テート・ブリテンTate Britain
500年の英国美術を無料で巡る国立ギャラリー
- 料金
- 無料
- 所要時間
- 2時間
- 最寄駅
- Vauxhall駅
- 開館時間
- 10:00〜18:00 (最終入場17:30)
料金・開館時間は変更されることがあります。訪問前に 公式サイト で最新情報をご確認ください。
テート・ブリテンは、1500年代から現代までの英国美術を体系的に収蔵する国立ギャラリーです。J.M.W.ターナーの世界最大級のコレクションをはじめ、コンスタブルやプレ・ラファエル派、ベーコン、フロイド、ホックニー、ブリジット・ライリーなど幅広い作家の作品を鑑賞できます。入館は常設コレクションに限り無料で、企画展では最新の英国アートにも触れられます。クラシカルな外観の建物は、かつて刑務所があったミルバンク地区に建てられ、ロンドン観光の中でも落ち着いてアートを楽しめるスポットとして人気です。
このページの内容
着いてからの歩き方
テート・ブリテンに着いたら、この順に見ていくと迷いません。
- コツ
無料。テート・モダンとは別の館
常設は無料です。よく混同されますが、テート・モダンが近現代の国際美術なのに対し、こちらは1500年以降の英国美術だけを扱います。テムズ川沿いに約4km離れていて、両館を結ぶ高速ボート「テート・ボート」が出ています。
- 見どころ
クロア・ギャラリーのターナー
ターナーは自作の大半を国家に遺贈し、その保管のために1987年に専用棟が建てられました。油彩300点超と水彩数千点——単一の画家のコレクションとしては世界最大です。展示は入れ替え制なので、行くたびに違う絵が出ています。
- 見どころ
ミレイ『オフィーリア』
テートで最も人気のある1枚。ハムレットのオフィーリアが川に沈んでいく場面で、周囲の草花はすべて実在の種として描き分けられ、それぞれが花言葉として意味を持ちます。背景はサリー州の実際の川辺に4か月通って写生したもの。モデルの女性は浴槽に浮かんだ姿勢で描かれ続け、湯が冷めて肺炎になったという逸話が残っています。
- 見どころ
ラファエル前派の部屋
『オフィーリア』のほか、ウォーターハウス『シャロットの乙女』、ロセッティ、ホルマン・ハント、バーン=ジョーンズが並びます。19世紀半ば、「ラファエロ以前に戻れ」と唱えた若い画家たちの運動で、細密な描写と鮮烈な色彩が特徴。英国美術で最も分かりやすく美しい一角です。
- コツ
時代順に歩ける
常設展は「ウォーク・スルー・ブリティッシュ・アート」として、1540年代から現代まで年代順に部屋が並んでいます。順路どおりに歩くだけで英国絵画史を一周できる構成なので、美術に詳しくなくても迷いません。
角砂糖で建った美術館
テート・ブリテンを建てたのは国家ではなく、一人の実業家でした。ヘンリー・テート——砂糖の精製で財を成した人物です。
彼の事業を決定づけたのが角砂糖でした。塊で売られていた砂糖を、扱いやすい立方体に加工する方法を実用化し、莫大な利益を上げます。いまも英国の砂糖大手として「テート&ライル」の名が残っています。
テートは自分が集めた英国絵画のコレクションを国家に寄贈すると申し出ました。ただし収める建物がありません。そこで建設費も自分で出すことにします。こうして1897年7月21日、「英国美術のナショナル・ギャラリー」として開館しました。
正式名称は長く使われず、人々は最初から創設者の名で「テート・ギャラリー」と呼び、1932年にはそれが正式名称になります。
選ばれた敷地には来歴があります。ここには1816年から1842年までミルバンク刑務所が建っていました。オーストラリアへ流刑される囚人を収容する施設です。流刑者が船を待った場所に、いまは英国美術が並んでいます。
ターナーの遺言と、それが守られるまで
テート・ブリテンの中核はターナー・ベクエスト——画家J.M.W.ターナーが国家に遺した膨大な作品群です。油彩約300点、水彩と素描は3万点近くにのぼります。
ターナーは1851年に亡くなる際、条件を付けていました。自分の作品をまとめて収蔵し、一般に公開する専用の場所を設けること。彼は自作が散逸することを恐れていました。
ところがこの遺志はなかなか実現しません。作品はナショナル・ギャラリーや各所に分散したまま、100年以上が過ぎます。専用の展示館であるクロア・ギャラリーが完成したのは1987年——ターナーの死から136年後でした。
このため、いまテート・ブリテンで見られるターナーの展示には特別な意味があります。画家本人が望んだ形にようやく追いついた空間だからです。
ターナーの絵は晩年になるほど輪郭が溶け、光と大気だけが残っていきます。同じ画家の初期から晩年までをまとめて追える場所は世界でもここだけで、その変化を順に見ていくと、彼が何に取り憑かれていたのかが分かってきます。
豆知識
- テート・モダンとは役割が違う。テート・ブリテンは1500年代から現在までの英国美術、テート・モダンは国際的な近現代美術を扱います。名前が似ているので混同されがちですが、収蔵の方針はまったく別です。両館はテムズ川で結ばれており、専用のボートが往復しています。
- ターナー賞の名はこの画家から。現代美術の賞として知られるターナー賞は、ターナーにちなんで1984年に創設されました。授賞式と展示はテート・ブリテンで行われる年があります。
- ラファエル前派の主要作品が集まっている。ミレイの『オフィーリア』はここにあります。水に浮かぶ場面を描くため、モデルは浴槽に横たわり続け、体調を崩したという逸話が残ります。
- 入場は無料。常設展は無料で、企画展のみ有料です。
中心部から少し外れているぶん、静か
テムズ川沿いのミルバンクにあり、主要な観光動線からはやや外れています。その結果として、ナショナル・ギャラリーやテート・モダンより人が少なく、落ち着いて絵を見られます。
最寄りはピムリコ駅で、徒歩10分ほど。ウェストミンスターからテムズ川沿いを歩いて来ることもできます。
テート・モダンとの間をボートが結んでいます。両館を1日で回るなら、この船を使うと移動そのものが観光になります(有料・別料金)。
規模はナショナル・ギャラリーより小さく、2時間程度で主要な作品を見られます。ターナーだけに絞れば1時間で足ります。
場所とアクセス
美術館・博物館ガイド
テート・ブリテンをじっくり見る
注目作品、所要時間の目安、開館時間、館内の回り方は美術館ガイド側にまとめています。
みんなの口コミ
テート・ブリテンを訪れた感想や、これから行く人に役立つコツがあれば教えてください。
まだコメントはありません。最初の投稿をお待ちしています。




