アフタヌーンティーAfternoon Tea

    食事というより行事。予約を取り、2時間を空けて臨むもの。

    アフタヌーンティー

    画像: JuliaC2006 / CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

    価格の目安

    £40〜100

    食べる時間帯

    14:00〜17:00 / 要予約

    アフタヌーンティーとは何なのか

    19世紀半ば、第7代ベッドフォード公爵夫人アンナが「昼食から夕食までの間が空きすぎて耐えられない」として、午後に紅茶と軽食を運ばせたのが始まりとされています。当時の夕食は夜8時ごろ。空腹をしのぐための私的な習慣が、やがて社交の形式になりました。

    構成はほぼ決まっています。下段にフィンガーサンドイッチ(キュウリ、スモークサーモン、卵とクレス、ハムマスタードあたり)、中段にスコーンとクロテッドクリーム・ジャム、上段にペイストリーとケーキ。紅茶は数種類から選べ、多くの店でおかわりや別の茶葉への変更ができます。

    似た言葉にハイティーがありますが、これは別物です。もともとは労働者階級が仕事を終えた夕方に、肉や卵を含むしっかりした食事を高い(high)テーブルで摂ったもの。優雅なイメージで使われがちですが、本来は逆の意味合いを持つ言葉です。

    値段はロンドン中心部のホテルで1人 £60〜100 が相場。決して安くありませんが、2時間近く席にいられて、食べきれない分は箱に詰めて持ち帰れる店も多いので、一食としてはそれほど不合理ではありません。

    頼み方・食べ方

    • 予約はほぼ必須。 人気店は数週間から数か月前に埋まります。思い立った日に入れる場所ではありません
    • 食べる順番は下から上。 サンドイッチ → スコーン → ケーキ。甘さが段々強くなる設計になっています
    • スコーンはナイフで切らず、手で横に割る。 これが作法とされています
    • クリームとジャムのどちらを先に塗るかは、デヴォン式(クリームが先)とコーンウォール式(ジャムが先)で今も論争があります。どちらでも構いませんが、話題としては鉄板です
    • ドレスコードに注意。 高級ホテルではジーンズ・スニーカー不可、男性はジャケット着用を求められる店があります。予約時に必ず確認してください
    • 食べきれないのが普通です。持ち帰り用の箱をもらえるか聞いてみてください

    アフタヌーンティーが食べられる店

    長く続いている店を中心に選びました。営業時間・定休日・価格は変わります。行く前に公式サイトで確認してください。

    ザ・リッツ

    画像: Sheila1988 / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

    ザ・リッツ

    要予約

    The Ritz London

    格式で選ぶならここ。ドレスコードが最も厳しく、そのぶん体験としての密度が高い。

    ピカデリー

    Green Park

    ££75〜

    パーム・コートと呼ばれる吹き抜けの空間で、生演奏を聴きながら供されます。ロンドンのアフタヌーンティーの基準点のような存在で、1日に複数回の時間帯が設定されているほど需要があります。

    ドレスコードが明確なのが特徴で、男性はジャケットとネクタイが必要、ジーンズとスニーカーは不可。旅行の荷物にジャケットを入れるかどうかを、予約の段階で決めておく必要があります。予約は数か月前から埋まります。

    何を頼むか

    • Afternoon Tea at The Ritz名物£75〜

      アフタヌーンティー(基本のセット)

      ここは単品で頼む店ではなく、セットが体験そのものです。サンドイッチ・スコーン・ペイストリーの3段で、サンドイッチとスコーンはおかわりを頼めます。遠慮すると損をするので、足りなければ声をかけてください。

    • Ritz Royal English飲み物

      リッツ・ロイヤル・イングリッシュ(オリジナルブレンド)

      紅茶は十数種類から選べて、迷ったら店名を冠したこのブレンド。ミルクを入れる前提の濃さで、サンドイッチにもスコーンにも合います。途中で別の茶葉に変えることもできます。

    • Champagne Afternoon Teaもう一皿£90〜

      シャンパン付きのセット

      記念日ならこちら。グラス1杯が付くだけですが、この店で写真を撮るなら画面に入るものが変わります。 用が無ければ基本のセットで十分です。

    店の公式アカウントより

    公式サイトで営業時間・予約を確認
    Fortnum & Masonピカデリー

    フォートナム&メイソン

    要予約

    Fortnum & Mason

    紅茶そのものの品揃えが最強。買い物と同じ建物で済むので、旅程に組み込みやすい。

    ピカデリー

    Green Park / Piccadilly Circus

    ££70〜

    1707年創業の老舗。上階のティーサロンでアフタヌーンティーを供しています。紅茶専門店が母体なので茶葉の選択肢が非常に多く、紅茶を目的に来るならここが分かりやすい。

    同じ建物の下の階が土産物の宝庫なので、お茶をしてそのまま買い物という流れが作れます。ホテルのアフタヌーンティーより旅程に組み込みやすいのが実務的な利点です。

    何を頼むか

    • Afternoon Tea名物£70〜

      アフタヌーンティー(基本のセット)

      紅茶屋が母体なので、茶葉の選択肢がこの価格帯で最も多い店です。専門のスタッフに好みを伝えると選んでくれるので、銘柄が分からなくても任せられます。

    • Royal Blend飲み物

      ロイヤル ブレンド

      F&M の看板ブレンド。濃いめでミルクによく合い、迷ったときの基準になります。同じ茶葉を1階の売り場で缶入りで買えるので、気に入ったらそのまま土産にできます。

    • Savoury Afternoon Teaもう一皿£70〜

      セイヴォリー(甘くない)のセット

      甘いものが続くのが苦手な人向けに、塩気のある品を中心に組んだセットがあります。同行者と別のセットを頼めるので、好みが割れたときに使えます。

    店の公式アカウントより

    公式サイトで営業時間・予約を確認
    sketchメイフェア

    スケッチ

    要予約

    sketch

    内装で選ぶ店。伝統的な格式より、写真に撮りたくなる空間を求める人向け。

    メイフェア

    Oxford Circus

    ££70〜

    メイフェアのタウンハウスを改装したレストラン兼ギャラリー。内装そのものが目的地になっている珍しい店で、アートに覆われた部屋のデザインは折々に大きく変わります。卵形のカプセルが並ぶトイレも有名。

    伝統的なホテルのアフタヌーンティーとは方向性が違うので、「格式を体験したい」のか「非日常の空間に行きたい」のかで選び分けてください。こちらも予約必須です。

    何を頼むか

    • Afternoon Tea in the Glade名物£70〜

      アフタヌーンティー(内装が主役のセット)

      この店は味より空間を買いに行く店です。セット内容より、どの部屋に通されるかのほうが体験を左右します。予約時に部屋の希望を伝えられることがあるので、聞いてみてください。

    • 卵型の個室トイレもう一皿

      (注文品ではありません)

      注文とは関係ありませんが、行かずに帰る人が多いので書いておきます。 白い卵型のカプセルが並ぶトイレがこの店で最も知られた場所です。食後に必ず寄ってください。

    店の公式アカウントより

    公式サイトで営業時間・予約を確認

    ほかのイギリス料理

    イギリス料理の一覧に戻る →