セント・ポール大聖堂St Paul’s Cathedral
ロンドンの象徴的な大聖堂
- 料金
- 大人 £26〜 / 子ども £10〜
- 所要時間
- 2時間
- 最寄駅
- セント・ポール駅 徒歩2分
- 休館日
- 日
- 開館時間
- 8:30〜16:30 (最終入場16:00)
日曜は礼拝のみで、見学はできない(ドームの回廊は時期により公開)
料金・開館時間は変更されることがあります。訪問前に 公式サイト で最新情報をご確認ください。
17世紀に建てられた英国国教会の大聖堂で、著名な建築家クリストファー・レンの傑作。高さ111mの大ドームはロンドンのランドマークで、展望ギャラリーからは市街地を一望できる。内部には豪華なモザイクやステンドグラスがあり、歴史的な葬儀や結婚式も行われてきた。地下には聖職者や著名人の墓もある。
このページの内容
着いてからの歩き方
セント・ポール大聖堂に着いたら、この順に見ていくと迷いません。
- コツ
ドームに上るなら体力を先に配分する
上りは3段階で、ウィスパリング・ギャラリーまで257段、ストーン・ギャラリーまで376段、最上部のゴールデン・ギャラリーまで528段。エレベーターはありません。先に地上階をじっくり見ると足が残らないので、上る予定なら早めに階段へ向かうのがおすすめです。
- 見どころ
ウィスパリング・ギャラリー
ドーム内側をぐるりと回る回廊。壁に向かって小さな声でささやくと、30m以上離れた対面の壁際にいる人にはっきり届きます。ドームの曲面が音を壁沿いに運ぶためです。2019年の事故で長く閉鎖されていましたが、安全用のワイヤーグリルを設置して再開しました。
- 見どころ
ゴールデン・ギャラリーからの眺め
ドームの最上部、地上85mの外周。テムズ川とシティの高層ビル群を見下ろせます。混雑時は人数制限がかかって上れないことがあるので、行くなら早い時間に。最後の区間は階段が急に狭く、鉄骨がむき出しになります。
- 見落としやすい
クリプトのレンの墓碑
地下のクリプトに、設計者クリストファー・レン自身が眠っています。墓碑にはラテン語で「読者よ、彼の記念碑を求めるならば、周囲を見回せ」と刻まれている——つまり大聖堂そのものが墓碑だ、という意味です。ネルソン提督とウェリントン公の巨大な棺も同じ地下にあります。
- 見どころ
『世界の光』
ウィリアム・ホルマン・ハントによるラファエル前派の代表作。扉を叩くキリストが描かれていますが、その扉には取っ手がありません。内側からしか開かないという意味が込められています。北側廊にあり、素通りされがちですが立ち止まる価値があります。
- コツ
礼拝には無料で参加できる
見学には£27(大人)かかりますが、日々の礼拝は誰でも無料で入れます。夕方のイブンソングは聖歌隊の歌が聴ける時間帯。ただし観光としての見学はできず、席に着いて礼拝に参加する形になります。
歴史
1666年9月、ロンドン大火は市の中心部を焼き尽くしました。焼失した建物のなかに、当時すでに老朽化していた中世ゴシックの旧セント・ポール大聖堂があります。
皮肉なのは時期です。建築家クリストファー・レンは旧聖堂の改修案としてドームを載せる構想を提出しており、それが原則承認されたのが1666年8月27日。その1週間後に街が燃えました。改修する建物そのものが消えたことで、彼は結果として、ゼロから設計する機会を手にします。
ただし話はそこから簡単に進みません。レンの案は聖職者や委員会に何度も却下されました。最終的に着工にこぎつけたのは1675年で、大火から9年が経っています。ドームの形状も試行錯誤が続き、現在の姿が固まったのは1697年ごろ。着工から22年後にまだ屋根の形を変えていたことになります。
完成を議会が認定したのは1710年12月25日。着工から35年、レンはこのとき78歳でした。ヨーロッパの大聖堂が数世代かけて建つのが普通だった時代に、一人の建築家が着工から完成まで見届けたのは異例です。
いま地下のクリプトに彼が眠っています。墓碑にはラテン語でこう刻まれています——「読者よ、彼の記念碑を求めるならば、周囲を見回せ」。
1940年12月29日、この建物は燃え残った
セント・ポールがロンドンの象徴になった決定的な夜があります。1940年12月29日から30日にかけて、ブリッツ114夜目の空襲です。
この夜、ドイツ軍はシティ一帯に焼夷弾を大量に投下しました。周囲の街区は火の海になり、大聖堂にも28発の焼夷弾が命中します。ドーム外装の鉛が熱で溶け始めました。
チャーチルは「何としても守れ」と命じています。それを実行したのがセント・ポール・ウォッチと呼ばれる志願者たちでした。建築家や職員を含む民間人が交代で建物に常駐し、屋根裏や回廊を巡回して落ちてきた焼夷弾を消して回る。この夜、ドームに刺さった1発は内側へ落ちれば手の届かない木組みの中で燃え上がるところでしたが、外側のストーン・ギャラリーへ転がり落ち、すぐに消し止められました。
明け方、デイリー・メール紙のカメラマンハーバート・メイソンが、社屋の屋上から煙の切れ間に浮かぶドームを撮影します。この写真は「War's Greatest Picture」という見出しで一面に載り、戦時下の英国を象徴する1枚になりました。
ドームを見上げるとき、この建物が燃えなかったから今そこにあるという事実を思い出すと、見え方が少し変わります。
豆知識
- ドームは3重構造で、外から見える形と中から見える形は別物。内側の見学者が見上げる天井、外から見える鉛葺きの大ドーム、そしてその間に隠れた煉瓦の円錐——荷重を支えているのは中央の円錐です。内外で美しく見える比率が違うため、レンは両方を成立させるために3つ作りました。
- ささやきが届くのは、音が壁を伝うから。ウィスパリング・ギャラリーで壁に向かって小声で話すと、30m以上離れた対面に届きます。音が空間を横切るのではなく、ドームの滑らかな曲面に沿って回り込むためです。設計時に意図された効果ではなく、形状の副産物でした。
- 『世界の光』の扉には取っ手がない。ホルマン・ハントが描いた、扉を叩くキリストの絵。取っ手が省かれているのは描き忘れではなく、扉は内側からしか開かないという意味を込めたためです。画家自身がそう説明しています。北側廊にあります。
- チャールズとダイアナの結婚式がここで行われたのは異例。王室の結婚式は通常ウェストミンスター寺院です。1981年にセント・ポールが選ばれたのは、単純に参列者をより多く収容できたからでした。
上るなら、体力の配分を先に決める
ドームの展望は3段階で、エレベーターはありません。ウィスパリング・ギャラリーまで257段、ストーン・ギャラリーまで376段、最上部のゴールデン・ギャラリーまで528段です。
先に地上階の見学をじっくりやると、階段に取りかかる頃には足が残っていません。上る予定があるなら早い段階で階段へ向かうのが現実的です。最後の区間は通路が急に狭くなり、鉄骨がむき出しの空間を上ります。閉所や高所が苦手なら、ストーン・ギャラリーで引き返す判断も十分ありです。
見学には入場料がかかりますが、礼拝への参加は無料です。夕方のイブンソングでは聖歌隊の歌が聴けます。ただし観光としての見学はできません。
なおクリプトは階段が少なく、ここだけなら体力を使わずに回れます。レンの墓碑、ネルソン提督とウェリントン公の巨大な棺はすべて地下です。
場所とアクセス
みんなの口コミ
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