近衛歩兵博物館(ガーズ・ミュージアム)The Guards Museum
衛兵交代式へ行く前に、赤い制服の読み方を覚える場所
- 料金
- 大人 £11 / 子ども £3(6〜15歳)/5歳以下は無料
- 所要時間
- 45分〜1時間
- 最寄駅
- St James's Park 徒歩5分
- 開館時間
- 10:00〜16:00(最終入場15:30)
料金・開館時間は変更されることがあります。訪問前に 公式サイト で最新情報をご確認ください。
バッキンガム宮殿に隣接するウェリントン兵舎の地階にある、近衛歩兵5個連隊の博物館。グレナディア、コールドストリーム、スコッツ、アイリッシュ、ウェルシュの各連隊の歴史と制服を扱う。上着のボタンの並び方で連隊を見分ける方法がここで分かるので、先に寄ってから衛兵交代式へ行くと、赤い塊にしか見えなかったものが読めるようになる。
このページの内容
着いてからの歩き方
近衛歩兵博物館(ガーズ・ミュージアム)に着いたら、この順に見ていくと迷いません。
- 到着
現役の兵舎の地階にある。閉まる日がある
セント・ジェームズ・パーク駅から徒歩5分、バードケージ・ウォーク沿いのウェリントン兵舎の地階が入口です。毎日10時から16時まで、最終入場は15時30分。ただしここは現役の軍施設の中なので、式典や警備の都合で予告なく閉まる日があります。これだけを目的に遠回りするなら、前日に電話で確かめるのが確実です。
- コツ
衛兵交代式より先に、こちらへ寄る
順番が大事です。この館を先に見てから交代式へ行くと、見え方がまるで変わります。逆にすると、赤い制服の集団を眺めて終わります。式は宮殿前で午前中に行われ、兵舎はその出発点に当たるので、地理的にも先に寄るほうが自然な動線になります。
- 見どころ
ボタンの間隔を、実物で見比べる
展示の中心は5個連隊の制服です。上着のボタンが、グレナディアは等間隔に1つずつ、コールドストリームは2つずつ、スコッツは3つ、アイリッシュは4つ、ウェルシュは5つの組で並んでいます。この数字は連隊が作られた順番と一致します。並べて見比べておくと、屋外で一目で見分けられるようになります。
- 見落としやすい
月水金の午前、兵舎の前庭で整列している
交代式に出る新しい衛兵は、宮殿へ向かう前にこの兵舎の前庭で整列し、点検を受けます。月曜・水曜・金曜の10時15分頃からで、柵の外から見られます。宮殿前の人混みと違って距離が近く、制服のボタンや羽根飾りをはっきり確認できるので、見分け方を覚えた直後に見るには一番の場所です。
国王の親衛隊は、国王を処刑した軍の生き残りである
コールドストリーム・ガーズは、英国正規陸軍で現役最古の連隊である。創設は1650年。ただしその成り立ちには、王室の親衛隊としては具合の悪い事実がある。この連隊はオリヴァー・クロムウェルの新模範軍の部隊として生まれた。
創設者はジョージ・マンク大佐。共和国側の指揮官として、1650年のダンバーの戦いでスコットランド王党派を破った側にいた人物である。チャールズ1世を処刑した体制の軍だ。
ところが1660年1月、マンクはスコットランド国境の村コールドストリームから連隊を率いてロンドンへ南下し、議会を再開させ、結果としてチャールズ2世の王政復古を実現させてしまう。翌1661年、新模範軍は解体された。マンクの連隊だけが例外的に残されたのは、陸軍内の反乱鎮圧に用いられて有用性を証明したためである。
連隊名の由来が王都でも戦場でもなく、国境の小さな村の名であるのはこのためだ。連隊の標語はNulli Secundus——「何者にも次がず」。1番目を名乗るグレナディアより自分たちのほうが古い、という当てこすりが込められている。
ボタンの間隔で、どの連隊かが分かる
宮殿の門に立つ赤い制服の衛兵は、全員が同じ連隊ではない。近衛歩兵は5個連隊あり、日によって任務に就く連隊が替わる。見分ける方法があって、しかも双眼鏡が要らないほど簡単である。上着のボタンの並び方を見ればよい。
- グレナディア・ガーズ——ボタンが等間隔に1つずつ
- コールドストリーム・ガーズ——2つずつの組
- スコッツ・ガーズ——3つずつの組
- アイリッシュ・ガーズ——4つずつの組
- ウェルシュ・ガーズ——5つずつの組
この数字は連隊が作られた順番と一致している。いちばん古い連隊が1つずつ、5番目が5つずつという並びで、制服の飾りがそのまま序列の表記になっている。
熊毛帽の羽根飾りでも区別がつく。グレナディアは左に白、コールドストリームは右に赤、スコッツは羽根なし、アイリッシュは右に青、ウェルシュは左に白と緑。衛兵交代式へ行く前にこの館へ寄るという順番にしておくと、式の見え方が変わる。
近衛の博物館は2つある。ここは歩兵のほう
ロンドンには近衛部隊の博物館が2つあり、よく取り違えられる。ここ近衛歩兵博物館が扱うのは徒歩の5個連隊である。もう一つ、ホワイトホールのホース・ガーズにあるハウスホールド・キャバルリー博物館が扱うのは騎馬の2個連隊——ライフ・ガーズとブルーズ・アンド・ロイヤルズだ。
この2つを合わせてハウスホールド・ディヴィジョン(近衛師団)と呼ぶ。宮殿の門に立つのが歩兵、ホワイトホールで馬に乗っているのが騎兵、と覚えればよい。制服の色も違う。ライフ・ガーズは赤い上着に白い兜飾り、ブルーズ・アンド・ロイヤルズは紺の上着に赤い兜飾りである。
この館が入るウェリントン兵舎は、衛兵交代式に出る部隊が実際に整列する場所でもある。月・水・金の午前中には、これから宮殿へ向かう新しい衛兵が兵舎の前庭で整列するところを、柵の外から見られる。
熊毛帽は、間違えた相手から取った戦利品
グレナディア・ガーズの熊毛帽は、1815年のワーテルローの戦いの褒賞である。ナポレオンの帝国親衛隊を打ち破った功により、相手のかぶっていた熊毛帽と、擲弾をかたどった帽章を与えられた。連隊が「グレナディア」(擲弾兵)を名乗るのもこのときからである。
ただしここには、広く信じられている誤りが混じっている。実際に彼らが正面から当たったのは、帝国親衛隊の擲弾兵ではない。ナポレオンは精鋭の擲弾兵をプランスノワへ回してプロイセン軍に当てており、近衛歩兵の前に現れたのは猟歩兵(シャスール)だった。猟歩兵も同じ熊毛帽をかぶっていたため、硝煙と混乱のなかで取り違えられ、そのまま定着した。
つまりこの帽子は、間違えた相手から取った戦利品ということになる。なお「グレナディア・ガーズ」が正式な連隊名になるのは、ワーテルローから62年後の1877年である。
場所とアクセス
みんなの口コミ
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