The National Gallery
金の額縁は窓だ。ターナーの曇天、ヴァン・ゴッホの陽光。絵画に吸い込まれるたび、あなたの時間は遅れてやってくる。
ロンドンのトラファルガー広場に位置するThe National Gallery(ナショナル・ギャラリー)は、13世紀から20世紀初頭にかけてのヨーロッパ絵画を網羅的に展示する英国を代表する美術館です。
入場無料でありながら、世界的に評価の高いコレクションを誇り、ルネサンスから印象派、ポスト印象派まで約2,300点以上の名作が揃います。
ハイライトには、フェルメールの「ヴァージナルの前に座る若い女性」、モネの「睡蓮の池」、ゴッホの「ひまわり」、レオナルド・ダ・ヴィンチの「岩窟の聖母」、ターナーやレンブラント、ルーベンスの作品も含まれます。
特にゴッホの「ひまわり」は、日本からの来館者にも絶大な人気を誇っています。
ギャラリーは複数のセクションに分かれており、時代別・地域別に作品を鑑賞できる構成になっており、芸術的な旅を時系列で体感することが可能です。
建物自体もネオクラシカル様式で美しく、周囲の歴史的な雰囲気とも調和しています。
ロンドンを訪れる際には、絶対に見逃せない芸術の殿堂です。
ナショナル・ギャラリーを短時間で回るなら、まずこの3つ。 展示室の番号は改装で変わることがあるので、当日は館内の案内で確認してください。
1888年、アルルでゴーガンを迎えるために描かれた連作のひとつ。世界に複数ある《ひまわり》のうちの1点で、1924年にコートールド基金の援助で収蔵されました。黄色だけで画面を構成しながら、花の一本ごとに咲き具合が違うのが分かります。
1434年。奥の壁にかかった凸面鏡に、部屋に入ってきた二人の人物が映り込んでいます。鏡の上には「ヤン・ファン・エイクここにありき」というラテン語の署名。絵の中に画家自身が立ち会っている構造で、西洋絵画史でもっとも議論されてきた一枚です。
トラファルガー広場に面した新館。1250年から1500年までのイタリア・フランドル・ドイツ絵画が並びます。金地の宗教画から遠近法の獲得までを、部屋を移動しながら順に追える構成になっています。
ナショナル・ギャラリーに着いたら、この順に見ていくと迷いません。 展示室の番号や配置は改装で変わることがあるので、当日は館内の案内で確認してください。
2年の閉鎖工事を経て、2025年5月にセインズベリー翼が新しい正面入口として開きました。トラファルガー広場から段差なしで入れ、天井の高い明るいホールに出ます。以前の中央ポルティコ(階段を上る古典様式の入口)を目印に来ると迷うので、広場に向かって左手の建物を目指してください。
再開に合わせて全館が掛け替えられ、約1,000点が13世紀から20世紀へと時代順に並びました。セインズベリー翼から入ると最初期の板絵から始まるので、順路をたどるだけで西洋絵画の流れが体感できます。逆走すると時代が巻き戻るため、迷ったら年代表示を確認してください。
全室を丁寧に見ると半日では終わりません。ファン・エイク、ターナー、ゴッホのひまわりといった名前の知れた作品は特定の数室に集まっているので、時間がなければ受付で当日の配置を聞いて、その部屋だけを回るほうが満足度が高くなります。
常設のコレクションは誰でも無料で、予約も要りません。館内で行列を見かけたら、それはたいてい有料の特別展の入口です。無料の展示室は別の扉から入れるので、並ぶ前にどちらの列か確かめてください。
金曜だけ21:00まで開きます。夕方の広場は観光客が減り、館内も落ち着くので、絵の前に立ち止まれる時間が長くなります。トラファルガー広場に面しているため、見終わってから夜のウェストエンドへ歩いて移動できるのも金曜の利点です。
所蔵する2,000点あまりの絵画は国民の共有財産と位置づけられ、年間361日、無料で公開されています。企画展のみ有料です。王室コレクションを母体とするルーヴルやプラドとは成り立ちが異なり、1824年に議会が銀行家の遺したコレクションを購入したことから始まりました。
第二次大戦中、収蔵品はウェールズの採石場に疎開しました。館内が空になったことに対し、市民から絵を見たいという声が上がり、毎月一枚だけロンドンに戻して公開する「今月の絵」が行われました。空襲下でも人々が絵を見に並んだ記録が残っています。
Trafalgar Square, London WC2N 5DN
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ロンドンには無料で入れる館が多くあります。近くの館と組み合わせて回るのがおすすめです。