イギリス英語
subwayロンドンで「Subway」の矢印を追っても電車には乗れない。出た先は、道路の向こう側
イギリスで subway は地下鉄ではなく、道路の下をくぐる歩行者用の地下道。地下鉄はUndergroundかTubeと言う。ところがグラスゴーだけは、1896年に開業した地下鉄を今も堂々と「Subway」と呼んでいる。同じ国の中でもう話が通じていない。
公開文 ジャスト・ロンドン編集部約2分で読めます

「subway=地下鉄」とアメリカ式に覚えていると、ロンドンの Subway の表示は罠でしかない。矢印に従って階段を下りても、改札も電車も無い。タイル張りのトンネルを黙々と歩かされ、地上に出るとそこは交差点の向こう側。地下鉄に乗るはずが、道を一本渡っただけで終わる。
01
sub(下)のway(道)。イギリス人は文字どおりに使っているだけ
地下鉄はUndergroundかTube。subwayは地下道
subway を分解すると、sub(下)+way(道)。イギリスではこれを、そのまんま「道路の下の通り道」の意味で使う。大きな交差点や幹線道路の下をくぐる、歩行者用の地下道のことだ。
ロンドンの地下鉄は the Underground、もっとくだけて the Tube。subwayとは呼ばない。
- イギリス:subway=歩行者用の地下道
- アメリカ:subway=地下鉄
- ロンドンの地下鉄:the Underground / the Tube
有名なのが、サウス・ケンジントン駅から自然史博物館や科学博物館の方へ地下を延びる通路。名前もずばり South Kensington Subway(上の写真)。雨の日に博物館まで濡れずに行けるありがたい道だが、地下鉄ではない。というか、地下鉄の駅から出るための道だ。
さらにややこしいことに、イギリスにもサンドイッチ屋の Subway はたくさんある。ロンドンで「Where's the subway?」と聞くと、相手の頭の中では地下道・サンドイッチ屋・アメリカかぶれの観光客、の三択が始まる。日本でいえば「ちかてつ」と言ったのに、駅前の地下街に案内されるようなもの。案内した側は何も間違っていない。
02
グラスゴーだけは例外。1896年から地下鉄が「Subway」
同じ国で、同じ単語の指すものが違う
話をややこしくしているのがスコットランドのグラスゴー。ここの地下鉄の正式な呼び名は、ずっと Subway。運営する交通局は、この路線を1896年12月に開業した、世界で3番目に古い地下鉄だと紹介している。
路線は15駅を結ぶ約10マイル(約16キロ)の環状線が1本だけで、一周しても24分。小さくて、古くて、丸い。オレンジ色の車両から「時計じかけのオレンジ」とあだ名されることもあるらしい。
つまりイギリスで「地下鉄」を言いたいときは、街ごとに単語を替える必要がある。
- ロンドン:the Tube / the Underground
- グラスゴー:the Subway
- ロンドンで subway と言ったら:道路の下の地下道
「イギリス英語ではsubwayは地下道」と覚えた人が、グラスゴーで地下鉄を探して地下道を歩き回る——という二段構えの罠まである。結論。subway を見たら、まず自分がどの街にいるかを確認すること。単語より先に、地図アプリの現在地を見たほうが早い。