カートゥーン・ミュージアム(漫画博物館)The Cartoon Museum
「カートゥーン」という言葉の意味が変わった場所の話
- 料金
- 大人 £12(1年間有効) / 子ども 18歳未満は無料
- 所要時間
- 1時間
- 最寄駅
- Goodge Street 徒歩5分 / Oxford Circus 徒歩7分
- 休館日
- 月
- 開館時間
- 火〜土 10:30〜17:30 / 日 12:00〜16:00(毎月最終木曜は20:00まで)
展示の入れ替え期間に短期の休館が入ることがある。
料金・開館時間は変更されることがあります。訪問前に 公式サイト で最新情報をご確認ください。
18世紀の風刺版画から今朝の新聞の政治漫画まで、英国の風刺画250年ぶんを一続きに扱う小さな博物館。ホガース、ギルレイ、ローランドソンに始まり、『パンチ』を経て『ビーノ』『ダンディ』へ至る系譜が同じ階に並ぶ。オックスフォード・ストリートから一本入ったフィッツロヴィアのウェルズ・ストリートにあり、1時間ほどで一巡できる。
このページの内容
着いてからの歩き方
カートゥーン・ミュージアム(漫画博物館)に着いたら、この順に見ていくと迷いません。
- 到着
月曜休み。日曜だけ開く時間が短い
グッジ・ストリート駅から徒歩5分、オックスフォード・ストリートから一本入ったウェルズ・ストリートにあります。月曜は休みです。火曜から土曜は10時30分から17時30分ですが、日曜だけは12時から16時と短いので、日曜に行くなら午後の早い時間に着くようにしてください。毎月最終木曜は20時まで開いています。
- コツ
目当ての一枚を見に行く場所ではない
紙の作品は光に弱いため、展示は入れ替え制です。常設で掛かりっぱなしの名作というものがなく、行くたびに違う絵が出ています。特定の作品を目当てにすると空振りするので、その日に出ているものを見る場所と考えたほうがよい。切符は1年間有効なので、ロンドン滞在中に二度目も行けます。
- 見どころ
18世紀の版画は、当時の街頭メディアだった
ホガース、ギルレイ、ローランドソンの銅版画から展示が始まります。これらは美術館に飾るために描かれたものではなく、版画商の店先の窓に貼り出して人だかりを作るためのものでした。新聞より早く、字が読めない人にも届く伝達手段だったわけです。小男に描かれたナポレオンや、太った田舎紳士のジョン・ブルはここで生まれています。
- 見落としやすい
ビーノとダンディの原画が同じ階にある
18世紀の政治風刺と、子供向け漫画の原画が同じ空間に並んでいます。英国が上等な風刺と下世話な漫画を制度として分けなかったためで、この並べ方自体がこの館の主張です。デニスやミニー・ザ・ミンクスの乱暴さが、ギルレイの毒を薄めたものだと分かる並びになっています。
- コツ
1時間で一巡する。買い物の合間に入る
規模は小さく、じっくり見ても1時間ほどです。オックスフォード・ストリートの人混みから一本入っただけで通りが急に静かになるので、買い物の途中の休憩として使えます。18歳未満は無料です。館内で声を出して笑う人がいる美術館というのは珍しく、そこも含めて雰囲気が軽い。
1843年、皮肉ひとつで言葉の意味が入れ替わった
カートゥーン(cartoon)はもともと、フレスコ画を描く前に実物大で引く下絵を指す言葉だった。いまの「風刺画・漫画」という意味になったのは、1843年のロンドンで起きた、ひとつの当てこすりが発端である。
当時、焼失したウェストミンスター宮殿の再建にあたって、内部を飾る壁画の下絵を公募する展覧会が開かれていた。国費を投じて壮麗な絵を選ぶ催しである。これに対し風刺雑誌『パンチ』は、貧民が街にあふれているときに壁の絵へ金を使うのか、と噛みついた。
1843年7月15日号に載ったジョン・リーチの絵は、ぼろをまとった貧しいロンドン子たちが立派な絵画展を見物している図で、題は「カートゥーン第1番——実体と影」。宮殿の下絵展を茶化して、自分たちの風刺画に同じ名を付けたのである。
これが評判を取り、以後『パンチ』の中心となる風刺画は単に「カートゥーン」と呼ばれるようになった。皮肉のために借りた言葉が、そのまま新しい意味になって世界中へ広がったわけである。
ギルレイとビーノが同じ階に並ぶ理由
この館の収蔵は、18世紀の銅版画から今朝の新聞の風刺画まで、250年ぶんが一続きになっている。乱暴な並べ方に見えるが、英国の風刺画の歴史では、これが自然な並びである。
出発点はウィリアム・ホガース、ジェームズ・ギルレイ、トーマス・ローランドソン。18世紀後半のロンドンでは、版画商の店先の窓に最新の風刺画が貼り出され、人だかりができた。新聞より早く、字が読めない人にも届く大衆メディアだったのである。ギルレイの描いた小男のナポレオンや、太った田舎紳士のジョン・ブルは、そのまま国民的なイメージとして定着した。
19世紀には『パンチ』が政治風刺の型を作り、20世紀に入ると『ビーノ』や『ダンディ』といった子供向けの漫画が同じ系譜を引き継ぐ。デニスやミニー・ザ・ミンクスの乱暴さは、ギルレイの毒を薄めた版と言っていい。
英国はついに、上等な風刺と下世話な漫画を制度として分けなかった。だから同じ館の同じ階に並んでいる。
行くたびに違う絵が出ている
展示は入れ替え制である。紙の作品は光に弱く、掛けたままにすると退色するため、常設展示という形が取りにくい。行くたびに違う絵が出ていると思ってよい。逆に言えば、目当ての一枚を見に行く場所ではない。
館は2019年に、ブルームズベリーのリトル・ラッセル・ストリートから、フィッツロヴィアのウェルズ・ストリートへ移ってきた。オックスフォード・ストリートの人混みから一本入っただけで、通りは急に静かになる。
この館の特徴は、来館者が声を出して笑うことである。美術館としては珍しい。もっとも風刺画はもともと、店先で立ち止まった通行人を笑わせるために作られたものだ。静かに鑑賞されるほうが、本来の姿から遠い。
場所とアクセス
みんなの口コミ
カートゥーン・ミュージアム(漫画博物館)を訪れた感想や、これから行く人に役立つコツがあれば教えてください。
まだコメントはありません。最初の投稿をお待ちしています。




