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    ジャスト・ロンドンは、ロンドンの深層に迫る力量も器量もない中途半端な存在ですが、旅の判断をほんの少し整える一文が紛れていれば、それだけで存在理由になります。

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    おすすめ度5
    大英博物館|ロンドン観光スポット

    大英博物館British Museum

    世界の歴史と文化を無料で楽しめる博物館

    MUST SEE
    子ども向け
    無料
    美術館・博物館ソーホー/コヴェント・ガーデンを歩く
    料金
    無料
    所要時間
    2時間
    最寄駅
    Holborn
    開館時間
    10:00〜17:00

    料金・開館時間は変更されることがあります。訪問前に 公式サイト で最新情報をご確認ください。

    1753年創立の世界的博物館で、200万年以上の人類史をカバーする膨大なコレクションを公開。ロゼッタストーン、古代エジプトのミイラ、ギリシャ彫刻など見どころが多く、世界初の公共博物館として知られる。年間600万人以上が訪れる人気スポットで、入場は無料。人類の知識と文化の進化を肌で感じられる場所。

    このページの内容

    • 一人の医師の蒐集癖から始まった
    • その資金がどこから来たかを、館は展示で認めている
    • パルテノン神殿の彫刻をめぐる議論は、まだ続いている
    • 豆知識
    • 全部見ようとしないための考え方

    着いてからの歩き方

    大英博物館に着いたら、この順に見ていくと迷いません。

    1. コツ

      無料。ただし時間指定チケットは取っておく

      常設展は無料で、寄付£5が推奨されているだけです。それでも公式サイトで無料の時間指定チケットを取っておくと優先入場でき、週末の長い列を避けられます。空いているのは平日午前と、金曜17時以降。

    2. 見どころ

      ロゼッタ・ストーン(4番展示室)

      入って左手、エジプト彫刻のギャラリーにあります。同じ勅令がヒエログリフ・デモティック・古代ギリシャ語の3種で刻まれていて、既知のギリシャ語を手がかりにヒエログリフが解読されました。それまで1400年間、誰も読めなかった文字です。人だかりができているのですぐ分かります。

    3. 見どころ

      パルテノン神殿の彫刻(18番展示室)

      デュヴィーン・ギャラリーを占める、アテネのパルテノン神殿から19世紀初頭に持ち出された大理石彫刻群。返還をめぐってギリシャ政府と長く議論が続いている品でもあります。見る前にその経緯を知っておくと、部屋の受け取り方が変わります。

    4. 見どころ

      グレート・コート

      2000年に中庭を覆って作られた、ガラス屋根の大広間。3,312枚のガラス板は全部が違う形をしています。中央の円形の建物はかつての大英図書館閲覧室で、マルクスが『資本論』を書いた場所です。動線の起点になるので、まずここで地図を広げてください。

    5. 見落としやすい

      サットン・フーの兜(41番展示室)

      エジプトとギリシャに人が集まる一方、こちらは比較的静かです。7世紀のアングロサクソン王の船葬墓から出土した副葬品で、鉄の兜は破片から復元されました。『ベーオウルフ』の世界が実在したことを示す発見で、イギリスという国の始まりに触れられる部屋です。

    6. コツ

      2時間で切り上げる

      800万点を所蔵し、全部見るには1週間かかると言われます。現実的には、見たい部屋を3つ決めて2時間で出るほうが記憶に残ります。無料なので、ロンドン滞在中に2回に分けて来るという使い方もできます。

    一人の医師の蒐集癖から始まった

    大英博物館は国家が構想した施設ではなく、個人のコレクションの引き取り先として生まれました。

    医師ハンス・スローン(1660〜1753)は、生涯かけて標本・書物・古物を集め続けた人物です。その数は死亡時点で約71,000点、うち蔵書が50,000冊。彼は遺言で、これを国家に譲ると申し出ました。ただし条件が2つ付いています。遺族へ£20,000を支払うこと、そして誰でも無料で入れる施設として公開すること。

    議会はこれを受けます。ただし国庫に余裕がなく、購入資金は国営宝くじで集められました。1753年6月7日に大英博物館法が国王の裁可を受け、6年後の1759年、ブルームズベリーのモンタギュー・ハウスで開館します。

    「無料で誰でも入れる」という条件は、いまも守られています。世界初の公共博物館と呼ばれるのは、王侯の私的コレクションを後から開放したのではなく、最初から公開を前提として設立されたからです。ルーヴルが王室コレクションを革命後に接収して公開したのとは成り立ちが違います。

    なおスローンの遺贈は大英博物館だけの母体ではありません。自然史部門はのちに分離して自然史博物館になり、蔵書は大英図書館になりました。

    その資金がどこから来たかを、館は展示で認めている

    創立の物語には続きがあります。スローンが膨大な蒐集を続けられたのは、奴隷制の利益があったからです。

    彼は1687年にジャマイカへ渡り、総督の侍医を務めるかたわら、砂糖プランテーションの医師として働きました。帰国後の1695年にはプランテーション所有者の未亡人エリザベス・ラングリー・ローズと結婚します。ジャマイカの砂糖農園から入る収益が、その後の収集活動を支えました。

    2020年、博物館はこの点について展示を変更しています。玄関近くの台座に置かれていたスローンの胸像を降ろし、奴隷制との関係を説明する解説文を添えたケース内へ移しました。当時の館長ハートヴィヒ・フィッシャーは、創立コレクションが奴隷労働と奴隷経済に一部支えられていたことを認めるための措置だと述べています。

    胸像は撤去されたわけではなく、位置と文脈が変わりました。称える対象から、説明する対象になったということです。見つけたら解説文まで読んでみてください。

    パルテノン神殿の彫刻をめぐる議論は、まだ続いている

    18番展示室を占める大理石彫刻群は、19世紀初頭にアテネのパルテノン神殿から持ち出されたものです。この所蔵をめぐる論争は、館で最も長く続いている問題です。

    ギリシャは一貫して返還を求めてきました。2026年8月現在、決着はついていません。現実的な落としどころとして議論されているのは相互貸与案で、所有権は移さないまま長期貸与とし、代わりにギリシャ側が英国で未公開の古代美術を巡回展示として提供する、という形です。ただし合意には至っていません。

    背景には法律の壁があります。館が所蔵品を手放すには法改正が必要で、英政府はむしろ2022年慈善法の関連条項から博物館を除外する方向で動いてきました。2026年5月にはUNESCOの政府間委員会が、英国とギリシャに協議を加速するよう改めて求めています。

    「もうすぐ返還される」と報じられることが繰り返されてきましたが、そのたびに実現していません。展示室に立つときは、これが解決済みの過去ではなく、現在進行形の議論の只中にある部屋だと思って見てください。

    豆知識

    • ミルク入りココアを英国に持ち込んだのがスローン。ジャマイカ滞在中、現地の人が水で溶いて飲むカカオを口に合わないと感じ、ミルクで割ることを覚えました。帰国後は薬種商が「薬」として売り、19世紀にキャドバリー兄弟がレシピを買って「Sloane's drinking chocolate」の名で商品化します。ただし彼の「発明」と言い切るのは行き過ぎで、現地ですでに行われていた飲み方を学んだ可能性が高いと指摘されています。
    • グレート・コートの屋根は、同じ形のガラスが1枚もない。2000年に中庭を覆って作られたこの大広間には3,312枚のガラス板が使われていますが、曲面を構成するためすべて寸法が異なります。
    • その中央にあるのは、かつての大英図書館閲覧室。カール・マルクスが『資本論』を書いたのはこの部屋です。レーニン、ガンジー、オスカー・ワイルドも利用者でした。
    • ロゼッタ・ストーンが解読の鍵になったのは、同じ文章が3種類で書かれていたから。ヒエログリフ、デモティック(民衆文字)、古代ギリシャ語。読めるギリシャ語を手がかりに、1400年間誰も読めなかった文字が解かれました。石そのものは紀元前196年の、内容としては平凡な勅令です。

    全部見ようとしないための考え方

    所蔵は約800万点。常設展示だけでも、まともに見て回れば数日かかります。

    現実的なのは、部屋を3つ決めて出ることです。無料なので、滞在中に2回に分けて来ても損はありません。むしろ2時間で切り上げて別の日に戻るほうが、記憶に残る量は多くなります。

    疲れたときの避難先を知っておくと楽です。エジプトとギリシャの展示室には人が集中しますが、41番展示室(サットン・フー)や中世ヨーロッパの一帯は比較的静かで、椅子も空いています。

    大きな荷物は持ち込めません。クロークは有料で、混雑時は預けるだけで列に並ぶことになります。スーツケースを持ったまま来ると、そこで時間を失います。

    場所とアクセス

    住所

    Great Russell Street, London WC1B 3DG, UK

    Google マップで開く

    公式サイト

    大英博物館

    britishmuseum.org

    美術館・博物館ガイド

    大英博物館をじっくり見る

    注目作品、所要時間の目安、開館時間、館内の回り方は美術館ガイド側にまとめています。

    みんなの口コミ

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