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    6. /63歳の自画像

    Self Portrait at the Age of 63

    63歳の自画像

    Must See

    レンブラント, 1669年

    ナショナル・ギャラリー Room 22

    63歳の自画像

    作品の概要

    レンブラントは生涯に80点以上の自画像を残しました。若く自信に満ちた画家が、成功し、破産し、妻と息子に先立たれ、老いていく——その全過程が記録されています。これは、その最後の年の一枚です。 彼はこの絵を描いた年に亡くなりました。

    まず、顔だけを見てください。 皮膚は張りを失い、目の下はたるみ、鼻は赤らみ、口元はわずかに引き結ばれている。若い頃の自画像で彼が好んだ豪華な衣装も、羽根飾りの帽子も、金の鎖もありません。着ているのは地味な茶色の上着と、ただの白い帽子。隠すものが何もない状態です。

    次に、目を見てください。 これほど見られている、と感じる絵はそう多くありません。ここには自己憐憫も、悲壮感もない。「こういう顔になった」と静かに確認しているだけの目です。破産して家を差し押さえられ、内縁の妻ヘンドリッキェも息子ティトゥスも先に亡くした男が、それでも鏡の前に立ち、逃げずに描いている。この絵の強さはそこにあります。

    そして、絵具の厚みに注目してください。 光の当たる額や鼻先は絵具が分厚く塗り重ねられ、影の部分は薄く、下地が透けるほどです。明るいところを厚く、暗いところを薄く——この塗り分けによって、光は本当に飛び出し、影は本当に奥へ引っ込む。近づくと、頬の肌はほとんど絵具の塊で、何を描いているのか分からないほど乱暴です。ところが二、三歩下がると、突然そこに老いた皮膚が現れる。この「近くでは絵具、遠くでは肉」という魔法が、晩年のレンブラントの真骨頂です。

    最後に、手を探してみてください。 画面の下のほう、暗がりの中で組まれた両手はほとんど溶けています。X線調査によれば、当初この手は筆とパレットを握っていました。彼は途中でそれを塗りつぶしています。画家であることの表明よりも、ただ一人の老人としてそこにいることを選んだ——そう読める変更です。

    ここがポイント

      • 死の年に描かれた最後の自画像。豪華な衣装も装飾もなく、隠すものが何もない
      • 明るい部分は絵具を厚く、影は薄く塗る。近づくと絵具の塊、二、三歩下がると突然「老いた皮膚」が現れる
      • 自己憐憫も悲壮感もなく、ただ「こういう顔になった」と確認する目
      • X線調査で、当初は筆とパレットを握っていた手を自ら塗りつぶしたことが判明している