パイ&マッシュPie and Mash
減り続けているロンドンの労働者めし。今のうちに食べておく料理。

価格の目安
£6〜12
食べる時間帯
昼(夕方に閉まる店が多い)
パイ&マッシュとは何なのか
19世紀のロンドンで、テムズ川で獲れたウナギを売る屋台から発展した食べ物です。安く腹を満たせる労働者の食事として、イーストエンドを中心に専門店("pie and mash shop")が広がりました。
皿の上には3つ。ミンチ肉のパイ、マッシュポテト、そして liquor(リカー) と呼ばれる緑色のソース。酒ではなく、パセリを効かせたウナギの茹で汁がもとになったソースです。店によっては jellied eels(ウナギの煮こごり)も置いていて、これがこの料理の本来の姿に最も近い。
注目すべきは、この料理が今まさに消えかけていることです。かつてロンドンには数百軒のパイ&マッシュ店がありましたが、イーストエンドの再開発と食文化の変化で数十軒にまで減りました。白いタイル張りの壁、木のベンチ、大理石のテーブルという定型の内装ごと、失われつつある空間です。
味は驚くほど素朴で、正直に言えば感動する種類の料理ではありません。それでも行く理由があるとすれば、それは味ではなく、その店がまだそこにあるということ自体です。
頼み方・食べ方
- パイは1個か2個("one and one" = パイ1つとマッシュ1つ)で頼みます
- リカーは緑色ですが辛くありません。 パセリの風味の穏やかなソースです
- テーブルの酢(chilli vinegar)をかけるのが伝統的な食べ方
- ジェリード・イールは相当に人を選びます。 挑戦するなら少量から
- £8前後と非常に安い。現金のみの店もあります
パイ&マッシュが食べられる店
長く続いている店を中心に選びました。営業時間・定休日・価格は変わります。行く前に公式サイトで確認してください。
画像: Spudgun67 / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
M・マンゼ
M. Manze
現存する最古のパイ&マッシュ店とされる。タワーブリッジから歩ける距離にある。
バーモンジー
Borough / London Bridge
££6〜12
1892年に開いた建物で、1902年からマンゼ家が営むイール&パイ・ハウス。現存する最古のパイ&マッシュ店とされています。
タワーブリッジ・ロード沿いにあり、タワーブリッジやバラ・マーケットから歩けるのが観光上の利点。白いタイルと木のベンチという、この業態の内装がそのまま残っています。
昼どきを中心に営業し、夕方には閉まります。日曜が休みのことが多いので、営業時間は事前に確認を。
画像: JRennocks / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
ゴダーズ
Goddard's at Greenwich
1890年創業。グリニッジ観光のついでに寄れる、数少ないパイ&マッシュ店。
グリニッジ
Cutty Sark (DLR)
££7〜13
1890年から続く一家の店で、現在はグリニッジのチャーチ・ストリートにあります。グリニッジ天文台やカティサーク、旧王立海軍学校の観光動線上にあるため、わざわざイーストエンドまで行かなくてもこの料理を体験できます。
パイの中身も選べるようになっており、伝統的なミンチ肉以外の選択肢があるのが現代的。初めての一皿としては入りやすい店です。
ほかのイギリス料理
- アフタヌーンティー(3軒)
- フィッシュ&チップス(3軒)
- サンデーロースト(3軒)
- イングリッシュ・ブレックファスト(3軒)
- インドカレー(3軒)
- ソルトビーフ・ベーグル(2軒)