パイ&マッシュPie and Mash

    減り続けているロンドンの労働者めし。今のうちに食べておく料理。

    パイ&マッシュ

    画像: Secretlondon / CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

    価格の目安

    £6〜12

    食べる時間帯

    昼(夕方に閉まる店が多い)

    パイ&マッシュとは何なのか

    19世紀のロンドンで、テムズ川で獲れたウナギを売る屋台から発展した食べ物です。安く腹を満たせる労働者の食事として、イーストエンドを中心に専門店("pie and mash shop")が広がりました。

    皿の上には3つ。ミンチ肉のパイマッシュポテト、そして liquor(リカー) と呼ばれる緑色のソース。酒ではなく、パセリを効かせたウナギの茹で汁がもとになったソースです。店によっては jellied eels(ウナギの煮こごり)も置いていて、これがこの料理の本来の姿に最も近い。

    注目すべきは、この料理が今まさに消えかけていることです。かつてロンドンには数百軒のパイ&マッシュ店がありましたが、イーストエンドの再開発と食文化の変化で数十軒にまで減りました。白いタイル張りの壁、木のベンチ、大理石のテーブルという定型の内装ごと、失われつつある空間です。

    味は驚くほど素朴で、正直に言えば感動する種類の料理ではありません。それでも行く理由があるとすれば、それは味ではなく、その店がまだそこにあるということ自体です。

    頼み方・食べ方

    • パイは1個か2個("one and one" = パイ1つとマッシュ1つ)で頼みます
    • リカーは緑色ですが辛くありません。 パセリの風味の穏やかなソースです
    • テーブルの酢(chilli vinegar)をかけるのが伝統的な食べ方
    • ジェリード・イールは相当に人を選びます。 挑戦するなら少量から
    • £8前後と非常に安い。現金のみの店もあります

    パイ&マッシュが食べられる店

    長く続いている店を中心に選びました。営業時間・定休日・価格は変わります。行く前に公式サイトで確認してください。

    M・マンゼ

    画像: Spudgun67 / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

    M・マンゼ

    M. Manze

    現存する最古のパイ&マッシュ店とされる。タワーブリッジから歩ける距離にある。

    バーモンジー

    Borough / London Bridge

    ££6〜12

    1892年に開いた建物で、1902年からマンゼ家が営むイール&パイ・ハウス。現存する最古のパイ&マッシュ店とされています。

    タワーブリッジ・ロード沿いにあり、タワーブリッジやバラ・マーケットから歩けるのが観光上の利点。白いタイルと木のベンチという、この業態の内装がそのまま残っています。

    昼どきを中心に営業し、夕方には閉まります。日曜が休みのことが多いので、営業時間は事前に確認を。

    公式サイトで営業時間・予約を確認
    ゴダーズ

    画像: JRennocks / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

    ゴダーズ

    Goddard's at Greenwich

    1890年創業。グリニッジ観光のついでに寄れる、数少ないパイ&マッシュ店。

    グリニッジ

    Cutty Sark (DLR)

    ££7〜13

    1890年から続く一家の店で、現在はグリニッジのチャーチ・ストリートにあります。グリニッジ天文台やカティサーク、旧王立海軍学校の観光動線上にあるため、わざわざイーストエンドまで行かなくてもこの料理を体験できます。

    パイの中身も選べるようになっており、伝統的なミンチ肉以外の選択肢があるのが現代的。初めての一皿としては入りやすい店です。

    公式サイトで営業時間・予約を確認

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