Portrait of Jacob de Gheyn III
ヤーコプ・デ・ゲイン3世の肖像
Must See
レンブラント・ファン・レイン, 1632年
ダリッジ美術館

作品の概要
世界で最も多く盗まれた絵です。 1966年以降に4度持ち去られ、4度とも戻ってきました。ついたあだ名は「持ち帰りのレンブラント(テイクアウェイ・レンブラント)」。
まず、大きさを確かめてください。 縦30センチ、横25センチほどのオーク板。コートの下に隠して持ち出せる寸法です。盗まれ続けた理由のひとつは、この小ささにあります。
戻ってきた場所が、どれも妙です。 墓地のベンチの下。自転車の荷台。タクシーの中。ドイツ・ミュンスターの駅の荷物棚。最も多く盗まれた美術品として、ギネス世界記録に載っています。
そして、絵そのものを見てください。 描かれているのは版画家のヤーコプ・デ・ゲイン3世。白い襞襟と黒い服の間から、顔だけが光の中に浮かんでいます。まだ20代半ばのレンブラントが、アムステルダムで肖像画家として売れ始めたころの仕事です。
この絵には対になる一枚があります。 レンブラントは同じ年、デ・ゲインの友人マウリッツ・ホイヘンスの肖像も、同じ大きさの板に描きました(現在はハンブルク美術館)。二人は、先に死んだほうの肖像を、残ったほうが引き取ると取り決めていた。デ・ゲインが先に亡くなり、この絵はホイヘンスの手に渡ります。そのホイヘンスも、1年とたたずに後を追いました。
ここがポイント
- 1966年以降4度盗まれ、4度とも戻ってきた。ギネス世界記録の「最も多く盗まれた美術品」
- 縦30センチほどのオーク板。コートの下に隠せる小ささが盗まれ続けた理由のひとつ
- 見つかった場所は墓地のベンチの下、自転車の荷台、タクシーの中、ドイツの駅の荷物棚
- 友人ホイヘンスの肖像と対で描かれ、先に死んだほうの肖像を残ったほうが引き取る約束だった