グリニッジの歩き方|船で行って本初子午線に立つ半日

    Greenwich

    本初子午線、海洋史の博物館、そして丘の上からの眺め。中心部から20〜30分かかりますが、着いてしまえば全部が徒歩圏です。船で行くと、移動そのものが観光になります。

    2026年8月時点の情報

    要点

    最寄駅
    Cutty Sark(DLR)が最も近い。Greenwich(DLR・鉄道)、または船着場
    歩く時間
    半日〜1日。エリア内はすべて徒歩
    中心部からの所要
    DLRで約25分、船で約1時間(船は移動自体が観光)
    向いている時間帯
    午前に着いて、午後の早い時間に丘へ。夕方は坂を上る体力が残りません
    無料で入れる場所
    国立海事博物館、クイーンズ・ハウス、グリニッジ公園、旧王立海軍学校の敷地
    注意
    マーケットは水〜日(火曜は休み)。火曜は休みです

    グリニッジは、他の5エリアとは前提が違います。中心部から離れています。

    DLRで25分、船なら1時間。往復の移動だけで1〜2時間を使うことになるので、「ついでに寄る」ことができません。半日、あるいは1日を充てる前提の場所です。

    その代わり、着いてしまえばエリア内は全部徒歩で回れます。船着場から天文台の丘まで歩いて20分ほど。その間に、帆船、世界遺産の建築群、無料の博物館、そして公園が順に並んでいます。

    そしてもう1つ、このエリアだけの特徴があります。行き帰りの交通そのものが観光になることです。テムズ川を船で下ると、タワーブリッジをくぐり、カナリー・ワーフの高層ビル群を抜けて、グリニッジに着きます。地下鉄で移動していたら見られない景色です。

    船で着いて、丘へ上がるルート

    所要 半日(5〜6時間)

    船でグリニッジ・ピアに着き、カティーサーク → 海軍学校 → 博物館 → 公園の坂 → 天文台、と東へ上がっていきます。最後が丘の上なので、体力のあるうちに下を済ませる順番です。

    1. 1
      カティーサーク滞在 1時間

      19世紀の高速帆船を陸上に保存したもの。船底のガラス下から見上げる展示が特徴です。マストに登る体験(リグクライム)は別料金・要予約。

      徒歩3分。川沿いを東へ、白い双子の建物へ

    2. 2
      旧王立海軍学校滞在 1〜1.5時間

      クリストファー・レンが設計した左右対称の建築群。敷地は無料で歩けます。有料の「ペインテッド・ホール」は天井画が圧巻で、ここは入る価値があります。

      徒歩5分。南へ、大通りを渡る

    3. 3
      国立海事博物館

      入場無料。ネルソン提督が戦死したときに着ていた軍服(弾痕つき)が展示されています。イギリスの海洋史を1か所で追える場所です。

      徒歩2分。隣接する白い建物へ

    4. 4
      クイーンズ・ハウス滞在 45分

      17世紀の王妃の館。入場無料。中央の「チューリップ階段」は手すりの螺旋が美しく、写真を撮る人が並びます。所要45分。

      徒歩15分。グリニッジ公園に入り、坂を上る

    5. 5
      グリニッジ公園の坂

      ここが本日の山場です。天文台までは急な上り坂で、10分ほどかかります。上りきった場所からの眺めが、このエリアで最も有名な景色です。

      徒歩1分。坂の頂上が天文台

    6. 6
      王立グリニッジ天文台滞在 1時間

      本初子午線(経度0度)が地面に引かれています。線をまたいで写真を撮るのが定番。所要1時間。眺めだけが目的なら、天文台に入らず丘の上から見るだけでも成立します。

    1. 船で行くか、DLRで行くか

    このエリアだけは、交通の選択が体験を左右します

    グリニッジへの行き方は主に3つあります。どれを選ぶかで、旅の印象がかなり変わります。

    手段所要料金の目安特徴
    DLR約25分通常運賃最も速くて安い。無人運転で先頭車両に座れる
    テムズ・クリッパー(船)約1時間DLRより高い移動が観光になる。タワーブリッジをくぐる
    国鉄約20分通常運賃London Bridge から。速いが景色は普通

    おすすめは「船で行ってDLRで帰る」

    往路は船、復路はDLRが最も満足度が高い組み合わせです。

    行きは時間に余裕があり、川からの景色を楽しめます。帰りは疲れているので、25分で戻れるDLRが助かります。逆にすると、疲れた体で1時間の船に乗ることになります。

    船について

    テムズ・クリッパー(Uber Boat) が定期運航しています。

    • Oyster やタッチ決済で乗れます(River Bus 扱い)
    • ウェストミンスター、ロンドン・アイ、タワーブリッジなどから乗船可能
    • 屋外デッキがあり、天気が良ければそこに立てます
    • 観光船ではなく通勤にも使われる交通機関なので、解説の放送はありません

    DLRについて

    Docklands Light Railway は無人運転です。つまり先頭に運転席がありません。最前列に座ると、運転士の視界がそのまま自分の視界になります。

    カナリー・ワーフの高層ビル群の間を高架で走り抜ける区間があり、これはこれで見どころです。子ども連れなら、最前列を狙う価値があります。

    ヒント

    船は Oyster とタッチ決済で乗れます

    テムズ・クリッパーは River Bus として TfL の運賃体系に組み込まれており、Oyster やタッチ決済のカードで乗船できます。別途チケットを買う必要はありません。ただし地下鉄・バスとは別料金で、1日の上限額(capping)にも合算されません。

    2. 天文台と本初子午線

    経度0度の線が地面に引かれている場所です。ここを基準に世界の時刻(GMT)が決められてきました。

    子午線の線をまたぐ

    真鍮の線が中庭に引かれていて、線をまたいで立つと東半球と西半球に片足ずつ乗ることになります。定番の記念写真です。

    この中庭に入るには天文台の入場券が必要です。無料で見られると思って行くと、柵の外から眺めることになります。

    天文台の中身

    • フラムスティード・ハウス — 17世紀の天文台の建物。当時の観測機器
    • ハリソンの時計 — 経度を海上で測るために作られた精密時計。大航海時代の難問を解いた発明品
    • 大赤道儀 — ドームの中の巨大な望遠鏡

    ハリソンの時計は、時計や航海に関心がなくても見る価値があります。「海の上で正確な時間を知る」という一点のために生涯を費やした職人の話が、実物とともに展示されています。

    入らないという選択

    丘の上からの眺めだけが目的なら、天文台に入る必要はありません。公園は無料で、天文台の前の広場からロンドンを一望できます。

    眺めの構図は、手前にクイーンズ・ハウスと海軍学校の白い建物、その向こうにカナリー・ワーフの高層ビル群、さらに奥にシティ。ロンドンで最も「時代の層」が分かりやすく写る眺めです。

    実務メモ

    • 坂はかなり急。ベビーカーや車椅子の場合は、公園の東側から迂回する緩やかな道がある
    • プラネタリウム(ピーター・ハリソン)は天文台に併設。上映時間が決まっているので、着いたら先に時刻を確認する
    • 13:00に天文台の塔の上の赤い球(タイムボール)が落ちる。1833年から続く時報で、見るなら12:55には広場にいること

    注意

    子午線の中庭は有料エリアです

    本初子午線の線が引かれた中庭に入るには、王立天文台の入場券が必要です。公園や丘の上の広場は無料ですが、「線をまたぐ写真」を撮りたい場合はチケットを買ってください。

    3. 無料で入れるものが多い

    グリニッジは、主要な施設のいくつかが無料です。天文台とカティーサークは有料ですが、それ以外はかなりの部分が無料で回れます。

    国立海事博物館(無料)

    イギリスの海洋史を扱う世界最大級の博物館です。

    見どころはネルソン提督の軍服。トラファルガーの海戦で戦死したときに着ていたもので、銃弾が貫通した穴がそのまま残っています。イギリス史における彼の位置づけを考えると、これは相当に生々しい展示です。

    クイーンズ・ハウス(無料)

    17世紀初頭に建てられた王妃の館。イギリスで最初期の古典主義建築とされます。

    チューリップ階段が有名です。中央が吹き抜けになった螺旋階段で、下から見上げると花のような形に見えます。写真を撮る人の列ができることがあります。

    旧王立海軍学校の敷地(無料)

    建物の間を歩くだけなら無料です。左右対称の配置で、中央から川を見ると、対岸まで見通せる構図になっています。

    ペインテッド・ホール(有料)は、天井と壁一面に描かれた大規模な装飾画で、「イギリスのシスティーナ礼拝堂」と呼ばれることがあります。ここは払う価値があります。

    グリニッジ公園(無料)

    ロンドン最古の王立公園のひとつ。天文台へ上る坂道そのものが公園の中を通っています。

    実務メモ

    • 無料の施設でも寄付を求められることがある。義務ではない
    • 海事博物館は子ども向けの体験展示が充実している。雨の日の避難先としても優秀

    4. グリニッジ・マーケット

    屋根のある常設マーケットで、水〜日(火曜は休み)。火曜は休みです。

    何があるか

    • 手工芸品、アクセサリー、古着
    • 食べ物の屋台 — 各国料理が£8〜12程度
    • 週末は規模が大きくなります

    昼食の場所として

    グリニッジは食事の選択肢がそれほど多くありません。観光地の中心部から少し外れると店が減ります。

    マーケットの屋台が最も手軽で、屋根があるので雨でも大丈夫です。昼食はここで済ませるのが計画として最も安定します。

    周辺のパブ

    川沿いに古いパブが何軒かあります。トラファルガー・タヴァーンは19世紀から続く川沿いのパブで、窓からテムズ川が見えます。ディケンズが通ったとされる店です。

    注意

    火曜は休みです

    グリニッジ・マーケットは水〜日(火曜は休み)。火曜に行くと閉まっています。昼食をマーケットで取る計画なら、曜日を確認してください。

    5. 歩くときの実務

    半日か、1日か

    天文台・海事博物館・カティーサークを全部回ると1日かかります。半日で済ませるなら、以下のどちらかに絞ってください。

    • 海と船に興味がある → カティーサーク+海事博物館+海軍学校
    • 時間と天文に興味がある/眺めが目的 → 天文台+公園+クイーンズ・ハウス

    天文台は丘の上です。公園を通る坂道はかなり急で、上りきるのに10分ほどかかります。

    • ベビーカー・車椅子の場合は、公園東側の緩やかな迂回路を使ってください
    • 天文台を最後に持ってくると、疲れた体で坂を上ることになります。午後の早い時間に上るのが賢明です

    服装

    丘の上は風が強いです。中心部より体感温度が下がるので、一枚多めに持っていってください。

    雨の日

    海事博物館とクイーンズ・ハウス(どちらも無料)、マーケット(屋根あり) があるので、雨でも半日は成立します。ただし丘の上からの眺めは望めず、公園の坂は滑ります。

    眺めが主目的なら、雨の日は日程を変える判断が正しいといえます。

    帰りの時間

    DLRの最終は遅くまでありますが、船は夕方までの運航です(季節により変動)。船で帰る予定なら、最終便の時刻を先に確認してください。

    子連れ

    海事博物館の子ども向け展示が充実しています。無料で、体験型の展示が多くあります。公園も広く、走り回れます。ただし天文台への坂は子どもには厳しいので、ベビーカーなら迂回路を使ってください。

    実務メモ

    • Cutty Sark 駅(DLR)が観光の中心部に最も近い。Greenwich 駅からは徒歩10分ほどかかる
    • グリニッジからは徒歩でテムズ川の下を通る歩行者トンネル(Greenwich Foot Tunnel)で対岸に渡れる。無料で、対岸から振り返るとグリニッジの全景が見える
    • 船の最終便は季節で変わる。夕方以降まで滞在するなら DLR で帰る前提にしておくほうが安全

    グリニッジのスポット一覧7

    よくある質問

    参考・公式情報

    料金・時刻・制度は変更されます。本記事は2026年8月時点の情報です。渡航前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。

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