ソーホー/コヴェント・ガーデンの歩き方|観劇と食事で夜まで繋げる
Soho & Covent Garden
大英博物館を北端、レスター・スクエアを南端とする範囲。有名な建物を見に行くエリアではなく、食事と買い物と劇場が密集した「夜の時間を使う」場所です。昼と夜で街の顔が完全に変わります。
要点
- 最寄駅
- Leicester Square(中心)、Covent Garden、Tottenham Court Road(大英博物館側)
- 歩く時間
- 3〜5時間。夜まで含めるとそれ以上
- 向いている時間帯
- 午後から夜。昼だけで帰るとこのエリアの半分を見ずに終わります
- エリア内の移動
- すべて徒歩。地下鉄で1駅乗るより歩いたほうが速い距離です
- 無料で入れる場所
- 大英博物館、サー・ジョン・ソーン美術館
- 注意
- Covent Garden 駅はエレベーターのみで、夕方は入場規制がかかります。Leicester Square 駅から歩くほうが速いことが多い
このエリアには、「これを見に行く」という決定的な建物がありません。大英博物館を除けば、名所と呼べるものは多くない。
それでも、ロンドンに来た人が最も長い時間を過ごすのはここです。理由は、食事・買い物・劇場が全部この範囲にあるからです。ウェストミンスターで観光をして、シティで歴史を見て、最後に夜をどこで過ごすかというと、たいていソーホーかコヴェント・ガーデンに戻ってくることになります。
もう1つの特徴は、昼と夜で街が別物になることです。昼のコヴェント・ガーデンは大道芸と買い物の場所ですが、夜のソーホーはバーと劇場の街になります。同じ場所を昼だけ見て帰ると、このエリアの半分しか見ていないことになります。
だからこの記事の順路は、夕方から夜にかけて組んであります。
午後から夜へ、時間帯をまたぐルート
所要 4〜5時間(観劇を含む場合は6時間)大英博物館から南へ下り、コヴェント・ガーデンで買い物、レスター・スクエアで当日券を確認し、ソーホーで食事、そして劇場へ。時間帯が進むにつれて街の性格が変わっていくのが分かるはずです。
- 1大英博物館滞在 2時間
入場無料。全部見ようとすれば何日もかかるので、ロゼッタ・ストーン、パルテノンの彫刻、エジプトのミイラの3点に絞って2時間で出るのが現実的です。
↓ 徒歩12分。南へ下ってニュー・オックスフォード通りを渡る
- 2サー・ジョン・ソーン美術館滞在 60〜90分
建築家の自邸をそのまま残した美術館。無料。部屋という部屋に彫刻と絵画が詰め込まれていて、ロンドンで最も変わった屋内空間のひとつです。時間がなければ飛ばして構いません。
↓ 徒歩10分。西へ、コヴェント・ガーデンの市場建屋へ
- 3コヴェント・ガーデン
ガラス屋根の市場建屋(Apple Market)と、その周辺の石畳。大道芸が常時やっています。買い物と休憩の場所で、ここは滞在時間を自由に伸縮させられます。
↓ 徒歩3分。ロイヤル・オペラ・ハウスは市場のすぐ北
- 4
- 5レスター・スクエアと TKTS滞在 30分
広場の中央にある TKTS が公式の当日券売り場。この時間に翌日以降の席を確認しておくと選択肢が広がります。周囲には映画スターの銅像が点在しています。
↓ 徒歩3分。北の一本裏がチャイナタウン
- 6チャイナタウンとソーホーで食事
ジェラード・ストリートの提灯の下が中華街。ここを抜けた北側一帯がソーホーで、あらゆる国の料理が揃います。劇場の開演前なら17:30には席に着いておくこと。
↓ 徒歩5分以内。劇場はこの一帯に20軒以上ある
- 7ウエストエンドで観劇
開演は19:30が標準。劇場はソーホーとコヴェント・ガーデンの間に集中しているので、食事をした店から歩いて数分で着きます。
目次
1. 大英博物館は「絞って出る」
全部見ようとした人から順に消耗していく
入場無料、収蔵品は約800万点。全部見ようとすると何日もかかります。
旅行者が最もよくやる失敗は、入口から順番に見ていくことです。エジプトの展示で体力を使い切り、後半は流し見になります。
最低限の3点
- ロゼッタ・ストーン — 入って左手すぐ。ヒエログリフ解読の鍵になった石碑
- パルテノン神殿の彫刻(エルギン・マーブル) — ギリシャが返還を求め続けている大理石彫刻群
- エジプトのミイラ — 上階。子ども連れなら外せません
この3つなら2時間で回れます。無料なので、途中で出ても損はありません。
建物そのもの
中央のグレート・コートは、ヨーロッパ最大の屋根付き広場です。ガラスの天井から光が落ちてきて、そこだけで写真を撮る価値があります。入場して最初に入るのがここなので、見逃しようがありません。
混雑
開館直後(10:00)と、15:00以降が比較的空いています。11時〜14時が最も混みます。荷物検査があるので、入場に10〜20分かかることを見込んでください。
実務メモ
- 大きな荷物はクロークに預けられるが有料。スーツケースは持ち込めない
- 館内のカフェは高い。周辺の店で食べたほうが安く、選択肢も多い
- 無料だが「寄付のお願い」があり、£5程度を入れる人が多い。義務ではない
ヒント
無料だから「また来る」ができる
ロンドンの主要博物館が無料なのは、1回で全部見る施設として設計されていないからです。滞在中に2回、3回と立ち寄って、そのつど1つの展示室だけ見る——現地の人はそういう使い方をしています。旅行者もそれを真似たほうが疲れません。
2. ミュージカルの当日券を安く買う
このエリアに来る最大の理由がこれ
ウエストエンドの劇場はこのエリアに20軒以上集まっています。ソーホーとコヴェント・ガーデンの間の徒歩数分の範囲です。
TKTS が公式の当日券売り場
レスター・スクエアの広場中央にある小屋が TKTS。ここが唯一の公式割引窓口です。
- 当日券と数日先の券を割引価格で販売
- 定価の25〜50%引きになることがある
- 人気作は出ないことも多い
広場周辺には「格安チケット」を掲げた店が並んでいますが、公式はTKTSだけです。他の店は非公式の転売業者で、手数料が上乗せされていることがあります。
そもそも定価で買う場合
各劇場の公式サイトが最も確実です。座席表を見て選べます。日本語の代理店サイトを経由すると手数料が乗るので、公式サイトから直接買ってください。
安い席の考え方
| 席種 | 特徴 |
|---|---|
| Stalls(1階席) | 最も高い。舞台に近い |
| Dress Circle(2階席) | 全体が見やすい。バランスが良い |
| Upper Circle / Balcony(3階以上) | 安い。舞台は遠いが、全景は見える |
| Restricted view | 柱などで一部見えない席。かなり安い |
ミュージカルは群舞や舞台装置の全体を見るものが多いので、上階の安い席でも満足度はそれほど下がりません。オペラグラスがあれば十分です。
服装
ドレスコードはありません。ジーンズとスニーカーで問題ありません。観光の途中でそのまま入る人が大半です。
実務メモ
- 開演は19:30が標準。マチネ(昼公演)は14:30頃で、水曜と土曜に組まれることが多い
- 遅刻すると幕間まで入れないことがある。19:15には劇場に着いておく
- 劇場内は飲食物の持ち込みが制限される。アイスクリームを幕間に売りに来るのが英国の劇場の伝統
3. 食事の選び方
ロンドンで最も選択肢が多い一帯
ウェストミンスターやシティで食事に困ったら、ここまで歩いてくるのが正解です。
エリアごとの性格
- チャイナタウン(ジェラード・ストリート) — 中華、点心、火鍋。深夜まで開いている店が多い
- ソーホー北部(カーナビー周辺) — カジュアルな各国料理。イタリアン、メキシカン、ラーメン
- コヴェント・ガーデン周辺 — 観光地価格。立地の良さの分だけ高い
- セブン・ダイアルズ — 7本の道が集まる交差点の周辺。独立系の良い店が多い
開演前の時間帯に注意
17:30〜19:00は劇場に行く人で店が埋まります。この時間に予約なしで入ろうとすると、待つか、諦めることになります。
多くの店が Pre-theatre menu(開演前の定食) を出していて、2〜3品で£20〜30程度。時間制限つきですが、割安で早く出てきます。観劇の予定があるなら、これを狙うのが合理的です。
パブで軽く済ませる
ソーホーには古いパブが多く残っています。カウンターで注文して先払い、席で待っていても誰も来ません。フィッシュ・アンド・チップスやパイなら£12〜18程度です。
パブの作法については別途まとめる予定ですが、要点は「カウンターで頼む」「テーブル番号を伝える」「支払いは注文時」の3つです。
注意
17:30〜19:00は劇場前の混雑
観劇の予定がある日は、食事を17:00までに始めるか、公演後(22:00以降)に回すかのどちらかにしてください。中途半端な時間に入ろうとすると、どの店も満席です。予約できる店なら予約してしまうのが最も確実です。
4. 買い物
カーナビー・ストリート
1960年代のモッズ文化の中心地だった歩行者天国。今は中規模ブランドが中心ですが、通り自体の雰囲気を見に行く価値があります。クリスマス期の装飾はロンドンでも指折りです。
コヴェント・ガーデンの市場建屋
Apple Market は手工芸品と骨董、Jubilee Market は日替わりで内容が変わります。観光地価格ですが、屋根があるので雨でも歩けます。
ニールズ・ヤード
セブン・ダイアルズの近くにある、色とりどりの建物に囲まれた小さな中庭。写真を撮る場所として有名です。入口が分かりにくく、路地を入った先にあります。
書店
フォイルズ(Foyles) — チャリング・クロス・ロードにある大型書店。この通りは古書店街としても知られていましたが、店舗数は減っています。
オックスフォード・ストリート
エリアの北端。大型チェーンが並ぶ目抜き通りですが、人が多すぎて歩くのに疲れます。目的の店が決まっていない限り、無理に行く必要はありません。
実務メモ
- 多くの店が日曜は営業時間が短い(12:00〜18:00など)。日曜に買い物を予定するなら開店時刻を確認する
- コヴェント・ガーデンの大道芸は決まった場所で交代制。市場建屋の東側と、教会前の広場の2か所
5. 歩くときの実務
Covent Garden 駅を避ける
この駅はエレベーターしかありません。階段(193段)もありますが、実質エレベーター専用です。夕方と週末は入場規制がかかり、駅の外まで列ができます。
Leicester Square 駅から歩いて5分なので、そちらを使うほうがたいてい速いです。
夜の治安
ソーホーは夜に賑わうエリアで、金曜・土曜の夜は酔客が多くなります。危険というほどではありませんが、以下は意識してください。
- 人通りの多い通りを歩く。路地に入る必要はありません
- スリに注意。特に混雑した通りとバーの中
- 客引きのある店には入らない。ソーホーの一部には料金が不透明な店があります
トイレ
大英博物館、コヴェント・ガーデンの市場建屋、大型書店(フォイルズ)が使えます。パブのトイレは客用ですが、飲み物を1杯頼めば問題ありません。
雨の日
コヴェント・ガーデンの市場建屋は屋根があります。大英博物館とあわせれば、雨の日でも半日は問題なく過ごせます。ソーホーの路地歩きは雨だと厳しくなります。
実務メモ
- エリア内の移動に地下鉄を使う必要はほぼない。Tottenham Court Road から Leicester Square まで徒歩8分
- 劇場のある通りは公演終了時(22:00頃)に一斉に人が出る。この時間の Leicester Square 駅は非常に混む
ソーホー/コヴェント・ガーデンのスポット一覧20件
大英博物館
世界の歴史と文化を無料で楽しめる博物館
コヴェント・ガーデン
修道院の菜園から、ロンドン最初の広場へ
チャイナタウン(ロンドン)
最初の中国人街は、ここではなく東の川べりにあった
リバティ
軍艦2隻を解体して建てられた、チューダー様式の百貨店
ロンドン交通博物館
ロンドン交通の歴史とデザインを体感する博物館
BTタワー
かつて回転レストランがあった、ロンドンの通信シンボル
クリスタルメイズ LIVE エクスペリエンス
90年代TV番組の世界に飛び込み、仲間と挑む体験型アドベンチャー
サー・ジョン・ソーン美術館
建築家の頭脳に迷い込む、無料の家屋美術館
ニールズ・ヤード&セブン・ダイヤルズ
7本の道が集まる交差点の裏に、極彩色の中庭が隠れている
ハムリーズ
1760年創業。7階ぶんの床が、すべて玩具でできている
ピカデリー・サーカス
エロス像と呼ばれている像は、エロスではない
フレームレス(FRAMELESS)
世界的名画を体感する没入型アート体験
モコ・ミュージアム
バンクシーから草間彌生まで。現代アートの“今”に触れるマーブルアーチの新名所
ロイヤル・オペラ・ハウス
英国芸術の最高峰が集うコヴェントガーデンの歴史的劇場
映画スター銅像ストリート
映画スターたちと歩く、ロンドン中心の無料フォトトレイル
M&M'sワールド ロンドン
菓子より、店の外に立つ時計のほうが見どころかもしれない
カートゥーン・ミュージアム(漫画博物館)
「カートゥーン」という言葉の意味が変わった場所の話
グラント動物学博物館
絶滅動物と骨格標本に出会える、大学発の無料博物館
モノポリー・ライフサイズド(現実世界拡張版)
巨大ボードで体験する没入型モノポリーゲーム
ウィー・トースト・ツアーズ
ソーホーとピカデリーを“飲みながら漕ぐ”ユニーク体験
よくある質問
参考・公式情報
- The British Museum — Visit
- TKTS London — Official Leicester Square booth
- Royal Opera House — Visit
- Sir John Soane's Museum
料金・時刻・制度は変更されます。本記事は2026年8月時点の情報です。渡航前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。