コラム
イギリスの歴史・文化・伝統・制度にまつわる読み物コラムです。
旅行ガイドだけでは伝えきれない、イギリスの奥深さをじっくり読み解きます。

2026年8月2日
国王の鼻先で扉が閉まる — 1642年1月4日、チャールズ1世が踏み越えた一線と、そこから生まれた英国議会の奇習
英国議会の開院式では、国王の使者「ブラック・ロッド」が庶民院に来ると、目の前で扉が音を立てて閉められる。副侍従長という議員が、国王が議会にいる間バッキンガム宮殿に「人質」として留め置かれる。新任の議長は椅子まで無理やり引きずられていく。奇妙にしか見えないこれらの儀式は、すべて1642年1月4日に起きたたった一度の事件を、いまも毎年再演したものである。
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2026年8月2日
世界一難しい地理の試験「ザ・ナレッジ」— ロンドンのタクシー運転手はなぜ4年かけて街を暗記するのか
ロンドンのブラックキャブに乗るには、チャリングクロスから半径6マイル(約10km)にある約2万5000本の街路と数万か所のランドマークを、頭の中だけで結びつけられなければならない。合格までの平均は3〜4年、脱落率は5割を超える。1865年に始まったこの「ザ・ナレッジ」は、単なる時代錯誤の風習ではなく、受験者の脳の形そのものを変えてしまうことが科学的に確かめられている、世界でも類を見ない試験制度である。
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