イギリスの銀行口座の開き方|渡英直後でも開ける口座はどれか

    Opening a UK Bank Account After You Arrive

    渡英直後に口座開設が詰まる原因は、ほぼ一つです。住所証明(proof of address)。高街銀行はこれを求め、住所証明は銀行の明細で出すのが一般的なので、卵と鶏の循環に入ります。Monzo と Starling はこの要求をパスポートと eVisa のシェアコードに置き換えたので、循環を断てます。

    2026年8月時点の情報

    要点

    最短
    アプリ銀行なら数分〜数日
    必要書類
    パスポート+自撮り+eVisa のシェアコード
    住所証明
    アプリ銀行は不要。高街銀行は必要
    費用
    無料(基本口座に維持手数料はない)
    渡英前に開けるか
    Revolut と Wise は日本にいる間から可能
    高街銀行
    予約から2〜4週間。1本目には向かない

    渡英して最初にぶつかる事務的な壁が、銀行口座です。

    家を借りるにも、給料を受け取るにも、携帯を契約するにも英国の口座が要る。ところが従来型の銀行(高街銀行)に行くと、住所証明(proof of address) を求められます。そして住所証明として最も広く通用するのが銀行の明細や光熱費の請求書なので、まだ何も持っていない渡英直後の人は、ここで循環に入って動けなくなります。

    この問題は、実は数年前にほぼ解決しました。アプリ銀行(Monzo、Starling、Revolut)が、住所証明の要求を「パスポート+自撮り+在留資格のシェアコード」に置き換えたからです。

    なので現在の正解ははっきりしています。1本目はアプリ銀行で開く。高街銀行は必要になってから。 その順番と、実際の手順を説明します。

    1. なぜ口座開設が詰まるのか

    問題は信用スコアではなく住所証明

    「審査に落ちた」と言われると信用情報の問題だと思いがちですが、渡英直後の場合、原因はほぼ 住所証明 です。

    英国の銀行はマネーロンダリング対策として、本人確認(KYC)で2種類の確認を求めます。

    1. 本人であることの確認 … パスポート、運転免許証など
    2. どこに住んでいるかの確認 … 光熱費の請求書、council tax の通知、銀行の明細など

    1は問題ありません。パスポートを持っています。詰まるのは2です。渡英して1週間の人は、自分名義の光熱費の請求書も、英国の銀行明細も持っていません。

    アプリ銀行が変えたこと

    Monzo や Starling は、この2番目の要求を実質的に外しました。かわりに、

    • パスポートの撮影
    • 短い自撮り動画(生体認証)
    • eVisa のシェアコードによる在留資格の確認

    で本人確認を完結させます。住所は自己申告で構いません。

    これは規制の抜け穴ではなく、デジタル本人確認が正式に認められた結果です。だからこそ FSCS(預金保護)の対象 にもなっています。

    「審査が通りやすい銀行」の正体

    日本語の情報でしばしば「審査が緩い銀行」という表現を見ますが、正確ではありません。緩いのではなく、要求している書類が違うだけです。詳しくは 「審査が通りやすい」の正体 で扱います。

    ヒント

    渡英前から準備できることがあります

    Revolut と Wise は、日本にいる間にアカウントを作れます。渡英前に開いておけば、到着直後から日本円を送金して現地で引き出せる状態を作れます。ただし給与の受け取り先としては Monzo か Starling を用意するほうが確実です。

    2. どの銀行を選ぶか

    渡英直後の通りやすさ順

    銀行種別住所証明FSCS保護開設まで
    Monzoアプリ銀行不要あり数分〜数日
    Starling Bankアプリ銀行不要あり数分〜数日
    Revolutアプリ銀行不要あり数分
    HSBC / Lloyds / Barclays / NatWest高街銀行必要あり予約から2〜4週間

    それぞれの位置づけ

    Monzo

    英国の銀行免許を持ち、預金は£85,000まで保護されます。住所証明が要らず、給与振込にも家賃の引き落としにも使えるので、渡英直後の1本目として最も無難です。

    Starling Bank

    Monzo とほぼ同格。海外送金が Starling 内で完結する点と、実店舗を持たないぶん手数料が薄い点が強みです。どちらか一方で構いません。

    Revolut

    渡英前に日本にいる間から開設でき、多通貨をそのまま持てます。ただし英国の銀行免許で運営される口座かどうかはプラン・時期で変わるため、給与の受け取り先は Monzo か Starling に置くほうが確実です。

    HSBC / Lloyds / Barclays / NatWest

    住所証明を求められるため、渡英直後は詰まります。支店予約が数週間先になることも多い。住宅ローンや長期の信用実績が要る段階になってから、2本目として作る順番が現実的です。

    結論

    1本目は Monzo か Starling。 どちらか一方で構いません。英国の銀行免許を持ち、預金が保護され、給与振込にも家賃の引き落としにも使えます。

    2本目に Revolut。 日本円を含む多通貨を持てるので、送金の受け皿として便利です。ただしメインの給与口座にはしないほうが無難です。

    高街銀行は後回しで構いません。 住宅ローンを組む、事業口座が要る、といった段階になってから作れば足ります。そのころには住所証明も揃っています。

    実務メモ

    • 1本目はアプリ銀行。2本目を作るかどうかは、必要が生じてから決めればよい。
    • 給与の受け取り先は英国の銀行免許を持つ口座(Monzo・Starling)にしておくのが確実。
    • 口座を複数持つこと自体に不利益はない。信用情報にも悪影響はない。

    3. 実際の開設手順

    アプリ銀行の場合

    1. アプリをインストールする

    App Store か Google Play から入手します。英国の Apple ID / Google アカウントは必須ではありませんが、地域によっては表示されないことがあるので、その場合はアカウントの国設定を英国に変更してください。

    2. 基本情報を入力する

    氏名、生年月日、英国の住所、電話番号、メールアドレス。

    住所は仮のもので構いません。 ホテル、Airbnb、友人宅、学生寮でも受け付けられます。後から変更できます。ただしカードの郵送先になるので、数日以内に受け取れる場所にしてください。

    電話番号は英国のものが要ります。 SIM は空港でも街のスーパーでも買えるので、口座開設より先に済ませておいてください。

    3. 本人確認

    パスポートの写真ページを撮影し、指示に従って短い自撮り動画を録画します。「画面に表示された数字を読み上げてください」といった指示が出ます。

    顔写真とパスポートの照合が自動で行われるため、明るい場所で、眼鏡や帽子を外して撮ってください。ここでの差し戻しが最も多い工程です。

    4. 在留資格の確認(eVisa のシェアコード)

    BRP カードは廃止され、在留資格は eVisa としてオンラインで管理されるようになりました。銀行が求めるのは、そこから発行する share code です。

    GOV.UK の「View and prove your immigration status」から、目的として「銀行口座の開設(Banking)」を選ぶとコードが発行されます。有効期限があるので、開設作業の直前に取得してください。

    5. 審査と発行

    多くの場合、数分から数時間で結果が出ます。追加確認が必要な場合は数日かかることがあります。

    口座番号(account number)と sort code(6桁の支店識別番号)が発行されたら完了です。この2つが、日本でいう口座番号と支店番号にあたります。デビットカードは数日から1週間ほどで郵送されます。

    6. 開設後にやること

    • sort code と account number を控える:給与の受け取り、家賃の支払いにこの2つを使います
    • 給与の振込先として職場に提出する
    • Direct Debit を設定する:家賃、携帯、光熱費の自動引き落とし

    実務メモ

    • 英国の SIM を先に手配する。電話番号がないと口座開設が始まらない。
    • 自撮りの本人確認は明るい場所で。眼鏡と帽子は外す。差し戻しの大半がここで起きる。
    • eVisa のシェアコードには有効期限がある。申込の直前に取得する。
    • カードの郵送先になるので、初期の住所は数日以内に受け取れる場所にする。

    注意

    sort code と account number は他人に伝えて構いません

    給与の受け取りや友人との割り勘で、この2つを相手に伝える場面は日常的にあります。これは日本の口座番号と同じで、伝えても引き落とされることはありません。渡してはいけないのは、カード番号・PIN・オンラインバンキングのパスワード・ワンタイムコードです。ここを混同した詐欺が多いので注意してください。

    よくある質問

    参考・公式情報

    料金・時刻・制度は変更されます。本記事は2026年8月時点の情報です。渡航前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。

    本記事は情報提供を目的としたもので、金融商品の推奨や投資助言ではありません。 手数料・為替の上乗せ・口座開設の条件は各社が予告なく変更します。実際に送金・ 申込みをする前に、必ず申込画面に表示される金額とレートをご確認ください。 特定の事業者との提携関係はなく、掲載順は渡英直後の使いやすさを基準にした 編集判断です。

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