Rightmove・Zoopla・OpenRent の使い分け|ロンドンの物件ポータル比較
Rightmove vs Zoopla vs OpenRent
英国の物件探しはこの3サイトから始まります。掲載元が違うため3つとも見る必要があり、OpenRent だけは大家直取引でエージェント手数料の構造が違います。それぞれの得意分野と、募集文の英語の読み解き方を整理します。
要点
- Rightmove
- 掲載数が最大。まずここ。エージェント経由が中心
- Zoopla
- Rightmove非掲載の物件がある。相場データが強い
- OpenRent
- 大家直。仲介が挟まらず速いが、自衛の必要が増える
- ロンドンの相場
- 一棟まるごとの平均は月£2,290(ONS)
- 決まる速さ
- 良い物件は掲載から48時間。アラート設定が生命線
英国には日本の SUUMO や HOME'S にあたる物件ポータルが複数あり、実質的には Rightmove・Zoopla・OpenRent の3つを押さえれば足ります。
重要なのは、この3つは同じ物件を並べているわけではないことです。エージェントによって掲載先が違い、OpenRent に至っては大家が直接出しています。1つだけ見て「良い物件がない」と判断するのは、単に見えていないだけです。
そして市場は速い。ロンドンで条件の良い物件は、掲載から48時間以内に内見が埋まります。じっくり比較検討する市場ではなく、アラートを仕掛けて即座に反応する市場です。
目次
1. Rightmove ——まずここから
掲載数が最大。ただしエージェント経由
英国最大の不動産ポータルで、掲載物件数で他を圧倒します。探し始めるならここで間違いありません。
強み
- 掲載数が最大。ロンドンのエージェントはまずここに出す
- 検索条件が細かい(ベッド数、家具の有無、ペット可、学生可、駐車場、庭)
- アラート機能が優秀。条件に合う新着を即座にメールで通知
- Draw a search(地図上で範囲を手描きして絞る)が便利
使い方の実務
1. アラートを必ず設定する
物件探しで最も重要な作業です。条件を保存し、通知頻度を「Instantly」にしてください。1日1回のダイジェストでは間に合いません。
条件は少し広めに設定するのがコツです。予算の上限を厳密に切ると、£25オーバーの良物件を見逃します。上限は希望額+10%程度にしておいてください。
2. Added to site の日付を見る
掲載日が新しいものから当たります。1ヶ月以上掲載され続けている物件は、何か理由があると考えたほうがいい(内見すれば分かる欠点があるか、価格が相場と合っていない)。
3. 地図表示を使う
リスト表示より地図表示のほうが、通勤動線と物件の関係を掴めます。駅からの距離は「徒歩◯分」の表記より、地図上の位置で判断してください。
弱み
- エージェント経由なので、レスポンスが遅いことがある
- 同じ物件が複数のエージェントから重複して掲載されることがある
- 掲載が古いまま残っている(すでに成約済み)ことがある
実務メモ
- アラートのメールは即座に開いて即座に問い合わせてください。返信が数時間遅れるだけで内見枠が埋まります。
- 問い合わせは電話が最も速いですが、記録が残らないため、電話の後に「先ほどお電話した件」とメールを送って内容を残してください。
- Rightmove のアプリを入れてプッシュ通知を有効にすると、メールより数分速く気づけます。
2. Zoopla ——2番手だが、見ない理由がない
Rightmove に出ていない物件がある
Rightmove に次ぐ規模のポータルです。掲載数では劣りますが、Rightmove に出していないエージェントの物件が拾えるため、併用する価値があります。
強み
- 相場データが充実している。 過去の成約価格、エリアの平均家賃、価格推移が見られます。提示された家賃が妥当か判断する材料になります
- エリア情報(学校、交通、犯罪率)が物件ページに統合されている
- Rightmove 非掲載の物件が一定数ある
使い方
Rightmove と同じ条件でアラートを設定し、両方から通知を受ける形にしてください。手間はほぼ増えません。
Zoopla 独自の使いどころは相場の確認です。気に入った物件が見つかったら、Zoopla でそのエリア・その間取りの平均家賃を調べます。相場より2割高い物件に飛びつくのを防げますし、家賃交渉の材料にもなります。
弱み
- 掲載数が Rightmove より少ない
- 成約済み物件が残りやすい
注意
PCM と PW ——表記の罠
英国の家賃表記には2種類あります。
- PCM(per calendar month)= 月額
- PW(per week)= 週額
ポータルによっては週額で表示されることがあり、£300 pw を月£300だと思って問い合わせる人がいます。実際は £300 × 52 ÷ 12 = 月£1,300 です。
週額を月額に直すときは × 52 ÷ 12。× 4 ではありません。この差は月あたり家賃の8%以上になります。
同じ理由で、敷金の上限(5週間分)も月額÷4で計算してはいけません。計算方法は初期費用と、払ってはいけない金で詳しく扱っています。
3. OpenRent ——大家直取引という別の選択肢
速いが、守ってくれる人がいない
OpenRent は、大家が直接掲載するプラットフォームです。エージェントが介在しないため、構造がまったく違います。
強み
- 大家と直接やり取りできる。 質問への回答が速く、条件交渉もしやすい
- エージェントの事務手続きを挟まないため、契約までが速い
- エージェント特有の「連絡が返ってこない」問題がない
- 大家側のコストが低いため、同条件で家賃がやや安い傾向がある
弱み ——ここが本題
- プロの仲介者がいない。 書類の不備、法令違反の契約条項を指摘してくれる人がいません
- 大家が制度を理解していないことがある。悪意ではなく無知で、違法な要求(更新料、6ヶ月分前払い、敷金の未保護)をしてくる例があります
- 物件の管理体制が弱い場合がある。 修繕依頼への対応が大家個人の都合次第
- 詐欺のリスクがゼロではない
使うなら、自衛が前提
OpenRent 自体は正規のプラットフォームで、身元確認や契約書のテンプレート提供も行っています。問題は大家個人の質にばらつきがあることです。
したがって、次を自分で確認してください。
- 敷金が保護スキームに預けられるか(30日以内の預託は法的義務)
- EPC・Gas Safety Certificate・EICR が揃っているか
- 契約書に違法な条項がないか(12ヶ月の固定期間、更新料、professional cleaning 義務)
- 登記上の所有者と、名乗っている大家が一致するか(Land Registry で£3程度で照会可能)
エージェント経由なら業界団体の redress scheme(苦情処理制度)への加入が義務ですが、個人の大家にはそれがありません。トラブル時の窓口は自治体か裁判所になります。
実務メモ
- OpenRent では内見の日程調整も大家と直接行います。平日夜を希望しやすい反面、大家の都合に振り回されることもあります。
- OpenRent 経由でも Rightmove / Zoopla に転載されている物件があります。同じ物件を別ルートで見つけたら、OpenRent 側から直接申し込むほうが速いことが多いです。
- 「内見前に holding deposit を」「まず送金を」と言われたら、その時点で離脱してください。正規の手順ではありません。
4. 募集文の英語を読み解く
書かれていることと、書かれていないこと
英国の募集文には定型表現があり、そこに実態が隠れています。
| 表記 | 意味 | 注意点 |
|---|---|---|
| Furnished | 家具付き | ベッド・ワードローブ・ソファ等。範囲は物件ごとに違うので要確認 |
| Part furnished | 一部家具付き | 何があるか必ずリストで確認 |
| Unfurnished | 家具なし | 冷蔵庫・洗濯機すらないことがある |
| Studio | ワンルーム | キッチンが居室内 |
| Flat share | シェア物件 | 個室+共用部 |
| Bills included | 光熱費込み | council tax が含まれるとは限らない |
| Ground floor | 1階 | 日本の1階。防犯面の考慮を |
| Lower ground floor | 半地下 | 湿気のリスクが高い |
| EPC rating | 省エネ性能 | E以上でないと貸し出し自体が違法 |
| No DSS | 生活保護受給者不可 | 現在は違法な条件です |
| Deposit: 5 weeks | 敷金5週間分 | これが法定上限。超えていれば違法 |
| Available from | 入居可能日 | ここから逆算して動く |
| Holding deposit | 押さえ金 | 上限は1週間分 |
書かれていないことを聞く
募集文にないなら、問い合わせで聞いてください。
- 暖房の方式(gas central heating か storage heater か)
- 窓は二重か
- 洗濯機・乾燥機の有無
- インターネットの回線種別と速度
- council tax band
- 前の入居者が住んでいた期間と、退去した理由
- 冬季の光熱費の実績
最後の2つは特に効きます。 入居者が短期間で入れ替わる物件には、理由があります。
補足
「No DSS」は違法な募集条件です
2026年5月1日から、生活保護等の受給者や子どものいる世帯を理由とした入居拒否は明確に違法化されました。「No DSS」「No housing benefit」「No children」といった条件を掲げる募集は、現行法に違反しています。
日本人読者に直接関係する場面は少ないかもしれませんが、そうした条件を掲げている大家は、他の法規制も把握していない可能性が高いというシグナルとして読めます。
5. 内見を勝ち取る
速さと、準備してあること
ロンドンで良い物件を取れるかどうかは、内見に何番目に入れるかでほぼ決まります。
速さ
- アラートは Instantly に設定
- 通知が来たらその場で問い合わせる。数時間の遅れが致命的です
- 電話が最速。営業時間内なら電話 → その後メールで記録を残す
準備してあること
問い合わせの時点で、次を即答できる状態にしておいてください。エージェントは「決められる客」を優先します。
- 入居希望日
- 在英ステータス(ビザの種類、share code を出せること)
- 職業と年収(または内定通知があること)
- 保証人の手当て(保証人サービスを使う予定なら、その旨)
- 内見可能な日時(複数提示できると強い)
問い合わせの本文には、物件の掲載番号(ref)と住所を明記したうえで、この5点を箇条書きで並べてください。挨拶や意気込みは不要です。エージェントが大家に転送できる情報の塊として書くのが目的です。
この情報が揃っているだけで、他の問い合わせより優先されます。 エージェントの仕事は「確実に契約に至る客」を大家に出すことなので、審査に通る見込みが最初から示されている相手を選びます。
内見の入れ方
1日にまとめて3〜4件入れてください。複数見ないと相場観がつきませんし、比較対象がないと判断できません。ただし記憶が混ざるので、各物件で写真と短いメモを残すこと。
内見で何を見るかは内見チェックリストにまとめています。
よくある質問
参考・公式情報
- GOV.UK - Renters' Rights Act: overview for tenants
- GOV.UK - Guide to the Renters' Rights Act
- legislation.gov.uk - Renters' Rights Act 2025
- legislation.gov.uk - Tenant Fees Act 2019 Schedule 1
- GOV.UK - Tenancy deposit protection
- Shelter England - 借主の権利に関する法情報
- ONS - Private rent and house prices, UK
- SpareRoom - UK Rental Index
- Transport for London - Adult fares and Travelcard prices
料金・時刻・制度は変更されます。本記事は2026年8月時点の情報です。渡航前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。
本記事は情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。ここで扱う制度は イングランドのものです(スコットランド・ウェールズ・北アイルランドは別の法律が適用されます)。 Renters' Rights Act 2025 は段階的に施行が続いており、記載内容が最新でない可能性があります。 実際のトラブルにあたっては GOV.UK・Shelter の最新情報を確認し、深刻な事案(違法な立ち退き、 敷金の未返還、健康被害のある住環境など)では Citizens Advice、地元自治体の private housing team、または事務弁護士にご相談ください。