ロンドンで落とし物をしたら|地下鉄・バス・タクシー別の探し方
Finding Lost Property in London
盗難と落とし物では、探す場所がまったく違います。地下鉄やバスに置き忘れたなら、窓口は警察ではなく TfL の遺失物センターです。保管期間は3ヶ月。ただしバスだけは、最初の3日間の動き方が違います。
いま危険な状況なら
身に危険がある、犯人がまだその場にいる、けがをしたなら 999。 すでに終わったことの通報は 101(緊急でない警察の窓口)。銀行を名乗る不審な連絡は、いったん切って 159 にかけ直します。
まず、この順番でやってください
- 1
まず盗まれたのか、置き忘れたのかを切り分ける
盗難なら警察、置き忘れなら交通機関の遺失物窓口です。窓口が違うので、ここを間違えると時間を失います。
- 2
気づいてすぐどの交通機関で失くしたかを特定する
地下鉄・バス・DLR・Overground・Elizabeth line・ブラックキャブは TfL。Uber などのミニキャブと National Rail は事業者ごとに別の窓口です。
- 3
バスなら3日以内先に営業所(garage)に直接問い合わせる
遺失物センターに送られる前なら、営業所で受け取れます。TfL も最初の3日間は運行会社に直接聞くよう案内しています。
- 4
そのあとTfL の問い合わせフォームを出す
回答まで最大15日かかります。繁忙期はさらに延びるので、出したあとは待つしかありません。
- 5
並行してカード類が入っていたなら止める
見つかる見込みがあっても、財布ごとなら先に止めてください。出てきたら再開できます。
要点
- TfL の対象
- 地下鉄・バス・DLR・Overground・Elizabeth line・ブラックキャブ
- 対象外
- Uber などのミニキャブ、National Rail、トラム、リバーサービス
- 問い合わせ
- NotLost のオンラインフォーム
- 回答まで
- 最大15日(繁忙期はさらに)
- 保管期間
- 3ヶ月(現金は12ヶ月)
- 受け取り
- 要予約。飛び込みでは受け取れません
まず切り分けてください。盗まれたのか、置き忘れたのか。
これが曖昧なまま動くと、警察と交通機関の間を往復して時間を失います。混雑した車内でバッグを開けられたなら盗難、網棚に載せたまま降りたなら落とし物。どちらかで窓口がまったく変わります。
置き忘れの場合、ロンドンには驚くほど機能する遺失物の仕組みがあります。TfL の遺失物センターは年間20万点以上を扱っていて、地下鉄やバスの忘れ物はここに集約されます。戻ってくる可能性は、日本ほどではないにせよ、決して低くありません。
ただし時間の制約と対象範囲の線引きがあります。この2つを外すと、あるはずの物にたどり着けません。
目次
1. どこに問い合わせるかを決める
TfL の対象と対象外を、先に切り分ける
最も多い失敗が、Uber で失くした物を TfL に問い合わせることです。これは対象外なので、いくら待っても見つかりません。
TfL の遺失物センターが扱うもの
- ロンドン地下鉄(Underground)
- ロンドンバス
- DLR
- ロンドン Overground
- Elizabeth line
- ブラックキャブ(黒タクシー)
- ロンドン・ケーブルカー
- ヴィクトリア・コーチステーション
扱わないもの(窓口が別)
| どこで失くしたか | 問い合わせ先 |
|---|---|
| Uber・Bolt などのミニキャブ | アプリ内のヘルプから運転手に連絡 |
| National Rail(国鉄の列車) | 乗った鉄道会社ごとの窓口 |
| トラム、リバーサービス | それぞれ専用の手続き |
| 店・レストラン・美術館 | その施設に直接 |
| 路上で落とした | 警察の落とし物窓口 |
ブラックキャブは TfL、Uber は TfL ではない。ここが最も間違えやすい分岐です。黒塗りの伝統的なタクシーは TfL の管轄ですが、配車アプリで呼んだ車は事業者の管轄になります。
Uber の場合
アプリを開き、該当の乗車履歴から「忘れ物」の項目を選ぶと、運転手に電話をつなぐ導線があります。運転手の善意に依存する仕組みなので、早いほど可能性が高くなります。返却時には手数料を求められるのが通例です。
実務メモ
- どの路線・何時ごろ・どの車両だったかをメモしておくと照会が通りやすい
- Oyster やコンタクトレス決済の乗車履歴から、乗った時刻を特定できる
- 美術館や店なら、閉館前に電話するほうが確実。翌日には別の場所に移されることがある
2. バスだけは、最初の3日が違う
遺失物センターに送られる前に、営業所で受け取れる
バスで失くした場合、3日以内なら運行会社の営業所(garage)に直接問い合わせるほうが早いことがあります。TfL 自身がそう案内しています。
理由は物の流れです。バスの車内で見つかった忘れ物は、いったんその路線を運行する会社の営業所に集められ、そこから遺失物センターに送られます。まだ営業所にある段階なら、そこで受け取れるわけです。
センターに送られてしまうと、照会に最大15日、受け取りは要予約、さらに手数料がかかります。最初の数日の差が大きいのはこのためです。
営業所の調べ方
路線番号が分かれば、その路線を運行している会社を調べられます。バス停の時刻表や TfL のサイトに運行会社名が出ています。会社名が分かれば、営業所の連絡先にたどり着けます。
路線が分からない場合
乗った路線を覚えていないなら、営業所を特定できないので、素直に TfL のフォームに出してください。乗った時間帯と、乗車・降車したバス停の名前が分かれば、照会の手がかりになります。
補足
地下鉄の場合は駅でも聞ける
地下鉄で失くした物も、センターに送られる前なら駅で保管されていることがあります。降りた駅が分かっているなら、その駅の窓口で聞いてみる価値があります。
ただし地下鉄はバスほど「営業所で止まる」時間が長くないため、期待しすぎないでください。駅で聞いて空振りだったら、フォームに切り替えます。
3. TfL に問い合わせる
オンラインのフォームから。回答までは待つしかない
問い合わせは NotLost というシステムから行います。
https://notlostenquiry.com/tfl/
入力する内容
- 失くした物の詳細(種類、色、ブランド、特徴)
- 失くした日時
- 乗った路線・区間
- 連絡先
特徴は具体的に書いてください。「黒い財布」では同種の届出に埋もれます。「黒い二つ折り、内側に日本語の名刺、右下に擦れた傷」まで書くと、照合の精度が上がります。
回答までの時間
最大15日かかります。繁忙期はさらに延びます。この間、催促しても早くはなりません。
届いていない物について問い合わせているのか、まだ届いていないだけなのかは、こちらからは区別できません。15日待って音沙汰がなければ、その時点で諦めるかどうかを判断するという進め方になります。
保管期間
| 対象 | 期間 |
|---|---|
| 一般の物品 | 失くした日から3ヶ月 |
| 現金 | 12ヶ月まで請求可能 |
期間を過ぎた物は処分または寄付に回されます。3ヶ月が実質的な締切だと考えてください。
実務メモ
- 写真があれば添えられる。同じ型の物が複数あるときに効く
- 連絡先のメールアドレスは、確実に見るものを書く。迷惑メールに入ることがある
- 帰国が近い旅行者は、フォームに「帰国日」を書き添えておくと相談に乗ってもらえることがある
4. 受け取りと手数料
予約が要る。そして無料ではない
見つかった場合、受け取りには予約が必要です。飛び込みでは受け取れません。
手数料の考え方
| 状況 | 費用 |
|---|---|
| 駅や営業所で、センターに送られる前に受け取る | 無料 |
| 遺失物センターで受け取る | 手数料あり(品目によって異なる) |
| ブラックキャブで見つかった物 | 追加の手数料(運転手への謝礼として) |
| 郵送・宅配で受け取る | 別途配送料 |
金額は品目ごとに定められており、改定されます。この記事では断定しません。TfL の遺失物ページで確認してください。
傘のような安価な物だと、手数料のほうが高くつくことがあります。取りに行く前に、費用と手間に見合うかを一度考えてください。
帰国してしまった場合
すでに日本に帰っているなら、郵送を依頼できます。国際配送になるので送料は相応にかかりますが、パスポートや思い入れのある物であれば選択肢になります。
受け取りに必要なもの
- 予約の確認
- 身分証明書
- 照会の参照番号
- 手数料の支払い手段
所有者であることを説明できる情報(中身、傷の位置、購入時期など)を求められることがあります。フォームに書いた内容と食い違わないようにしてください。
注意
カード類が入っていたら、見つかる前に止めてください
財布やカードケースを失くした場合、「見つかるかもしれないから」とカードの停止を先延ばしにするのは危険です。
カードの凍結はあとから解除できます。出てきたら再開すればいいだけなので、先に止めるほうが常に得です。手順はスリ・ひったくりに遭った直後にやることにまとめています。
5. やはり盗まれていた場合
窓口が警察に変わる
探しているうちに「これは置き忘れではなく盗まれたのだ」と分かることがあります。その場合、窓口が警察に変わります。
なぜ切り替える必要があるか
保険を請求するつもりなら、盗難として警察に届け出た記録(crime reference number)が要ります。遺失物として TfL に問い合わせただけでは、保険会社は受け付けません。
逆に、明らかな置き忘れを盗難として通報するのは適切ではありません。事実に沿って選んでください。
判断の目安
| 状況 | 扱い |
|---|---|
| 網棚に載せたまま降りた | 落とし物 |
| ポケットに入れていたはずが、いつの間にかない | 盗難の可能性が高い |
| バッグのファスナーが開いていた | 盗難 |
| 座席に置いて席を離れた隙になくなった | 盗難 |
迷う場合は、警察に相談して判断を仰ぐのが確実です。届出の方法は警察に届け出る(crime reference number)を参照してください。通報は無料です。
よくある質問
参考・公式情報
- Metropolitan Police - Report a crime
- Metropolitan Police - Report lost or found property
- Transport for London - Lost property
- Stop Scams UK - STOP, HANG UP, CALL 159
- Report Fraud - UK's home for reporting cyber crime & fraud
- City of London Police - Report Fraud launches
- FCA - Fraudulent payments(返金ルール)
- 外務省 - 海外安全ホームページ
- 在英国日本国大使館 - 旅券(パスポート)
- 在英国日本国大使館 - 緊急連絡先
料金・時刻・制度は変更されます。本記事は2026年8月時点の情報です。渡航前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。
本記事は手続きの流れを説明する情報提供であり、法的な助言ではありません。 警察・大使館・保険会社の運用や手数料は改定されることがあります (領事手数料は 毎年4月1日 に改定されます)。実際に手続きをする前に、各機関の公式ページで最新の 必要書類と金額をご確認ください。事件性のある被害や、身の安全に関わる 状況では、まず警察に相談してください。