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    ポンドランドが管財人選任を届け出、約600店の行き先は11月半ばに決着へ

    物価・お金世相・ニュース

    英国の低価格チェーンPoundlandが2026年10月29日、管財人の選任を裁判所に届け出ました。会社は傾いているのに、店にはLidlやB&Mが買い手として名乗りを上げています。消えかけているのは安売りの客ではなく、「1ポンド」という約束のほうです。

    ポンドランドが管財人選任を届け出、約600店の行き先は11月半ばに決着へ

    画像: Gazamp / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

    News

    Poundland、管財人選任の通知を提出し破綻の瀬戸際に

    英国の低価格雑貨チェーン、Poundland(ポンドランド)の取締役会が、2026年10月29日(木)に高等法院へ管財人選任の意向通知を出しました。これで10営業日、債権者の取り立てが止まります。管財人には再建コンサルのAlixPartnersが就く見込みです。報道はPoundland on brink of collapse as it files notice to appoint administrators(City AM、10月29日)。

    10月29日時点で、店舗は英国とアイルランドに約600〜640、従業員は約1万2,000人です。全店は通常営業中です。

    こじれたのは売却交渉です。所有者の米投資会社Gordon Brothersは、2025年6月に前の親会社Pepcoから1ポンドで買い取った際に株主ローンも引き継ぎ、その分として3,000万ポンドの回収を求めていました。経営陣が推したアイルランドの不動産会社Martin Property Groupの買収案はそこに届かず、所有者が拒否しています。

    経営陣は「事業全体として受け入れられる提案は見つからなかった」としつつ、店単位の正式な提案は来ていると説明。Lidl、Iceland、B&M、The Range、Poundstretcherが一部の店に関心を示していると報じられています。

    Argument

    安売りの客は消えていない、消えかけているのは「1ポンド」の看板

    会社は傾いているのに、店には買い手が並ぶ。安売りの需要が細ったなら、こうはなりません。B&Mは2026年3月期に英国で41店を新たに開き、AldiとLidlは英国の食品購入額のほぼ2割を握っています。客はいまも安い店を探している。行き先がPoundlandではなくなっただけです。

    食品はLidlとAldiのほうが安く、日用品はB&Mのほうが品数が多い。Poundlandの武器は「全部1ポンド」の分かりやすさでしたが、2017年に単一価格をやめ、いまは1・2・3ポンドの三段構え。Pepco時代に仕入れを切り替えて棚に穴が開き、2024年のクリスマス期の既存店売上は7.3%落ちました。

    ちなみに、この話でいちばん「1ポンド」に厳しいのは客ではなく所有者です。1ポンドで買った会社を、3,000万ポンド戻るまで手放さない。

    これから決まるのは、10営業日の猶予が切れる11月半ばまでに、どの店が誰の手に渡るかです。管財人が就けば店ごとの切り売りに進み、クリスマス商戦の直前に看板が替わります。ビジネス相は所有者に書簡を送りましたが、政府の出方は未定です。

    ここからは私見です。心配すべきは、どの店が売れ残るかです。人気の店はLidlやB&Mの看板に替わるでしょう。残るのは、空き店舗が並ぶ小さな町の、最後の安い店。安売りをいちばん必要とする町から先に、安売りの店が消えていきます。

    英国のいまを、もう一本。

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