ロンドンの宿泊エリア徹底比較|観光に便利なホテルの選び方
Where to Stay in London
ロンドンのホテル選びは「どのホテルか」より「どのエリアか」で決まります。ウェストミンスター、コヴェント・ガーデン、サウス・ケンジントンなど主要10エリアの特徴と向き不向き、宿のタイプ別の予算感、そして日本人が現地で驚くポイントまでまとめました。
ロンドンのホテル選びで失敗する原因は、ほぼ例外なく「安さだけを見てエリアを軽視した」ことです。
ロンドンは東京23区より広く、中心部から外れると移動に片道1時間かかることも珍しくありません。1泊 £30 安い宿を選んだ結果、毎日往復2時間を失い、交通費も増える——これが典型的な失敗パターンです。
この記事では、まずエリア選びの原則を示し、次に主要エリアを一つずつ比較します。
目次
1. エリア選びの3原則
細かいエリア論に入る前に、これだけ守れば大きく外しません。
原則1:Zone 1–2 に泊まる
ロンドンの運賃はゾーン制で、観光地はほぼ Zone 1 に集中しています。Zone 3 以遠の宿は一見安く見えますが、移動時間と交通費で差額はほぼ消えます。Zone 1–2 の中で探す、これが大前提です。
原則2:使う空港に直結する路線沿いを選ぶ
到着日と出発日の負担が大きく変わります。
| 使う空港 | 相性のいいエリア |
|---|---|
| ヒースロー(LHR) | パディントン、サウス・ケンジントン、ケンジントン(ピカデリー線/エリザベス・ライン沿い) |
| ガトウィック(LGW) | ヴィクトリア、ロンドン・ブリッジ、キングス・クロス(Gatwick Express/Thameslink 沿い) |
| スタンステッド(STN) | リヴァプール・ストリート、シティ周辺 |
原則3:夜に人通りがある通りを選ぶ
ロンドンは全体として安全な都市ですが、「昼はオフィス街、夜は無人」というエリアが実在します(シティの一部など)。夜に食事から戻ることを考えて、レストランやパブが並ぶ通りに面した宿を選ぶと安心です。
実務メモ
- 予約サイトの地図表示に切り替えて、候補ホテルの位置を必ず目で確認する。「ロンドン中心部」を名乗る宿が Zone 3 にあることもある
- 最寄り駅からの徒歩分数はストリートビューで確認する。夜に歩くことになる道かどうかが分かる
2. 主要エリア早見表
まず全体像をつかむ
| エリア | 主な最寄り駅 | 価格帯 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| ウェストミンスター/ヴィクトリア | Victoria, Westminster | 中〜高 | 初めてのロンドン、観光重視 | 夜は静かで飲食店が早く閉まる |
| コヴェント・ガーデン/ソーホー | Covent Garden, Leicester Sq | 高 | ミュージカル観劇、夜遊び | うるさい、部屋が狭い、高い |
| サウス・ケンジントン | South Kensington | 中〜高 | 子連れ、博物館好き | 夜の賑わいは控えめ |
| ブルームズベリー | Russell Sq, Holborn | 中 | コスパ重視、大英博物館 | 大型ホテルが少なめ |
| キングス・クロス | King's Cross St Pancras | 中 | 郊外や欧州へ足を延ばす人 | 裏通りは夜避けたい |
| パディントン | Paddington | 中 | ヒースロー最優先 | 建物が古い宿が多い |
| シティ/リヴァプール・ストリート | Liverpool St, Bank | 中(週末は安い) | 週末旅行、ロンドン塔 | 日曜は店が閉まる |
| サウスバンク/ウォータールー | Waterloo, Southwark | 中〜高 | 眺望、テムズ川沿い散策 | 週末の人出が多い |
| マリルボン | Baker St, Marylebone | 中〜高 | 落ち着いた滞在 | 観光地からやや歩く |
| ショーディッチ | Shoreditch High St, Old St | 中 | 若い旅行者、カルチャー | 週末の夜は非常に騒がしい |
価格帯はあくまでエリア間の相対比較です。ロンドンの宿泊費は季節・曜日・イベントで倍以上変動します。
3. ウェストミンスター/ヴィクトリア
初めてのロンドンなら、まずここ
ビッグ・ベン、国会議事堂、ウェストミンスター寺院、バッキンガム宮殿——「ロンドンらしい景色」の大半が徒歩圏にあります。初めての訪問で外したくないなら、最も無難な選択です。
ヴィクトリア駅はガトウィック・エクスプレスの始発駅であり、長距離バス(ヴィクトリア・コーチステーション)のハブでもあります。ガトウィック着の便を使う人、郊外へ日帰りする人には特に便利です。
一方で、このエリアは官庁街の性格が強く、夜は驚くほど静かになります。遅い時間に食事をしたい人は、少し歩いてソーホー方面に出る必要があります。
実務メモ
- ヴィクトリア駅周辺は宿の数が多く、価格競争が起きているため掘り出し物が出やすい
- ウェストミンスター駅のすぐそばは宿が少なく高い。ヴィクトリア駅寄り、あるいはピムリコ方面まで範囲を広げると選択肢が増える
4. コヴェント・ガーデン/ソーホー/レスター・スクエア
劇場街のど真ん中
ウエストエンドの劇場が集まるエリアです。ミュージカルを観るなら、ここに泊まる価値は非常に高い。夜10時に公演が終わってから、歩いてホテルに戻れます。
レストラン、パブ、バーの密度もロンドンで随一。チャイナタウンも隣接しており、食事に困ることはまずありません。
デメリットははっきりしています。高い、うるさい、部屋が狭い。歴史的建造物を転用した宿が多く、同じ料金でも他エリアより明らかに狭い部屋になりがちです。週末の夜は路上まで人があふれるので、静かに眠りたい人には向きません。
実務メモ
- 通り側の部屋は騒音が厳しい。予約時に「quiet room」「courtyard side」をリクエストすると変えてもらえることがある
- 観劇予定があるなら、劇場から徒歩10分以内かどうかを基準にする
5. サウス・ケンジントン/ケンジントン
子連れ旅行のベストアンサー
V&A(ヴィクトリア&アルバート博物館)、自然史博物館、科学博物館が徒歩圏という、世界的に見ても異常な密度のミュージアム地区です。しかもこの3館はすべて入場無料。
治安が良く、街並みが上品で、通りも広い。ベビーカーで歩きやすく、子連れ旅行にはロンドンで最も適したエリアです。ハイド・パークとケンジントン・ガーデンズも隣接しており、子どもを遊ばせる場所にも困りません。ハロッズも徒歩圏です。
弱点は、夜の賑わいが控えめなことと、ウエストエンドの劇場までは地下鉄で15分ほどかかることです。
6. ブルームズベリー/ラッセル・スクエア
コストパフォーマンス最強
大英博物館の徒歩圏でありながら、コヴェント・ガーデンより明らかに安い。ロンドン大学のキャンパスが点在する学生街で、落ち着いた雰囲気があります。
緑の多いスクエア(広場)が点在し、朝の散歩が気持ちいいエリアです。オックスフォード通りへも、コヴェント・ガーデンへも徒歩圏。「中心部に泊まりたいが予算は抑えたい」という要望に、いちばん素直に応えてくれます。
大型のチェーンホテルは少なく、中小規模の宿やタウンハウス改装型が中心です。
実務メモ
- ラッセル・スクエア駅はピカデリー線なので、ヒースローから乗り換えなしで行ける
- 大英博物館は開館直後が空いている。徒歩圏に泊まる最大のメリットはこれ
7. キングス・クロス/セント・パンクラス
どこかへ出かける拠点として
ユーロスター(パリ・ブリュッセル行き)の発着駅であり、イギリス国内の長距離列車のハブでもあります。ヨーロッパ大陸や、エディンバラ・ヨークなど北部へ足を延ばすなら圧倒的に便利。
ガトウィック空港から Thameslink で乗り換えなしに来られるのも利点です。地下鉄も6路線が集まり、市内のどこへでも出やすい。
かつては治安の悪さで知られたエリアですが、大規模な再開発により駅周辺は見違えるほど整備されました。ただし、少し裏に入った通りは今も雰囲気が変わるので、夜遅くの一人歩きは大通りを選んでください。
ハリー・ポッターの「9¾番線」はキングス・クロス駅構内にあります。
8. パディントン
ヒースロー最優先ならここ
ヒースロー・エクスプレスとエリザベス・ラインの起点。空港からの移動を最短にしたい人、大きなスーツケースを持っている人、早朝便・深夜便を使う人には最適です。
ハイド・パークが徒歩圏で、パディントン・ベアの像もあります。運河沿いのリトル・ヴェニスも近い。
注意点は、築年数の古いホテルが多いこと。ヴィクトリア朝のテラスハウスを転用した宿が並び、エレベーターがない、部屋が狭い、設備が古いといったケースが他エリアより多めです。写真と最近のレビューをよく確認してください。
9. シティ/リヴァプール・ストリート
週末が狙い目
ロンドンの金融街。平日はビジネス客で埋まり、週末はがらがらになるため、土日の宿泊料金が大きく下がります。週末だけロンドンにいるなら非常にお得です。
ロンドン塔、タワー・ブリッジ、バラ・マーケットが近く、ショーディッチのカルチャーエリアにも歩いていけます。
裏返せば、日曜はレストランもカフェも閉まっている店が多いエリアでもあります。日曜の朝食難民にならないよう、あらかじめ営業している店を調べておくと安心です。
実務メモ
- 平日と週末で料金が逆転するので、日程をずらせるなら価格を必ず比較する
- リヴァプール・ストリート駅はスタンステッド・エクスプレスの発着駅
10. サウスバンク/ウォータールー
川沿いの散歩が日常になる
テムズ川の南岸。対岸に国会議事堂とビッグ・ベンを望む眺望が最大の魅力です。テート・モダン、ロンドン・アイ、シェイクスピアズ・グローブ座、バラ・マーケットがすべて川沿いに並びます。
ウェストミンスター橋を渡れば、ウェストミンスター地区まで徒歩圏。ウォータールー駅は国内路線のターミナルで、ウィンザーなど郊外へも出やすい。
川沿いは週末になると人出が多く、のんびり歩くというよりは人混みをかき分ける感覚になります。
11. その他の選択肢
- マリルボン:ベイカー・ストリート(シャーロック・ホームズ)周辺。落ち着いた大人の街で、マリルボン・ハイストリートの店が楽しい。観光地からはやや歩く
- ショーディッチ/ホクストン:ストリートアート、古着屋、独立系カフェ。若い旅行者に人気。週末の夜は非常に騒がしい
- ベイズウォーター:ハイド・パークの北。中〜低価格帯の宿が多く、コスパは良い。ただし宿の質のばらつきが大きい
- グリニッジ:世界遺産地区で本初子午線がある。街としては素晴らしいが、中心部から遠いので観光の拠点には向かない
- ストラトフォード:2012年オリンピック跡地。巨大ショッピングモールがあり宿は安いが、Zone 2〜3 で中心部へは20〜30分
12. 宿のタイプと予算の考え方
| タイプ | 主なブランド・例 | どんな人に |
|---|---|---|
| ホステル | YHA London、Generator、Wombat's | 一人旅、予算最優先。個室のあるホステルも多い |
| 格安チェーン | hub by Premier Inn、Premier Inn、Travelodge、Point A、Z Hotels、easyHotel | 中心部で清潔な部屋を定額で確保したい人 |
| 中級(3★) | 独立系ホテル、Ibis など | バランス重視 |
| 高級(4〜5★) | 老舗ホテル、国際チェーン | 記念旅行、ラグジュアリー志向 |
| サービスアパートメント | Cheval、Native、Locke など | 家族連れ・長期滞在。キッチンと洗濯機が付く |
| B&B・ゲストハウス | 個人経営の小規模宿 | 英国らしい滞在。設備は当たり外れが大きい |
日本人にいちばん合いやすいのは「hub by Premier Inn」
Premier Inn の都市型ブランドで、部屋は極端に狭い(10㎡台)代わりに、中心部の一等地にあり、清潔で、料金が明朗という宿です。カプセルホテルやビジネスホテルに慣れた日本人には、むしろ違和感が少ない。コヴェント・ガーデン、ソーホー、ウェストミンスターなど観光に理想的な立地に展開しています。
「部屋は寝るだけ、日中は外に出ている」というタイプの旅行なら、有力な選択肢です。
補足
宿泊税(visitor levy)について
2026年8月時点で、ロンドンに宿泊税はありません。ただし英国政府はイングランドの各首長に宿泊税を導入する権限を与える法整備を進めており、ロンドンは導入の有力候補とされています。実際の導入は早くても2027年以降と見られていますが、渡航前に最新情報をご確認ください。なおエディンバラなど他都市では導入済みなので、英国内を周遊する場合は都市ごとに確認が必要です。
13. 日本人が現地で驚くポイント
予約前に知っておくと落胆しない
部屋がとにかく狭い
同じ料金の日本のホテルと比べて、ロンドンの部屋は明確に狭いと考えてください。歴史的建造物を転用した宿が多く、構造上どうにもならないためです。
「double」はベッド1台
英語の部屋タイプは日本と感覚が違います。
- double:ダブルベッド 1台(2人用)
- twin:シングルベッド2台。ロンドンでは希少で、しかも割高
- triple / family room:3人以上向け。数が少ないので早めに押さえる
友人同士や親子で「ベッドは別々がいい」という場合、twin は意識して探さないと見つかりません。
エアコンがない宿がある
古い建物のホテルにはエアコンが付いていないことがあります。ロンドンの夏は本来涼しいのですが、近年は7〜8月に30℃を超える熱波が発生する年があり、そうなると眠れません。夏に渡航するなら、設備欄で「air conditioning」を必ず確認してください。
その他
- エレベーターがない、または極端に小さい(スーツケース1個と人1人でいっぱい)
- バスタブがないのが標準。シャワーのみ
- シャワーの水圧が弱い宿がある
- 浴室の照明が紐スイッチ(浴室内にスイッチを付けられない法規制のため)
- コンセントは3本足の Type G。変換プラグが必要
- 朝食の full English(温かい卵・ベーコン等)と continental(パンとシリアル中心)は別物。料金も違う
実務メモ
- 「lift」の有無は設備欄に書いてある。重いスーツケースがあるなら必ずチェック
- twin を確実に取りたい場合、予約後にホテルへ直接メールで確認しておくと安心
14. 予約の実務
時期
2〜3ヶ月前が一つの目安です。ロンドンは通年で需要が高く、直前になるほど選択肢が減って値段が上がります。
避けたほうがいい(=高騰する)時期:
- ウィンブルドン期間(6月末〜7月上旬)
- 大型スポーツイベント・大規模コンサートの開催日
- クリスマスマーケットのシーズン(11月下旬〜12月下旬)
- 大型連休・学校休暇(half term)
チェックイン/チェックアウト
標準は チェックイン15:00/チェックアウト11:00。日本より遅く始まり、早く終わります。
早朝に到着した場合、多くのホテルは荷物を預かってくれます(無料が多い)。ホテル以外では、駅の手荷物預かり所や Stasher などの預かりサービスも使えます。
支払い
チェックイン時に、**カードで仮押さえ(pre-authorisation)**が行われるのが一般的です。実際には引き落とされませんが、与信枠が一時的に押さえられます。デビットカードだと残高が拘束されるので、クレジットカードを使うほうが無難です。
Airbnb・民泊の注意
ロンドンでは、ホスト不在型の短期賃貸は年間90日までという規制があります。これを超えて営業している違法物件も存在し、突然キャンセルされるリスクがあります。利用する場合はレビュー件数と実績を慎重に確認してください。
15. 避けたほうがいい選び方
最後に、実際に後悔しやすいパターンを挙げます。
- Zone 3 以遠の「安いホテル」 — 移動時間と交通費で差額が消え、疲労だけが残ります
- 深夜に乗り換えが必要な立地 — 観劇や食事のあと、乗り換え1回が想像以上に負担になります
- レビュー件数が極端に少ない格安宿 — ロンドンの安宿は当たり外れが激しく、件数の少ないレビューは判断材料になりません
- 空港近くのホテル — 早朝便の前泊には合理的ですが、観光の拠点としては最悪です
- 写真が客室以外ばかりの宿 — 外観やロビーの写真しかない場合、客室に見せたくない理由があることが多いです
よくある質問
参考・公式情報
- Visit London – 公式観光情報(エリア紹介・宿泊)
- GOV.UK – Overnight visitor levy in England(宿泊税に関する政府資料)
- TfL – Fares(ゾーンと運賃の確認)
料金・時刻・制度は変更されます。本記事は2026年8月時点の情報です。渡航前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。