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    イギリス英語

    codswallop「たわごと」のくだけた言い方。bollocks ほど下品でなく、nonsense より強い

    codswallop は「たわごと」「ばかばかしい話」という意味のイギリスのくだけた言い方です。a load of (old) codswallop の形でよく使います。bollocks ほど下品ではなく、nonsense よりは強い中間の言葉で、英国議会の議事録にも残っています。語源ははっきりせず、有名な「ラムネ瓶」説には裏付けがありません。

    公開文 ジャスト・ロンドン編集部約5分で読めます

    早わかり

    意味
    たわごと、ばかばかしい話(相手の話を全否定するとき)
    よく使う形
    a load of (old) codswallop / utter codswallop / That's codswallop.
    強さ
    nonsense・rubbish より強く、bollocks より穏やか。少し古風で、どこか間の抜けた響き
    場面
    くだけた会話から議会の野次まで。下品な語ではないが、改まった文書では nonsense
    由来
    不明。ラムネ瓶を考えたハイラム・コッドに由来するという説は、年代が合わない
    「たわごと」のくだけた言い方。bollocks ほど下品でなく、nonsense より強い

    画像: Liz West / CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

    相手の話を全否定したい。でも bollocks だと下品すぎるし、nonsense だと学級委員の注意みたいになる。

    そういうときにイギリス人が出してくる、ちょうどいい一語がある。codswallop(コッズウォロップ)。意味は「たわごと」。響きが間抜けなので、言われた側もいまいち怒りにくい。

    01

    「たわごと」の強さ表。codswallopは議会でもセーフ

    放送の要注意リストに、そもそも載っていない

    「たわごと」と吐き捨てる言い方を強い順に並べると、だいたいこうなる。目安は、放送規制機関Ofcomが2021年に出した言葉の受け止め方の調査。

    • bollocks:「中程度」。放送は文脈しだい。しかも分類は「体の部位」の欄。もとは睾丸なので
    • crap:「軽い」。とはいえ会議で言えば空気は冷える
    • codswallop:調べた186語のリストに入ってすらいない
    • nonsense / rubbish:教科書OK。そのぶん、まったく刺さらない

    日本の会議に置き換えると分かりやすい。部長の案に「アホか」は懲戒もの。「再考の余地があるかと」は誰にも届かない。その間の「ちゃんちゃらおかしい」が、codswallopの位置だと思う。Oxfordの学習辞典の分類はold-fashioned(古風)。言ってる本人がちょっと面白いところまでそっくり。形は a load of (old) codswallop か utter codswallop が定番。

    この「ぎりぎりセーフ」っぷりがよく出ているのが英国議会。議事録Hansardを検索すると、発言は181件(2026年11月時点)。

    • 1967年、自由党の議員。「in what I hope is not un-Parliamentary language, I regard this as a lot of old codswallop」(議会にふさわしくない言葉でないことを願いつつ、これはただのたわごとです)。言う前にちゃんと断るのが律儀
    • 1975年12月、環境相クロスランドが鉄道の大幅削減の噂をcodswallopと切り捨てた。数日後の議場で院内総務がこの件に触れると、議員席から「Codswallop!」の声。院内総務は「That is the one. Parliamentary language is deteriorating.」(それです。議会の言葉が乱れてきている)とぼやいた
    • 翌月、別の議員に「それもcodswallopでは?」と振られた環境相の答え。「Yes. It is utter codswallop.」。反省ゼロ

    「イギリスの議会は品がいい」と思っている人には悪いけど、品がいいのは単語の選び方だけ。やっていることは野次の応酬だったりする。

    02

    語源は誰も知らない。ラムネ瓶説は、たぶんそれ自体がcodswallop

    イギリスの「たわごと」は、なぜかだいたい股間に行き着く

    語源でいちばん有名なのはラムネ瓶説。1870年代、ガスの圧力でビー玉を押しつけて栓をする瓶を考えたイギリス人がHiram Codd(ハイラム・コッド)。日本のラムネ瓶は、この「Codd瓶」の子孫にあたる。ビール好きが彼のレモネードを「Codd's wallop(コッドのビール)」と馬鹿にしたのが始まり、という話だ。wallopはビールの俗語。

    日本人としてはぜひ推したい。でも、計算が合わない。

    • コッドが亡くなったのは1887年
    • codswallopの確認できる最古の例は、1959年12月のBBCラジオのコメディ『Hancock's Half Hour』
    • wallopが「ビール」の意味で記録に出てくるのも、コッドの死後
    • dを2つ重ねた「Codd's wallop」という綴りが、古い文献に見つからない

    Phrase FinderもWorld Wide Wordsも、この説は俗説扱い。脚本家のコンビも「自分たちが作った言葉じゃない、もう出回っていた」と話しているらしい。「ネイティブなら語源くらい知ってるでしょ」は通用しない。誰も知らない。

    有力な説の一つが、codの古い意味「陰嚢」。ここで強さ表を見返すと、嫌な共通点が見えてくる。

    • bollocks:睾丸
    • balls:そのまま。これも「たわごと」の意味で使う
    • cobblers:a load of cobblersも「たわごと」。押韻スラングで、cobbler's awls(靴屋の錐)= balls

    イギリス英語の「たわごと」は、なぜかだいたい股間に行き着く。codswallopもその一族なのかは、Green's Dictionary of Slangいわく「におわせるが、つながりは証明されていない」。

    もし本当なら、codswallopはbollocksと同じ場所の話をしながら、議事録に181件も堂々と残っていることになる。言葉の強さを決めるのは、意味より響きの間抜けさなのかもしれない。