ロンドンの住まい探しガイド
Renting in London: From Search to Deposit Return
家探しは、今どの段階にいるかで必要な情報がまったく違います。下から自分の状況に近いものを選んでください。 制度の話は、必要になった段階で読めば足ります。
2026年5月1日、英国の賃貸制度は根本から変わりました
- ・AST(定期借家)が廃止。既存の契約も含め、すべてが期間の定めのない assured periodic tenancy に自動転換されました
- ・Section 21(無過失立ち退き)が廃止。大家が理由なく退去を求めることはできません
- ・借主は2ヶ月前の書面通知でいつでも退去可能
- ・前払い家賃は1ヶ月分が上限。「半年分前払いして審査を通す」方法は違法になりました
- ・募集価格を超える提示の受け入れ(入札)が禁止
日本語で流通している家探し情報の大半は、まだ改正前を前提にしています。契約形態の地図で現在の制度を確認してください。
自分の状況を選んでください
一番近いものが1つ見つかれば、それがあなたの読むべきページです。
これから探し始める。どのサイトを見ればいいのか分からない
→ ポータルサイトの使い分け
一棟まるごと借りるなら Rightmove・Zoopla・OpenRent。掲載元が違うので3つとも見る必要があります。良い物件は48時間で埋まるので、アラート設定が生命線です。
3サイトの違いを見る →予算的にシェアしかない
→ SpareRoom
ロンドンで最も現実的な選択肢。1部屋あたりインナーロンドンで月£1,002、アウターで月£800。ただし lodger になると法的保護がまるごと変わります。
フラットシェアの探し方を見る →英語での契約が不安。日本語で完結させたい
→ 日系コミュニティ経由
審査も保証人も不要で、渡英直後のつなぎには合理的です。ただし又貸し・契約書なし・敷金が保護されない物件が混じります。使いどころを見極めてください。
日系物件の注意点を見る →見積もりを出された。この金額は妥当なのか
→ 初期費用の上限
敷金は5週間分、holding deposit は1週間分、前払い家賃は1ヶ月分まで。契約手数料・更新料・内見料はすべて違法です。
払ってよい金額を確認する →審査に落ち続けている。収入証明も保証人もない
→ referencing の突破法
年収が家賃の30倍という壁と、英国の信用情報がない問題。従来の「半年分前払い」は2026年5月から違法になり、保証人サービスが事実上の必須になりました。
審査の通し方を見る →どのエリアに住むべきか決められない
→ 総額での比較
Zone 1-2 の定期が月£171.70、Zone 1-4 なら月£246.60。家賃の安さが定期代で消えることがあります。治安データと council tax の調べ方も。
エリアの選び方を見る →内見の予約が取れた。15分で何を見ればいい?
→ 内見チェックリスト
写真に写らないもの——カビの匂い、水圧、階上の足音、冬の寒さ——を確認する手順。シェアなら同居人の生活リズムを聞き出す質問リストつき。
チェックリストを見る →同居人の騒音で眠れない。大家に言っても改善しない
→ 騒音トラブルの手順
「うるさい」では管理会社は動きません。時刻・人数・継続時間を数字で出したときだけ動きます。管理会社の構造的な限界と、大家を飛び越える自治体 noise team への通報まで。
騒音への対処を見る →退去する。敷金が返ってくるか不安
→ デポジット返還交渉
敷金は大家ではなく保護スキームが持っており、勝手に引くことはできません。合意できなければ無料の裁定制度が使えます。立証責任は大家側にあります。
退去の手順を見る →相場と、払ってよい金額の上限
提示された金額が妥当かどうかを判断する基準線です。上限を超える請求はすべて違法で、払ってしまっても返還を請求できます。
ロンドンの家賃相場(2026年8月時点)
| 種別 | 月額 | 出典 |
|---|---|---|
| 一棟まるごと(グレーターロンドン平均) | £2,338 | ONS |
| シェア1部屋(インナーロンドン) | £1,002 | SpareRoom |
| シェア1部屋(アウターロンドン) | £800 | SpareRoom |
払ってよい金額の上限
| 項目 | 上限 |
|---|---|
| 敷金(tenancy deposit) | 5週間分(年間家賃£50,000以上なら6週間分) |
| Holding deposit | 1週間分 |
| 前払い家賃 | 1ヶ月分(署名後のみ) |
| 契約手数料・更新料・内見料・referencing費用 | すべて違法。上限ではなくゼロ |
週あたりの金額は「月額 ÷ 4」ではなく 月額 × 12 ÷ 52 で計算します。÷4で計算すると必ず過大になり、上限超過を見逃します。
住まい探しガイド一覧
全10本。探し始めから退去後の敷金回収まで、順を追って読めるように並べています。
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よくある質問
2026年5月に何が変わったのですか?
Renters' Rights Act 2025 の第1段階が施行されました。AST(定期借家)が廃止され、既存・新規を問わずすべての契約が期間の定めのない assured periodic tenancy に自動転換されました。同時に大家の無過失立ち退き(Section 21)が廃止され、借主は2ヶ月前の書面通知でいつでも退去できるようになっています。ネット上の日本語情報の大半はまだ改正前を前提にしているため、注意してください。
契約書に「12ヶ月の固定期間」と書かれています。縛られますか?
縛られません。2026年5月1日時点で、既存の契約も含めてすべてが periodic tenancy に転換されています。固定期間の条項は効力を失っており、2ヶ月前に書面で通知すれば退去できます。
日本のような礼金・仲介手数料はかかりますか?
かかりません。英国に礼金にあたるものは存在せず、エージェントの報酬は大家が支払います。借主への契約手数料・referencing 費用・内見料・更新料の請求は、Tenant Fees Act 2019 ですべて違法です。請求されたら拒否でき、払ってしまった分も返還を請求できます。
初期費用はいくら見ておけばいいですか?
月£1,000の部屋なら、敷金£1,154+初月家賃£1,000=約£2,154です。敷金は退去時に返還されるため、返ってこない金は初月家賃だけになります。保証人サービスを使う場合は、その手数料が別途かかります。
英国の信用情報も保証人もありません。借りられますか?
正規ルートは厳しくなっています。従来使われていた「半年分の家賃を前払いする」方法は、2026年5月1日から違法になりました(上限1ヶ月分)。現実的な代替は有料の保証人サービスです。加えて、渡英直後の1〜3ヶ月は審査の要らない住まい(lodger、ホームステイ、コリビング)で住所を確保し、銀行口座と支払い履歴を作ってから本命に申し込む、という順序が有効です。
同居人の騒音がひどい場合、どうすればいいですか?
まず時刻・頻度・人数・継続時間を記録し、大家または管理会社に書面で伝えます。「うるさい」では相手は動けません。並行して、自治体の noise team に通報してください。Environmental Protection Act 1990 にもとづき、自治体には調査義務があり、改善命令に違反すれば刑事罰の対象になります。加えて2026年5月以降は2ヶ月前通知で退去できるため、耐え続ける理由はありません。
敷金が返ってこない場合、どうすればいいですか?
敷金は大家ではなく政府認可の保護スキーム(DPS / MyDeposits / TDS)が保持しており、大家が一方的に引くことはできません。合意できなければ各スキームの ADR(裁定)を無料・弁護士なしで使えます。裁定では立証責任が大家側にあるため、入居時の写真があれば強い立場に立てます。
住まいが決まる前後に必要になること
英国では、住所がないと銀行口座が作れず、口座がないと住所を証明できないという循環に 多くの人が引っかかります。渡英後の手続きと、働き始めてからの労働条件については それぞれ専用のガイドがあります。
本サイトの情報は2026年8月時点のもので、法的助言ではありません。ここで扱う制度はイングランドのものです (スコットランド・ウェールズ・北アイルランドには別の法律が適用されます)。 Renters' Rights Act 2025 は段階的に施行が続いており、PRS データベースや Decent Homes Standard など未施行の部分があります。実際のトラブルにあたっては GOV.UK・Shelter の最新情報を確認し、深刻な事案では Citizens Advice、 地元自治体の private housing team、または事務弁護士にご相談ください。