What Changed in London

    2026.10

    2026年10月に変わったロンドン

    今月の号

    ガス・電気の料金上限が4%上がり、同時に電気代のVATが0%に。雇用審判所への申し立て期限は6か月に延び、11月1日にはバス運賃が£1.85に上がる。

    10月は在住者の家計と働き方に効く改定が重なった。光熱費は上限が上がる一方で電気代のVATがなくなり、差し引きの値上がりは小さい。職場のトラブルでは、雇用審判所に申し立てられる期限が3か月から6か月に延び、30日からは客からのハラスメントにも雇用主が責任を負う。25日には夏時間が終わり、日本との時差が9時間に戻る。来月以降は、バス運賃の値上げ、学生ビザの生活費の引き上げ、ロンドン・ミュージアムの開館、年明けのGraduate visa短縮が控えている。

    2026年10月4日 調査毎月はじめに更新

    Changed This Month

    2026年10月から変わったこと

    この月に適用が始まった改定と、開業・閉館。サイト内の該当ページは改定後の数字に直してあります。

    5
    光熱費・生活費Bills在住者向け

    ガス・電気の料金上限が4%上がった

    年£1,663から年£1,72310月1日から

    10月1日から12月31日までの3か月間、エネルギー規制機関Ofgemが定める料金上限(price cap)が4%上がった。典型的な使用量の世帯(ガスと電気、Direct Debit払い)で、年£60の増額になる。中東情勢による卸売のガス価格の上昇が主な理由だ。

    上限がかかっているのは1kWhあたりの単価と1日あたりの基本料金で、請求額そのものではない。使えば使っただけ請求は増える。固定料金プラン(fixed tariff)を契約している約1,100万世帯には、この改定は効かない。

    変動料金プランの家庭は、10月1日前後のメーターの検針値(meter reading)を供給会社に送っておくと、9月分と10月分が正しい単価で分けて計算される。次の改定は2027年1月1日で、金額は11月下旬に発表される。

    光熱費・生活の契約の解説へ出典: Ofgem

    光熱費・生活費Bills在住者向け

    電気代のVATが0%になった(2027年3月まで)

    5%から0%10月1日から

    政府の時限措置で、家庭の電気代にかかるVAT(付加価値税)が5%から0%になった。政府の試算では、平均的な世帯で年£45の節約になる。手続きは要らず、供給会社の請求に自動で反映される。

    対象は電気だけで、ガス代には引き続き5%のVATがかかる。財源が確保されているのは2026/27年度(2027年3月31日まで)の分で、その先も続くかはまだ発表されていない。

    上の料金上限の4%上昇は、このVAT撤廃を織り込んだあとの数字だ。Ofgemによれば、撤廃がなければ上限はさらに年£45ほど高かった。

    光熱費・生活の契約の解説へ出典: GOV.UK

    賃金・雇用Work在住者向け

    雇用審判所への申し立て期限が3か月から6か月に延びた

    3か月から6か月10月1日から

    不当解雇(unfair dismissal)、未払い賃金(給与からの不当な天引きを含む)、職場での差別やハラスメントなど、雇用審判所(Employment Tribunal)に申し立てる請求の多くで、期限が3か月から6か月に延びた。数え方は「問題が起きた日から6か月マイナス1日」になる。

    新しい期限が使えるのは、問題が2026年10月1日以降に起きた場合に限られる。9月30日以前の解雇や未払いには、これまでどおり3か月の期限が適用される。

    審判所に申し立てる前に、Acasのあっせん(Early Conciliation)を通す手順は変わらない。期限が延びたからといって後回しにせず、迷ったらまずAcas(0300 123 1100)に連絡するのがよい。

    出典: legislation.gov.uk

    賃金・雇用Work在住者向け

    セクハラ防止義務が強まり、客からのハラスメントも雇用主の責任に

    10月30日から

    2024年10月に始まった雇用主のセクハラ防止義務が、10月30日から強まる。求められる水準が「合理的な措置(reasonable steps)」から「あらゆる合理的な措置(all reasonable steps)」に引き上げられ、あわせて客や取引先など第三者からのハラスメントについても、雇用主が対策を尽くしていなければ責任を負うようになる。

    飲食店や小売店で客から受けたハラスメントを店に伝えても取り合ってもらえない、という場面に効く改正だ。日時と内容を記録し、店にはメールなど記録に残る形で伝えておくと、あとでAcasに相談するときの材料になる。

    同じ日に、労働組合の職場への立ち入りや、ストライキへの参加を理由とした不利益な扱いの禁止など、組合に関わる改正も施行される。

    労働問題の解説へ出典: Acas

    暮らしEveryday

    25日に夏時間が終わり、日本との時差は9時間に

    8時間から9時間10月25日から

    10月25日(日)の午前2時に時計が1時間戻り、英国夏時間(BST)からグリニッジ標準時(GMT)に切り替わる。日本との時差は8時間から9時間になる。

    旅行中の時刻表やチケットはどれも現地時間で書かれているので、時計が戻ったあともそのまま読めばよい。ずれるのは日本時間で考えていた予定のほうで、日本との電話やオンライン会議、日本時間で入れた手続きの予約は、この日を境に1時間ずれる。

    次に夏時間が始まるのは2027年3月28日。

    観光の解説へ出典: GOV.UK

    Coming Up

    これから変わること

    来月以降に変わることが決まったもの。予算や申請の時期を決める前に。

    5
    交通運賃Fares

    バス・トラム運賃が10p上がって£1.85に

    £1.75から£1.8511月1日から

    2023年から据え置かれてきたバスとトラムの運賃が、11月1日の午前4時30分から上がる。

    • 1回の運賃: £1.75 → £1.85
    • 1日の上限: £5.25 → £5.55
    • 週の上限(月〜日)と7 Day Bus & Tram Pass: £24.70 → £26.10
    • 1 Day Bus & Tram Pass: £6.00 → £6.40
    • 子ども・割引運賃: 90p

    1時間以内なら何回乗り継いでも1回分で済むHopper運賃は続く。地下鉄・鉄道の運賃とTravelcardは今回は変わらない。

    11月以降の旅費を見積もるなら、バスに1日3回以上乗る日は上限の£5.55で計算しておけば足りる。

    交通ガイドの解説へ出典: Transport for London

    ビザ・入国Visa在住者向け

    Student visaの生活費の要件額が上がる

    月£1,529から月£1,57011月30日から

    学生ビザの申請で、口座に用意しておく生活費(maintenance)の要件額が11月30日から上がる。9月3日に発表された入国管理規則の改定(HC 584)による。

    • ロンドンの教育機関: 月£1,529 → £1,570
    • ロンドン外の教育機関: 月£1,171 → £1,203

    最大9か月分が必要なので、ロンドンの場合の合計は£13,761から£14,130になる。資金は申請前に28日間続けて口座に置いておく必要があるため、申請が11月30日以降になりそうなら、新しい額で残高を用意しておくのが確実だ。

    ビザガイドの解説へ出典: GOV.UK

    開業・再開Opening

    ロンドン・ミュージアムがスミスフィールドで開館

    11月28日から

    2022年12月にLondon Wallの旧館を閉じたMuseum of Londonが、名前をLondon Museumに改め、スミスフィールドのヴィクトリア朝の市場跡で11月28日に開館する。常設展は無料。

    700万点の収蔵品で、45万年前から現在までのロンドンをたどる。バンクシーの《Piranhas》、エメリン・パンクハーストのハンガーストライキ・メダル、ホワイトチャペルの下水道から取り出された油脂の塊(fatberg)の一部などが並ぶ。開館記念のプログラム「London Tastes」はロンドンの食文化がテーマで、2027年8月まで続く。

    最寄りはFarringdon駅。開館時間や入館予約の要否は、出かける前に公式サイトで確かめてほしい。

    観光の解説へ出典: London Museum

    ビザ・入国Visa在住者向け

    Graduate visaが2年から18か月に短くなる

    2年から18か月2027年1月1日から

    英国の大学・大学院を修了したあとに働けるGraduate visaの期間が、2027年1月1日以降の申請から18か月になる。2026年12月31日までに申請すれば、これまでどおり2年だ。博士課程の修了者は、申請日にかかわらず3年のまま。

    Graduate visaは、大学が課程の修了を内務省に届け出たあと、Student visaの期限内に英国内から申請する。修了の時期が年末に近い人は、年内に申請できるかどうかで滞在できる期間が半年変わる。

    ビザガイドの解説へ出典: GOV.UK

    賃金・雇用Work在住者向け

    不当解雇を争えるまでの勤続期間が2年から6か月に

    2年から6か月2027年1月1日から

    発表の段階です。変更・撤回になる可能性があるため、手続きの前に出典で最新の状況を確認してください。

    Employment Rights Act 2025により、不当解雇(unfair dismissal)を雇用審判所で争えるようになるまでの勤続期間が、2年から6か月に短くなる。Acasは2027年1月1日からと案内している。あわせて、不当解雇の補償額の上限もなくなる予定だ。

    ワーキングホリデー(Youth Mobility Scheme)のように1〜2年で職場を移る働き方では、勤続2年に届かず、解雇の理由を審判所で争えないことが多かった。施行されれば、6か月以上勤めた職場での解雇には、正当な理由と手続きが求められるようになる。

    施行日は政府の発表にもとづくもので、変わる可能性がある。

    出典: Acas

    この号は2026年10月4日時点の調査です。支払いや申請の前に、各項目の出典で最新の情報を確認してください。

    これから変わることを見る