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    Britain, Argued公開

    ヒーリー財務相が酒税を2027年2月に4.55%上げ、パブには固定資産税の減免を35%へ拡大

    食と店物価・お金

    2026年10月28日の予算で、ヒーリー財務相は酒税を2027年2月から物価連動で引き上げる一方、パブの固定資産税の減免を広げました。1パイント2〜3ペンスの値上げは、割合で見るとパブよりスーパーの缶ビールに重く効きます。2026年10月に「何を飲んでも同じ税」へ一本化した日本と並べると、英国が税で守ろうとしているものが見えてきます。

    ヒーリー財務相が酒税を2027年2月に4.55%上げ、パブには固定資産税の減免を35%へ拡大

    画像: Paul Bryan / CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons

    News

    ヒーリー財務相、酒税の引き上げを確定 小規模醸造所には1,000万ポンドの軽減

    2026年10月28日の予算から

    2026年10月28日、ジョン・ヒーリー財務相が就任後初めての予算を発表しました。酒税は2027年2月1日から小売物価指数(RPI)に連動して上がり、業界団体の試算では、上げ幅は4.55%です。生ビール1パイントで約2〜3ペンス、度数14.5%の赤ワイン1本で約18ペンスの値上がりになります。

    同じ予算には、パブ向けの手当ても並びました。

    • 2,000を超える小規模な醸造所・サイダー醸造所に、年1,000万ポンドの酒税軽減(2027年2月から)
    • イングランドのパブ・社交クラブ・ライブ会場の事業用固定資産税(ビジネスレート)の減免を、15%から35%に拡大(2027年4月から)。財務省の試算では、2027年度の負担は約1億6,000万ポンド

    報道は Healey confirms alcohol duty rise alongside £10m relief for small brewers(Morning Advertiser)。英国ビール・パブ協会(BBPA)によると、2026年1〜9月に閉店したパブは295軒で、年末までに約360軒に達する見込みです。

    Argument

    英国は「酔いの量」に、日本は「缶の量」に課税する

    ここからは私見です。

    2〜3ペンスを割合に直すと、話がひっくり返ります。ロンドンで6ポンドを超える1パイントにとっては0.5%未満。スーパーで1ポンド強の缶ビールには約2ペンスがほぼそのまま乗り、こちらは2%近い値上げです。英国の酒税は「純アルコール1リットルあたり」で決まり、パブの生ビールには樽出し減税(ドラフト・リリーフ)の安い税率まで付く。酒税の値上げは、パブよりスーパーに効く設計なのです。

    日本は逆の道を選びました。2026年10月、ビール・発泡酒・第三のビールの税率は350mlあたり54.25円に一本化されています。度数5%でも7%でも、居酒屋の生でもコンビニの缶でも同じ額。麦芽の比率で税を分けたせいで、メーカーが税の隙間を突く商品づくりに長年追われた、その反省からの一本化でした。

    英国は税で飲む場所を選ばせようとし、日本は税を中立にして市場に任せた。ただ英国の設計にも限界があります。パブを閉めるのは酒税ではなく、家賃と人件費と光熱費だからです。今回の本命も酒税ではなく固定資産税で、1億6,000万ポンドは醸造所向け軽減の16倍にあたります。

    Argument

    2ペンスより見ておくべき日付

    次の節目は、2027年2月1日の酒税改定と4月1日の減免拡大です。もう一つ、大手の系列パブでも独立系のビールを置けるようにする「ゲストビール」規定は、パブ規約(Pubs Code)に入れると表明しただけで、時期はまだ決まっていません。小規模醸造所の業界団体は、地元パブの約62%に自社のビールを売れないと訴えています。1,000万ポンドの軽減で造れるビールが増えても、置く蛇口が無ければ話は前に進みません。

    減免35%の水準も、2029年の評価替えでまた見直されます。つまり今回の手当ては、数年後に見直せる形で配られている。2ペンスの値上げに怒るより、この日付を手帳に書いておくほうが、パブの寿命を読むうえでは正確です。

    英国のいまを、もう一本。

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