ロンドンのチップと支払い|service charge・カード・両替・DCC の断り方

    Tipping & Paying in London

    ロンドンでチップは義務ではありません。着席型のレストランでは service charge が12.5%前後、伝票に自動加算されているのが普通で、その場合は追加不要です。そして街はほぼ完全にキャッシュレス。ただし JCB はほぼ使えず、円建て決済を勧められたら断るべきです。払う側が知っておくべきことをまとめました。

    2026年8月時点の情報

    日本人がロンドンで最も不安になるのが「チップをいくら払えばいいのか」ですが、実際はかなり簡単です。

    • チップは義務ではありません
    • 着席型のレストランでは service charge が12.5%前後、伝票に自動加算されている(その場合は追加不要)
    • パブ、カフェ、ホテルの枕銭は不要

    もうひとつ知っておくべきなのが支払い手段です。ロンドンはほぼ完全にキャッシュレスで、現金は£20〜50もあれば足ります。ただしJCB はほぼ使えません。

    この記事は「払う側」の話です。集められた service charge が従業員にどう渡るのかは英国サービスチャージ完全ガイドで扱っています。

    1. チップの相場

    「義務ではない」が原則

    場面チップ
    レストラン(着席・給仕あり)伝票に service charge 12.5% 前後が自動加算されていることが多い。加算済みなら追加不要
    パブ(カウンターで注文不要
    カフェ・ファストフード不要(端末のチップ選択は断ってよい)
    タクシー端数を切り上げる程度。必須ではない
    ホテル(枕銭)不要
    ホテル(荷物を運んでもらった)£1〜2 程度。任意
    美容室・理容室10%程度。任意
    ツアーガイド£5〜10 程度。任意

    迷ったら「加算されているか伝票を見る」だけで足ります。加算されていれば何もしない。されていなくて満足したなら10〜12%を足す。それだけです。

    日本との決定的な違い

    日本では「チップを渡す=特別なこと」ですが、英国ではservice charge として最初から価格に組み込まれていることが多い。つまり、チップを払うかどうかを毎回考える必要がありません。

    実務メモ

    • チップを現金で渡すか、カードの伝票に足すかは自由。どちらも普通に行われている
    • 「サービスが良かったから多めに」は自由だが、20%を超える必要はまったくない

    2. service charge は外してもらえます

    気まずいことではありません

    伝票の service charge は、法的な支払い義務ではありません。

    サービスに不満があった場合、こう伝えれば外してもらえます。

    "Could you remove the service charge, please?"

    英国では普通に行われていることで、気まずい行為ではありません。店員も慣れています。

    どういうときに外すか

    • 明らかに給仕の対応が悪かった
    • 注文が間違っていて、対応も雑だった
    • そもそも給仕らしい給仕を受けていない(実質セルフサービスだった)

    逆に、加算されていない店で満足したなら、10〜12%程度を渡すと喜ばれます。

    カフェの端末で出るチップ選択

    カードをタッチする端末に「10% / 15% / 20% / No tip」と表示されることが増えました。カウンター注文なら No tip で問題ありません。これは米国式の慣行が端末経由で入ってきたもので、英国の相場ではありません。

    二重に払わない

    service charge が加算されている伝票で、さらに端末でチップを足す必要はありません。端末が改めてチップを聞いてくることがありますが、加算済みなら No tip を選んでください。

    補足

    そのチップはどこへ行くのか

    2023年に成立した Tipping Act により、集められたサービスチャージは原則として従業員に全額渡ることになっています。制度の詳細と、実際に守られているかは英国サービスチャージ完全ガイドで掘り下げています。

    3. カード決済とキャッシュレス

    現金がなくてもほぼ困らない

    ロンドンのキャッシュレス化は日本より進んでいます。カフェ、パブ、スーパー、地下鉄、タクシー、屋台まで、ほぼすべてがカードで完結します。「現金お断り」の店すら珍しくありません。

    使えるブランド

    ブランド使えるか
    Visa○ どこでも
    Mastercard○ どこでも
    American Express△ 中〜高価格帯の店では使えるが、小さな店では断られることがある
    JCB× ほぼ使えない

    JCB しか持っていない場合は、必ず Visa か Mastercard を用意してください。

    地下鉄の改札でも同じです。TfL のタッチ決済が受け付けるのは Visa、Mastercard、American Express、Maestro で、JCB は含まれていません。

    タッチ決済が基本

    英国のタッチ決済(contactless)に金額の上限はありますが、日常的な買い物ならまず届きません。高額の決済では IC チップ+PIN(暗証番号) を求められます。カードの暗証番号を思い出せるようにしておいてください。

    スマホ決済

    Apple Pay / Google Pay も広く使えます。地下鉄の改札でも使えますが、電池切れに注意してください。改札の中で電池が切れると出られなくなります。

    実務メモ

    • IC チップ+PIN を使う場面がある。暗証番号を忘れているなら、渡航前に確認しておく
    • カード会社に「英国で使う」と事前に伝えておくと、不正利用検知でカードが止まるリスクが下がる
    • 予備のカードを別の場所に分けて持つ。1枚が止まると身動きが取れなくなります
    • スマホ決済で改札を通ったなら、そのスマホでしか出られない。同行者と端末を混同しないこと

    4. DCC(円建て決済)は必ず断る

    知らないと毎回損をします

    決済端末やATMで、こう聞かれることがあります。

    「GBP と JPY のどちらで支払いますか?」

    これは DCC(Dynamic Currency Conversion) と呼ばれる仕組みです。

    必ず「GBP(ポンド建て)」を選んでください。

    なぜか

    円建てを選ぶと、その店や ATM 事業者が決めたレートで換算されます。これはカード会社の国際ブランドレートより明確に不利です。数%の差が乗ることが多く、滞在中ずっと円建てを選び続けると、無視できない額になります。

    「日本円で表示されるほうが安心」と感じるのは自然ですが、その安心感の対価が数%の手数料です。

    断り方

    端末の画面で GBP / Pay in GBP / Pounds を選ぶだけです。店員に説明する必要はありません。

    ATM でも同じ画面が出ます。"Without conversion" や "Continue without conversion" を選んでください。

    注意

    円建てを選ぶと、ほぼ確実に損をします

    DCC は「親切な機能」に見えますが、換算レートを決めるのは店やATM側です。カード会社のレートのほうが有利なので、常に GBP を選んでください。

    5. 現金と両替

    日本で全額両替してはいけない

    通貨はポンド(GBP、£)。補助単位はペンス(p)で、£1 = 100p です。

    現金はいくら必要か

    £20〜50 もあれば十分です。使う場面は次のくらいに限られます。

    • 小さな屋台やマーケットの一部
    • 一部の公衆トイレ(20〜50p)
    • 現金で渡したいチップ

    両替の考え方

    日本で全額を両替するのは、ほぼ確実に損です。

    手段評価
    空港の両替所最も不利。緊急時以外は使わない
    街の「手数料無料」の両替所手数料を取らない代わりに、実質レートに利益を乗せている。無料ではない
    Wise / Revolut などのマルチカレンシーカード有力。渡航前に作っておく
    現地の ATM(cashpoint)必要な分だけ引き出す。DCC は断る

    紙幣について

    現在有効なのはポリマー(プラスチック)製の紙幣のみです。従来の紙製紙幣は2022年9月に法定通貨としての効力を失っています。古い紙幣を持っている場合は使えません。

    また、£50 紙幣は小さな店で受け取りを断られることがあります。ATM で引き出す際は £20 以下の紙幣が出る設定を選ぶと安心です。

    為替レートについて

    この記事では意図的に「£1=◯円」を書いていません。書いた時点で古くなり、読者が誤った予算を立てる原因になるためです。渡航直前にご自身で確認してください。

    実務メモ

    • スコットランドや北アイルランドの銀行が発行するポンド紙幣は、イングランドの店で受け取りを渋られることがある
    • ATM は銀行の店内にあるものを使う。路上の独立系 ATM は手数料を取ることがある
    • 小銭は帰国前に使い切る。日本では硬貨を両替できません

    6. 免税(VAT還付)はもうありません

    古いガイドブックの最重要注意点

    英国の旅行者向け VAT(付加価値税)還付制度は、2021年1月に廃止されました。

    かつては店で「Tax Free」の書類を作ってもらい、空港で還付を受けることができましたが、現在この制度は存在しません。ブレグジット後の制度変更によるものです。

    ロンドンで買い物をしても、税金は戻ってきません。古いガイドブックやブログには今も還付手続きの説明が残っていることがあるので、注意してください。

    予算に「還付ぶん」を見込まないでください。

    なお、EU 各国(フランス、イタリアなど)では引き続き還付制度があります。英国と大陸ヨーロッパを周遊する場合、英国だけルールが違うと覚えておいてください。

    7. 表示価格と、あとから乗るもの

    VAT は表示価格に含まれています

    英国の小売価格は税込表示です。レジで消費税が上乗せされることはありません(日本の総額表示と同じ)。

    あとから乗るもの

    項目内容
    service charge着席型のレストランで12.5%前後。伝票に加算される
    カバーチャージ一部の店で席料。まれ
    レジ袋有料。エコバッグを持参する
    公衆トイレ20〜50p のことがある
    配達手数料デリバリーアプリで別途

    大型店の日曜営業

    直接の支払いの話ではありませんが、覚えておくと役に立ちます。大型店(延床面積の大きい店)の日曜営業は法律で6時間に制限されており、11:00〜17:00 が典型です。日曜に買い物を予定しているなら、開店が遅い前提で組んでください。

    よくある質問

    参考・公式情報

    料金・時刻・制度は変更されます。本記事は2026年8月時点の情報です。渡航前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。

    ほかの旅行ガイド

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