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    おすすめ度5

    画像: Bernard Gagnon / CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

    ロンドン塔Tower of London

    ロンドンの歴史が詰まった要塞

    料金
    大人 £38〜 / 子ども £19〜
    所要時間
    3時間〜
    最寄駅
    タワーヒル駅 徒歩5分
    休館日
    曜日の休館なし2026年9月時点
    開館時間
    9:00〜17:30 (最終入場16:30)

    料金・開館時間は変更されることがあります。訪問前に 公式サイト で最新情報をご確認ください。

    1078年に建てられた王室の要塞で、かつてはかつては牢獄や王室宝物庫として使用された。クラウン・ジュエル(王冠の宝物)を所蔵しており、ユニークな儀式やツアーで見学できる。伝説のカラスたちが塔を守るとされ、塔の守護神として有名。衛兵(ビーフィーター)が案内するガイドツアーは観光客に人気。

    ロンドン塔の所要時間と回り方

    クラウン・ジュエルとホワイト・タワーだけなら1時間半、衛士のツアーと城壁まで回るなら3時間、展示を全部見て休憩も入れるなら半日です。

    • 開館は9:00(日・月曜は10:00)〜17:30、最終入場16:30。日によって変わるので公式で確かめてください。
    • 衛士(ビーフィーター)のツアーは入場料に含まれ、予約は要りません。10:00(日・月曜は10:45)から45分おきに出発し、最終は15:15です。
    • クラウン・ジュエルの列は昼前後に長くなります。
    公式の回り方の例(90分・2時間・3時間)

    1時間半で回るなら

    先にクラウン・ジュエルを見て、ホワイト・タワー、タワー・グリーンへ。公式の「90分の回り方」とほぼ同じです。

    1. 1

      クラウン・ジュエル

      ジュエル・ハウス(ウォータールー兵舎)25分

      戴冠式で使われる王冠と宝物。動く歩道に乗って前を通る展示なので、見たいものを決めてから乗ってください。

    2. 2

      ホワイト・タワー

      城の中央35分

      1070年代に建てはじめられた城の中心。中はヘンリー8世の甲冑など、王の武具の展示です。

    3. 3

      タワー・グリーンと処刑台の跡

      ホワイト・タワーの西10分

      アン・ブーリンら、塔の中で処刑された人々を記念するガラスの記念碑があります。

    4. 4

      カラス

      場内の各所5分

      「カラスが去ると王国が滅ぶ」という言い伝えで、いまも飼われています。

    各地点の分数は見る時間の目安で、合計に館内の移動を足すと1時間半になります。

    3時間で回るなら

    衛士のツアーで全体をつかんでから、クラウン・ジュエル、ホワイト・タワー、中世の宮殿と城壁、囚人の塔へ。

    1. 1

      衛士(ビーフィーター)のツアー

      入口の内側から出発45分

      衛士が城の歴史を語りながら場内を案内するツアー。最初に参加すると、あとで一人で回るときに場所の意味が分かります。

    2. 2

      クラウン・ジュエル

      ジュエル・ハウス(ウォータールー兵舎)25分

      昼前後は列が伸びるので、ツアーの前後どちらかの空いている時間に。

    3. 3

      ホワイト・タワー

      城の中央35分

      王の武具の展示。上の階まで上がると場内を見渡せます。

    4. 4

      中世の宮殿と城壁

      川側の塔と南の城壁25分

      13世紀の王の居室を再現した部屋から城壁の上へ。テムズ川とタワーブリッジが見えます。

    5. 5

      ブラッディ・タワー

      城の南側10分

      幼い2人の王子が消えたとされる塔。長く幽閉されたウォルター・ローリーの部屋も再現されています。

    6. 6

      ボーチャム・タワーの落書き

      タワー・グリーンの西10分

      囚人たちが壁に彫った名前や紋章が、そのまま残っています。

    各地点の分数は見る時間の目安で、合計に館内の移動を足すと3時間になります。

    半日で回るなら

    3時間の順路に、拷問の展示、王立造幣局の展示、フュージリア連隊博物館と、場内のカフェでの休憩を足します。

    1. 1

      衛士(ビーフィーター)のツアー

      入口の内側から出発45分

      最終は15:15。午前の早い回に乗ると、残りの時間を広く使えます。

    2. 2

      クラウン・ジュエル

      ジュエル・ハウス25分

      昼前後を避けて。

    3. 3

      ホワイト・タワー

      城の中央40分

      王の武具の展示を上の階まで。

    4. 4

      休憩

      場内のカフェ20分

      場内で食事と飲み物がとれます。

    5. 5

      中世の宮殿と城壁

      川側の塔と南の城壁30分

      城壁の上からテムズ川とタワーブリッジ。

    6. 6

      ブラッディ・タワーとボーチャム・タワー

      城の南側と西側20分

      消えた王子の伝説と、囚人の落書き。

    7. 7

      拷問の展示と王立造幣局の展示

      場内20分

      どちらも入場料に含まれます。

    8. 8

      フュージリア連隊博物館

      場内15分

      塔に本部を置いてきた連隊の博物館。入場料に含まれます。

    見終わったら、すぐ隣のタワーブリッジまで歩いて渡れます。

    各地点の分数は見る時間の目安で、合計に館内の移動を足すと半日になります。

    2026年10月5日に公式の館内図と案内で確かめた内容です。展示替え・作品の貸し出し・改装で部屋や順路は変わるので、当日は館内の案内も見てください(Historic Royal Palaces – Tower of London itineraries、Historic Royal Palaces – Yeoman Warder tours、Historic Royal Palaces – Opening and closing times)。

    着いてからの歩き方

    ロンドン塔に着いたら、この順に見ていくと迷いません。

    1. コツ

      着いたらまずクラウンジュエルへ

      入場して最初に向かうべきはジュエルハウス。11時を過ぎると団体客が入り始めて行列が一気に伸びるので、開館直後に見てしまうのが一番効率がいい。午後しか行けない場合は15時以降が狙い目です。

    2. 見どころ

      クラウンジュエル

      戴冠式で実際に使われる王冠と宝物が、動く歩道の脇に並びます。立ち止まれないので、見たいものを決めてから乗るのがコツ。2023年のチャールズ3世の戴冠式で使われた品もここにあります。

    3. 見どころ

      ビーフィーターのツアー

      赤と金の制服を着たヨーマン・ウォーダー(衛士)が場内を案内するツアー。入場料に含まれ、予約は要りません。10:00(日・月曜は10:45)から45分おきに出発し、最終は15:15。天候や混雑で取りやめることがあります。処刑や幽霊の話を含む語りが上手く、これ目当てで来る人もいるほどです。

    4. 見落としやすい

      ボーチャム塔の落書き

      見逃されがちですが、ここが塔で最も生々しい場所かもしれません。処刑を待つ囚人が壁に彫り込んだ文字や紋章が、そのまま残っています。レディ・ジェーン・グレイやガイ・フォークスら、名前を知っている人物が実際に閉じ込められていた部屋です。

    5. 見どころ

      ホワイトタワー

      1078年に建てられた中核の建物。中は甲冑コレクションで、ヘンリー8世の巨大な鎧が見どころです。階段が多く上りきると場内を見渡せます。

    6. 見落としやすい

      カラスを探す

      「カラスが塔を去れば王国は滅びる」という言い伝えがあり、いまも王室費で飼われています。芝生や壁の上をうろついていて、ヨーマン・ウォーダーの後ろをついて歩いていることも。餌をくれる相手を知っている賢い鳥です。

    歴史

    ロンドン塔は観光地になる前に、まず征服者が置いた楔でした。

    1066年にイングランドを征服したウィリアム1世は、ロンドンの東端、ローマ時代の市壁の内側に石の塔を建て始めます。1078年ごろ着工したこの建物が、いま中央に立つホワイトタワーです。監督したのはロチェスター司教ガンダルフ。石はわざわざ海を越えて、ノルマンディーのカーンから運ばせました。

    なぜ手間をかけたのか。当時のロンドンは木造の家が密集する街で、石造りの高い建物は存在しませんでした。完成したホワイトタワーはイングランド最大の石造建築であり、市民が毎日見上げることになる位置に置かれています。つまりこれは防御施設であると同時に、「誰が支配者になったか」を無言で伝え続ける装置でした。

    その後900年かけて、塔は用途を足し続けます。王の住居、造幣所、武器庫、天文台、そして1204年から600年間は王室の動物園。ライオンやゾウ、シロクマまで飼われていました。牢獄はそのうちのひとつの機能にすぎません。

    外装のカーン石は17〜18世紀に大半がポートランド石へ差し替えられているので、いま見えている白い壁は、厳密には創建時の石ではありません。

    「処刑の塔」という評判は、実は誇張されている

    ロンドン塔と聞いて処刑を思い浮かべる人は多いはずですが、塔の内側で斬首されたのは7人だけです。

    塔内での処刑は、群衆に晒されずに済むという意味で、むしろ特権でした。与えられたのは高位の者に限られます。アン・ブーリン(1536年)、キャサリン・ハワード(1542年)、マーガレット・ポール(1541年)、そして16歳のレディ・ジェーン・グレイ(1554年)。タワーグリーンの記念碑はこの7人のためのものです。

    では大量の処刑はどこで行われたのか。塔の外、タワーヒルの丘です。ここは公開処刑の場で、歴史家の推計では約125人が処刑されました。見物人が集まる見世物だったのはこちらのほうで、塔の評判はこの丘のぶんまで背負い込んでいることになります。

    拷問についても同じことが言えます。拷問には枢密院の令状が必要で、1540年から1640年の100年間に認可されたのは全国で81件、うち塔で執行されたのは48件でした。日常的な手段ではなく、例外的な措置だったわけです。

    ただし受けた者にとって例外は慰めになりません。1605年の火薬陰謀事件で拷問を受けたガイ・フォークスは、供述書に署名を残しています。11月8日の署名と、その翌日の署名を並べると、筆跡が別人のように崩れている——手が壊れたことが、紙の上にそのまま残っています。

    塔で最後に人が死んだのは、中世ではなく1941年

    処刑の歴史は遠い昔の話に聞こえますが、ロンドン塔で最後に人が銃殺されたのは1941年8月15日です。

    その年の1月末、ドイツのスパイ、ヨーゼフ・ヤコブスがパラシュートでイングランド中部に降下しました。ところが着地に失敗して足首を骨折。動けないまま畑に横たわり、拳銃を空に撃って助けを呼んだところを地元の農夫に発見され、そのまま逮捕されます。

    裁判のあと、処刑場所に選ばれたのは塔の敷地内にある小口径射撃場でした。ここで問題になったのが、彼が骨折のせいで立てなかったことです。そのため茶色のウィンザーチェアが持ち込まれ、ヤコブスは椅子に縛られ、胸に的を留められた状態で銃殺されました。執行したのはスコッツガーズの8人。うち3人には空砲が渡されており、実弾は5発です。

    このとき使われた椅子は、いまもロイヤル・アーモリーズが保管しています。中世の斬首台と第二次大戦の椅子が、同じ敷地の歴史として地続きに並んでいる——それがこの場所の特異なところです。

    豆知識

    • カラスの伝説は、思ったより新しい。「カラスが去れば王国が滅びる」という言い伝えは、チャールズ2世の時代に始まったと語られてきました。しかし塔の公式歴史家ジェフリー・パーネルが千年分の記録を精査したところ、1883年より前にカラスへの言及が一つも見つかりませんでした。チャールズ2世が守ったという逸話も、同時代の裏付けがありません。おそらくヴィクトリア朝に、飼われていた鳥へ後から物語が接がれたものです。伝説が新しいと知ってから見ても、鳥がそこにいる事実は変わりません。
    • クラウンジュエルの多くは1661年製。「王家に代々伝わる宝」という印象がありますが、1649年にチャールズ1世が処刑されたあと、議会は王権の象徴だった宝物を鋳潰して貨幣にしてしまいました。現在の品は王政復古後、チャールズ2世の戴冠に間に合わせて作り直したものです。中世から続くレガリアは、内乱で一度途切れています。
    • 君主の笏の先に、530カラットのダイヤがある。カリナンI(通称「アフリカの星」)は、無色透明のカット済みダイヤとしては世界最大です。1905年に南アフリカで見つかった原石を分割したうちの1個で、笏に据えるためだけに使われています。
    • ホワイトタワーは「血の塔」ではない。この2つはよく混同されますが別の建物です。ブラッディ・タワー(血の塔)は水門近くの小ぶりな塔で、幼い王子2人が姿を消したとされる場所として、後年その名が付きました。

    夜の鍵の儀式は、予約すれば見られる

    キーセレモニー(Ceremony of the Keys)は、塔の門を施錠する700年続く儀式です。毎晩21時53分に始まり、所要は約30分。

    観光客向けの追加公演ではなく、実際にその日の塔を閉める作業を見せているものです。人数が限られるため、公式サイトでの事前予約制です。料金は£10〜£50の範囲で自分で選ぶ方式で、推奨額は£30。チケットは毎月第1営業日の13時に翌月分が売り出され(その日が金曜なら翌週の月曜)、すぐに埋まります。

    入場は21時30分きっかりで、遅刻すると一切入れません。夜のロンドンで交通が乱れることを考えると、周辺に早めに着いておくのが安全です。

    なお日中のヨーマン・ウォーダー(ビーフィーター)のツアーは入場料に含まれており、こちらは予約不要で当日先着です。有料の別チケットが要るわけではないので、混同しないでください。

    場所とアクセス

    ロンドン塔が出てくるコラム

    このスポットにまつわる歴史や逸話を、1本ずつ掘り下げた読み物です。

    みんなの口コミ

    ロンドン塔を訪れた感想や、これから行く人に役立つコツがあれば教えてください。