ロンドン交通博物館London Transport Museum
ロンドン交通の歴史とデザインを体感する博物館
- 料金
- £24.50〜
- 所要時間
- 2時間
- 最寄駅
- Covent Garden
- 開館時間
- 10:00〜18:00 (最終入場17:00)
料金・開館時間は変更されることがあります。訪問前に 公式サイト で最新情報をご確認ください。
ロンドン交通博物館は、赤い2階建てバスや地下鉄の黎明期を象徴する車両など、ロンドンの成長を支えた交通の歴史とデザインを体系的に紹介する博物館です。1800年代の輸送システムから現代までの変遷を、実物展示・体験型コンテンツ・デザイン資料を通して深く学べます。家族連れにも人気で、子ども向けのインタラクティブ展示も充実しています。
このページの内容
着いてからの歩き方
ロンドン交通博物館に着いたら、この順に見ていくと迷いません。
- コツ
チケットは1年間有効
大人£24.50前後と単発の入館料としては高めですが、この券がそのまま12か月の年間パスになります(再訪時も時間指定の予約は必要)。子どもは無料。ロンドンに長く滞在する人や再訪する人には、実質的にかなり安い施設です。
- 見どころ
ハリー・ベックの路線図原画
地下鉄の路線図から地理的な正確さを捨て、線を垂直・水平・45度だけに整理した図案の原案です。描いたのは製図工のハリー・ベック。1931年に提出したとき、彼は不況で交通局を解雇され失業中でした。案は「急進的すぎる」として一度却下されますが、翌年の再提出で採用され、1933年に75万部が刷られます。いま世界中の都市が真似している設計の、最初の1枚です。
- 見どころ
乗り込める車両
世界初の地下鉄蒸気機関車、1890年の初期電気機関車「パディッド・セル」、そして赤いルートマスター・バス。多くが車内に入れる展示で、座席に座れます。地下鉄が蒸気機関車で走っていた時代の車両を見ると、トンネル内がどれほど過酷だったか想像がつきます。
- 見どころ
ポスターのコレクション
ロンドン交通局は20世紀を通じて一流の画家にポスターを発注し続けました。その原画コレクションがこの館の隠れた主役です。企業広告というより、20世紀のグラフィックデザイン史そのもの。売店で複製が買えるので、土産としても実用的です。
- コツ
アクトンの収蔵庫は年に数回だけ
本館に入りきらない32万点を収める西ロンドンのアクトン収蔵庫は、通常非公開です。年に3回ほど(4月・7月・9月ごろ)の公開日と、事前予約制のツアーでのみ入れます。RM1・RM2など初代ルートマスターが見られるのはこちら。鉄道好きなら日程を合わせる価値があります。
花市場だった建物に、乗り物が入っている
コヴェント・ガーデンのこの建物は、交通のために建てられたものではありません。1871年にウィリアム・ロジャースが設計した花市場です。鉄とガラスの大きな屋根は、切り花を扱う市場のために作られました。
コヴェント・ガーデンの青果・花卉市場が1974年に郊外へ移転したあと、空いた建物に博物館が入りました。天井の高いガラス屋根の空間は、二階建てバスや路面電車を丸ごと置くのに都合がよかったわけです。
収蔵の中心は、ロンドンが世界に先駆けて作り上げた都市交通の実物です。1829年の乗合馬車から、世界初の地下鉄車両、路面電車、トロリーバス、現代の地下鉄車両まで。乗り込める展示が多いのが特徴で、運転台に座れる車両もあります。
ロンドンは1863年に世界初の地下鉄を開業させた街です。蒸気機関車が地下を走るという、いま考えると無茶な方式から始まりました。煙の問題をどう処理したのか——その答えも含めて、ここで実物を見られます。
地下鉄の地図は、回路図から生まれた
ロンドン交通の遺産は車両だけではありません。デザインそのものが世界に影響を与えました。
代表がハリー・ベックの路線図です。1933年、彼はロンドン地下鉄の電気製図工でした。当時の路線図は実際の地理に忠実で、中心部が密集して読めず、郊外は間延びしていました。
ベックの発想は単純です。乗客が知りたいのは「どこで乗り換えるか」であって、正確な距離ではない。そこで地理を捨て、線を垂直・水平・45度だけに制限し、駅の間隔を均等にしました。手本にしたのは、彼が日常的に描いていた電気回路図です。
会社は当初「乗客に理解されない」と難色を示しました。試験的に少部数を配ったところ好評で、正式採用されます。以後、世界中の都市がこの方式を真似ました。ベックへの報酬は5ギニーでした。
もうひとつが書体とロゴです。1913年、フランク・ピックはエドワード・ジョンストンに専用書体を依頼します。1916年に導入されたこの書体は、いまもロンドン交通局で使われています。赤い丸に横棒を通したラウンデルは、1908年にセント・ジェームズ・パーク駅の駅名標として生まれました。広告だらけの壁の中で駅名を目立たせるための工夫です。
街で毎日見ている記号の由来が、この館に集まっています。
豆知識
- チケットは1年間有効。一度買えば、その日から1年間は何度でも入れます(公式サイトで要確認)。子ども連れで短時間ずつ通う使い方ができます。
- 座席の柄(モケット)にも設計思想がある。地下鉄の座席生地は、汚れが目立たず、擦り切れにくく、混雑時に方向感覚を保てるよう色と柄が選ばれています。館内ではその変遷を見られ、ショップでは実際の生地を使った小物が売られています。
- 別館デポには収蔵の大半がある。アクトンにある収蔵庫には、本館に置ききれない車両と資料が保管されており、年に数回だけ公開されます。鉄道好きにはこちらが本命です。
- 「Mind the gap」の録音も展示されている。ホームと車両の隙間を警告するあの音声の歴史も扱われています。
コヴェント・ガーデンの雑踏の中にある
コヴェント・ガーデンのマーケット広場に面しています。周辺は終日混雑しており、大道芸人が出ています。館内は落ち着いていますが、たどり着くまでが人混みです。
子ども向けの仕掛けが多い館です。運転台に座れる車両、スタンプラリー、体験展示。そのぶん週末と学校休暇は家族連れで混みます。静かに見たいなら平日を選んでください。
地下鉄コヴェント・ガーデン駅は出口のエレベーターが混雑し、入場規制がかかることがあります。レスター・スクエア駅から歩くほうが速いことも多いです。
ショップは交通デザインのグッズが充実しており、路線図や書体、ラウンデルを使った商品が並びます。土産物としては当たりが多い店です。
場所とアクセス
美術館・博物館ガイド
ロンドン交通博物館をじっくり見る
注目作品、所要時間の目安、開館時間、館内の回り方は美術館ガイド側にまとめています。
みんなの口コミ
ロンドン交通博物館を訪れた感想や、これから行く人に役立つコツがあれば教えてください。
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