同じ墓に眠っているのもこの一帯です。
- 見落としやすい
クイーンズ・ウィンドウ
デヴィッド・ホックニーが2018年に手がけたステンドグラス。中世の窓が並ぶなかに1枚だけ、サンザシの花が咲く鮮やかな風景画が入っています。作者はiPadで下絵を描きました。960年創建の建物に現代の窓が違和感なく収まっているのが面白いところです。
- コツ
写真は撮れる(例外あり)
2020年に撮影が解禁され、館内では個人的な写真を撮れます。ただし礼拝中は不可。聖エドワード懺悔王の聖堂とセント・フェイス礼拝堂も撮影禁止のままです。フラッシュ・三脚・自撮り棒はどこでも使えません。
歴史
テムズ川の中州(ソーニー島)に修道院が置かれたのは960年ごろ。ここを国家の中心へ引き上げたのは、11世紀の王エドワード懺悔王です。
彼は王宮をこの地に移し、隣接して壮大な教会を建て直しました。献堂は1065年12月28日。ただし王本人は出席していません。病床にあり、その1週間後に亡くなっています。
翌1066年、イングランドは征服され王朝が入れ替わります。しかし新しい王ウィリアム1世は、この教会で戴冠することを選びました。前王朝の聖地を使うことで、自分が簒奪者ではなく正統な後継者であると示すためです。この選択が前例になり、以後40人の君主がここで戴冠しました。2023年のチャールズ3世まで、900年以上途切れていません。
いま見えている建物はエドワードのものではありません。13世紀にヘンリー3世が、当時最先端だったフランス・ゴシックに倣って全面的に建て替えたものです。1245年着工、1269年献堂。イングランドの教会としては天井が異様に高いのは、フランスを手本にしたためです。
埋葬されている王・女王は30人。加えて政治家、科学者、詩人が眠り、記念碑が壁と床を埋め尽くしています。歩けるロンドンの通史という表現がこれほど当てはまる建物は他にありません。
なぜ「大聖堂」ではなく「Abbey」なのか
これだけの規模がありながら、ウェストミンスター寺院は大聖堂(cathedral)ではありません。教区教会でもない。ロイヤル・ペキュリア(Royal Peculiar)という特殊な地位にあります。
英国国教会の教会は通常、教区に属し主教の管轄下に入ります。大聖堂とは主教座(cathedra)が置かれた教会のことで、だから「大聖堂」という呼び名には主教の存在が前提としてあります。
ところがウェストミンスター寺院には主教がいません。統べているのは主任司祭(Dean)と参事会で、主教にも大主教にも属さず、君主に直接つながっています。ロンドン主教にもカンタベリー大主教にも指揮されません。
この形が確定したのは1560年5月21日、エリザベス1世の勅許によってです。ヘンリー8世の修道院解散で一度は修道院でなくなったこの教会を、彼女は主教の管轄外にある参事会教会として再興し、君主自身をその監督者(Visitor)としました。
つまり戴冠式がここで行われるのは伝統だからというだけでなく、制度上ここが君主直属の教会だからでもあります。1kmほど北にウェストミンスター大聖堂という別の建物がありますが、そちらはカトリックの大聖堂で、まったく別の教会です。地図で混同しないよう気をつけてください。
豆知識
- 戴冠椅子は、戦利品を組み込んだ家具。1300年前後にエドワード1世が作らせたもので、下部にはスコットランドから奪った「スクーンの石」を収める棚が設けられています。石は1996年にスコットランドへ返還され、戴冠式のときだけ運ばれてくる約束になりました。椅子は700年間ほぼ屋外同然に置かれていた時期があり、18〜19世紀の見物人や聖歌隊の少年が彫った落書きが木肌に残っています。
- ポエッツ・コーナーの始まりは、詩人としての評価ではなかった。最初に葬られたジェフリー・チョーサーは1400年の埋葬ですが、これは『カンタベリー物語』の作者としてではなく、寺院の建物管理の役職に就いていたからです。約200年後にスペンサーが隣に葬られたことから文学者の区画になりました。順序が逆だったわけです。
- 記念碑があるからといって、そこに眠っているとは限らない。シェイクスピアもオースティンも記念碑だけで、遺体は別の場所にあります。一方チョーサー、ディケンズ、ハーディは実際に埋葬されています。ハーディについては、心臓だけ故郷ドーセットに埋め、残りをここに葬るという分割が行われました。
- 無名戦士の墓は、床で唯一踏んではいけない場所。西門を入ってすぐの黒い大理石で、1920年にフランスの戦場から運ばれた身元不明の兵士が眠ります。王室の結婚式でも、花嫁のブーケはこの墓に供えられる慣例になっています。
現役の教会であることが、見学に効いてくる
ここは観光施設である前に、毎日礼拝が行われている教会です。そのため礼拝が始まると見学は止まります。時間に余裕を持って組んでください。
裏を返すと、礼拝に参加するだけなら入場料はかかりません。とくに夕方のイブンソング(聖歌隊による夕べの祈り)は、有料の見学では味わえない状態の建物を体験できます。ただし席に着いて祈りに参加する形になるので、館内を歩き回ることはできません。見学と礼拝はまったく別物だと考えたほうがよいです。
写真は2020年に解禁され、館内では個人的な撮影ができます。ただし礼拝中は不可。聖エドワード懺悔王の聖堂とセント・フェイス礼拝堂は引き続き撮影禁止です。フラッシュ・三脚・自撮り棒はどこでも使えません。
場所とアクセス
みんなの口コミ
ウェストミンスター寺院を訪れた感想や、これから行く人に役立つコツがあれば教えてください。
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