Film Series · 2014–2017

    パディントンのロケ地巡り

    Paddingtonノッティング・ヒル周辺で半日

    『パディントン』が愛される理由のひとつは、舞台がほとんど実在のロンドンだということです。CGの熊が歩き回るのは、作り物のセットではなく、ノッティング・ヒルの市場、南ケンジントンの博物館、プリムローズ・ヒルの住宅街という、observedな実在の街並みです。

    ここでは劇中に登場した実在の場所を、なぜその場所が選ばれたのかという背景と一緒に紹介します。私有の住宅も含まれるため、見学の可否は事前に必ず確認してください。

    チャルコット・クレセントは実際に人が暮らす住宅街です。外観の見学・撮影にとどめ、玄関先での長居や住人への声かけは控えてください。

    掲載スポット

    小熊パディントンが到着し、ブラウン一家と出会う場面

    1. メリルボーン駅(劇中の「パディントン駅」外観)

    Marylebone Station

    物語の起点となる駅の場面。プラットフォームの撮影は実際のパディントン駅で行われていますが、街路から見上げる「パディントン駅」の堂々とした正面玄関のカットは、実はここメリルボーン駅です。

    本物のパディントン駅にはああした大きな正面アーチがないため、美術チームがメリルボーン駅の入口に「PADDINGTON STATION」の看板を掲げて撮影しました。駅名を偽装したロケ地、という珍しい成り立ちです。

    一方、本物のパディントン駅の1番線には、原作者マイケル・ボンドの立ち会いのもと2000年に除幕されたパディントン・ベアのブロンズ像が今も立っています。物語の中でブラウン一家が小熊と出会った場所として、こちらもあわせて訪ねる価値があります。

    エリア
    メリルボーン(撮影地)/ パディントン(像の所在地)
    最寄り駅
    Marylebone 駅(撮影地)、Paddington 駅(像)
    見学の可否
    どちらも現役の主要駅で、自由に出入りできます。パディントン駅1番線の像は無料で見学可能。
    ひとこと
    メリルボーン駅の「映画の外観」とパディントン駅の「本物の像」は徒歩15分ほど。両方回ると撮影の種明かしが体感できます。

    パディントンの友人、グルーバーさんの骨董店

    2. アリスズ・アンティークス(劇中の「グルーバーさんの骨董店」)

    Alice's Antiques, Portobello Road

    ポートベロー・ロードに実在する骨董店。真っ赤な外壁とごちゃごちゃとしたショーウィンドウの雑貨が、劇中の「グルーバーさんの骨董店」にそのまま採用されました。

    1952年からこの一族が営む店で(建物自体の商いは1887年から)、ノッティング・ヒルの顔とも言える存在です。1969年の映画『ミニミニ大作戦』にも登場しており、ロケ地としての実績は『パディントン』以前からありました。

    2025年秋には、店舗兼上階の住居がおよそ450万ポンドで売りに出されたと報じられました。長年のオーナー一族が手放す決断をしたためで、訪問前に営業状況を確認しておくと安心です。

    エリア
    ノッティング・ヒル
    最寄り駅
    Notting Hill Gate 駅、Ladbroke Grove 駅(いずれも徒歩約10分)
    見学の可否
    外観は市場に面した通り沿いなのでいつでも見学可能。店内に入れるかは営業状況によるため、訪問前の確認を推奨します。
    ひとこと
    土曜のポートベロー・ロード・マーケット開催中に訪れると、通り全体の雰囲気も一緒に楽しめます。

    剥製師ミリセントの職場という設定の場面(第1作)

    3. 自然史博物館

    Natural History Museum

    テラコッタ張りの外壁と大聖堂のようなヒンツェ・ホールを持つ、サウス・ケンジントンのヴィクトリア朝建築。第1作で、パディントンを剥製にしようとする悪役ミリセント(ニコール・キッドマン)の職場として使われました。

    館内での撮影は、一般公開時間を避けるため夜間に複数回にわたって行われたと報じられています。剥製師の悪役の舞台として、実在の標本コレクションを持つこの博物館ほど説得力のある場所はなかったといえます。

    パディントン駅、ポートベロー・ロードと同様、作り込んだセットではなく実在のロンドンの名所をそのまま使うという、このシリーズ一貫した姿勢がここにも表れています。

    エリア
    サウス・ケンジントン
    最寄り駅
    South Kensington 駅
    見学の可否
    入場無料(一部の特別展のみ有料)。一般公開時間内は自由に見学できます。
    ひとこと
    平日の開館直後が比較的空いています。目玉のクジラの骨格標本「ホープ」があるヒンツェ・ホールは必見です。

    ブラウン一家の自宅の外観

    4. チャルコット・クレセント(劇中の「ウィンザー・ガーデンズ32番地」)

    Chalcot Crescent, Primrose Hill

    物語の設定上、ブラウン家の「ウィンザー・ガーデンズ32番地」はノッティング・ヒル寄りにあることになっていますが、実際の外観撮影が行われたのはプリムローズ・ヒルのチャルコット・クレセントです。

    パステルカラーに塗られたジョージ王朝様式の連棟住宅と、鋳鉄のバルコニーが並ぶ通りで、絵本さながらの佇まいがこの映画の「絵本のようなロンドン」を体現しています。ロケハンの担当者いわく、実在の設定地よりも「さらに高級な」エリアが選ばれたことになります。

    なお室内の場面はここではなく、エルストリー・スタジオに組まれたセットで撮影されています。この通りで見られるのはあくまで外観だけです。

    エリア
    プリムローズ・ヒル
    最寄り駅
    Chalk Farm 駅 徒歩約9分
    見学の可否
    実際に人が暮らす住宅街です。中に入ることはできません。通りからの外観の見学・撮影にとどめてください。
    ひとこと
    近くのプリムローズ・ヒルの丘に登ればロンドンのスカイラインが一望できます。合わせて訪ねるのがおすすめです。

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