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    A Young Woman seated at a Virginal

    ヴァージナルの前に座る若い女性

    Must See

    ヨハネス・フェルメール, 1670-1672年頃

    ナショナル・ギャラリー Room 16

    ヴァージナルの前に座る若い女性

    作品の概要

    この作品はヨハネス・フェルメールによる1670年代の室内画で、タペストリーが脇に引かれ、その奥にヴァージナル(小型チェンバロ)を弾く若い女性が描かれています。彼女は正面から視線を送り、まるで観る者をデュエットに誘うような演出がなされています。

    背景の壁に掛かる絵画には娼婦が客と戯れつつリュートを奏でる場面が描かれており、当時の象徴表現に基づき「音楽と愛(あるいは誘惑)」の関係を示唆しています。フェルメールの比較的少ない作品群のなかでも、この寓意性と親密さを兼ね備えた肖像的室内画は注目に値します。

    また、本作は技術調査により数々の発見がありました。

    • キャンバスは『レースを編む女』と同じ寸法であり、同じ反物(ボルト)から切り出された可能性が高いことが1990年代以降の研究で示され、後の精密調査でさらに裏付けられました。
    • 下地はロンドンのナショナル・ギャラリー所蔵のフェルメール2点と同一であることが確認されています。
    • X線調査では透視図法の消失点にピン穴が見つかり、糸を張って遠近を導くフェルメール独特の技法が裏付けられました。
    • 使用顔料もフェルメールらしい特徴があり、特に高価なウルトラマリン(背景壁)や、影に用いられた緑土(グリーンアース)、さらに鉛錫黄が確認されています。これにより19~20世紀の模造品説は否定されました。
    • かつて粗雑とされた**黄色いショール(マントル)**は後から描き足されたと考えられていましたが、2023年のアムステルダム国立美術館の調査でフェルメール自身の筆によるものと結論づけられました。

    モデルの髪型は1670年頃の流行で、『レースを編む女』の女性と一致し、制作時期の近さを示しています。本作は署名がなく、ナショナル・ギャラリー所蔵の『立つ若い女性』より先か後かは断定できませんが、両者の密接な関係性が改めて明らかにされています。

    このように本作は、視線の演出・寓意的背景・科学的調査による裏付けを総合的に備えた、フェルメール研究において非常に重要な作品です。

    ここがポイント!

      • タペストリーがめくられ、観る者に視線を送る女性の演出的構図
      • 背景に描かれた娼婦と客の場面が、音楽と愛・誘惑の寓意を補強
      • 『立つ若い女性』や『レースを編む女』とキャンバスや下地が関連することが科学的に確認されている
      • 高価なウルトラマリンや緑土、鉛錫黄など、フェルメール特有の顔料使用