ロンドン5空港から市内へのアクセス|料金・所要時間・選び方
Getting In from the Airports
ヒースロー、ガトウィック、スタンステッド、ルートン、ロンドン・シティ。日本からの直行便はほぼヒースロー着ですが、ヨーロッパ内を回るなら残り4つも使います。各空港の選択肢を料金と所要時間で並べたうえで、荷物の量と到着時刻から「どれを選ぶか」まで決めます。
要点
- ヒースロー最安
- ピカデリー線 £5.90(Zone 1 まで約50〜60分)
- ヒースロー最適
- エリザベス・ライン £15.50(約30〜40分・車内が広い)
- ヒースロー最速
- ヒースロー・エクスプレス 約15分。当日券 £26/早期予約 £10〜
- ガトウィック
- Thameslink が狙い目。ロンドン・ブリッジ/セント・パンクラスへ直通
- 支払い
- ヒースロー・ガトウィックの一部を除き、タッチ決済カードでそのまま乗れます
- 深夜着
- 電車がない時間帯は深夜バスか配車アプリ。白タクには絶対に乗らない
ロンドンには主要な空港が5つあり、日本からの直行便はほぼヒースローに着きます。
空港からのアクセスで迷う理由は、たいてい「安いが遅い」と「速いが高い」が並んでいるからです。この記事では料金と所要時間を並べたうえで、荷物の量・到着時刻・宿の場所という3つの条件から、どれを選ぶべきかまで書きます。
先に結論だけ言うと、ヒースローからはエリザベス・ラインが最もバランスが良く、時間に余裕があってお金を節約したいならピカデリー線、30日以上前に予約できるならヒースロー・エクスプレスが最速かつ意外に割安です。
目次
1. ヒースロー空港(LHR / Zone 6)
日本からの直行便はここ
| 手段 | 所要時間 | 料金(片道・Zone 1 から) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ピカデリー線 | 約50〜60分 | £5.90 | 最安。タッチ決済可。荷物が多いとつらい |
| エリザベス・ライン | 約30〜40分 | £15.50 | 速く車両が広い。パディントン経由。タッチ決済可 |
| ヒースロー・エクスプレス | 約15分(パディントンまで) | 当日 £26/30日以上前の予約で £10〜 | 最速。上限額の対象外。早期購入なら割安 |
| 配車アプリ・タクシー | 45分〜1時間半(渋滞次第) | £60〜100前後 | 荷物が多い、複数人、深夜 |
どれを選ぶか
荷物が2個以上、または初日から疲れたくないなら、エリザベス・ラインです。ピカデリー線の3倍近い料金ですが、所要時間がほぼ半分で、車両が広く荷物を置く場所があり、座れる確率も高い。駅の造りも新しくエレベーターが整備されています。
荷物が少なく、時間に余裕があるならピカデリー線です。£5.90 で中心部まで行けます。ただし車両は通常の地下鉄なので、大きなスーツケースを持っていると通勤客の中で身動きが取れません。
ヒースロー・エクスプレスは「30日以上前に予約できるか」で評価が真逆になります。£10〜 で買えるなら、最速なのに最安クラスという圧倒的な選択肢です。一方、当日券の £26 は、エリザベス・ラインとの差(15分の短縮)に見合うとは言いがたい金額です。
エリザベス・ラインのパディントン乗り換え
エリザベス・ラインはヒースローからパディントン → ボンド・ストリート → トッテナム・コート・ロード → ファリンドン → リヴァプール・ストリートと中心部を東西に貫きます。宿がこのライン上か、その1〜2駅圏内にあるなら、乗り換えなしで着けます。
一方、宿が南(ヴィクトリア、ウェストミンスター周辺)なら、パディントンで乗り換えが必要になり、その手間を考えるとピカデリー線の直通のほうが楽なことがあります。
実務メモ
- ヒースローのターミナル2・3は駅が共通、ターミナル4とターミナル5はそれぞれ別の駅。出発前にどのターミナルか確認する
- ヒースロー〜Zone 1 を同じ日に往復すると、Zone 1–6 の1日上限(£16.30)が効くことがある。ただしヒースロー・エクスプレスは対象外
- エリザベス・ラインのヒースロー発着便は、ターミナル5行きとターミナル4行きが交互に出る。行き先表示を必ず確認する
注意
ヒースロー発着は時間帯を問わずピーク運賃
TfL の規定により、Zone 1 を発着または経由するヒースロー行き/発の地下鉄・エリザベス・ラインは、時間帯にかかわらずピーク運賃が適用されます。「日曜だから安いはず」は成り立ちません。
2. ガトウィック空港(LGW)
Thameslink が狙い目
ガトウィックはロンドンの南、Zone の外にあります。TfL のゾーン制の外なので、別料金の鉄道になります。
| 手段 | 所要時間 | 到着駅 | 備考 |
|---|---|---|---|
| Thameslink | 約30〜45分 | ロンドン・ブリッジ、ブラックフライアーズ、シティ・テムズリンク、ファリンドン、セント・パンクラス | 安く、直通先が多い |
| ガトウィック・エクスプレス | 約30分 | ヴィクトリア | 速いが割高 |
| Southern | 約35〜45分 | ヴィクトリア | Thameslink と同程度の価格 |
| National Express のバス | 1時間半前後 | ヴィクトリア・コーチ・ステーション | 最安だが遅い |
Thameslink をおすすめします。ガトウィック・エクスプレスより安く、しかもセント・パンクラスやロンドン・ブリッジまで乗り換えなしで行けます。宿の場所によっては、ヴィクトリア止まりのガトウィック・エクスプレスより結果的に速く着きます。
ガトウィック・エクスプレスの「約30分」という数字は魅力的に見えますが、ヴィクトリアから宿までの移動が加われば、この差は簡単に消えます。
実務メモ
- ガトウィックは North Terminal と South Terminal があり、鉄道駅は South Terminal にある。North からは無料のシャトル(約2分)で移動する
- 切符は事前にオンラインで買うと安いことが多い。当日窓口で買うと最も高い運賃になりがち
- ロンドン市内区間に入ればタッチ決済も使えるが、ガトウィック発着の全区間をタッチ決済で通すと想定より高くなることがある。事前購入の運賃と比べること
3. スタンステッド空港(STN)とルートン空港(LTN)
格安航空会社の拠点。市内から遠い
どちらも Ryanair・easyJet・Wizz Air といった格安航空会社の拠点で、ヨーロッパ内を回るときに使うことになります。市内からは遠く、空港までの移動時間と費用を航空券の安さと合わせて評価する必要があります。
スタンステッド空港(STN)
| 手段 | 所要時間 | 到着駅 |
|---|---|---|
| スタンステッド・エクスプレス | 約48分 | リヴァプール・ストリート |
| 同(途中下車) | 約36分 | トッテナム・ヘール(ヴィクトリア線に接続) |
| National Express のバス | 1時間半前後 | ヴィクトリア、ストラトフォードなど |
宿が北部・西部にあるなら、トッテナム・ヘールで降りてヴィクトリア線に乗り換えるほうが速いことがあります。
ルートン空港(LTN)
| 手段 | 所要時間 | 到着駅 |
|---|---|---|
| Luton DART + Thameslink | 合計 約50〜60分 | セント・パンクラス |
| National Express のバス | 1時間半前後 | ヴィクトリアなど |
Luton DART は空港ターミナルと Luton Airport Parkway 駅を結ぶ自動運転シャトルです。この DART の運賃が別途かかることを見落とすと、想定より高くつきます。
注意
格安航空券の「安さ」は空港アクセスで消えることがある
スタンステッドやルートンへの往復は、鉄道だけで £30〜40 かかることがあります。ヒースローやガトウィック発の便との価格差がそれ以下なら、市内から近い空港のほうが総額で安く、時間も節約できます。航空券の比較サイトの金額だけで決めないでください。
4. ロンドン・シティ空港(LCY)
市内から圧倒的に近い
ドックランズにある小さな空港で、ヨーロッパ内の短距離便が中心です。ビジネス利用が多く、市内からのアクセスは5空港中で圧倒的に良いのが特徴です。
- DLR で バンクまで約25分、カナリー・ワーフまで約10分
- TfL のゾーン制の中(Zone 3)なので、タッチ決済でそのまま乗れて1日上限にも含まれます
- 空港自体が小さく、保安検査から搭乗までが速い
ヨーロッパ内の移動でシティ空港発着の便があるなら、多少高くても選ぶ価値があります。空港までの移動時間と手続き時間を合わせると、実際の「ドア・ツー・ドア」ではヒースロー発より速いことがよくあります。
5. 深夜・早朝に着いてしまったら
ロンドンの地下鉄は、通常は深夜0時台に終電を迎えます。**金曜と土曜の夜だけ、一部路線でナイト・チューブ(終夜運転)**があります。
到着時刻ごとの選択肢
- 〜23時ごろ:通常どおり鉄道が使えます
- 23時〜翌5時ごろ:鉄道は動いていないと考えてください。選択肢は深夜バス(N が付く路線番号)か配車アプリです
- 金・土の夜:ピカデリー線とエリザベス・ラインの一部で終夜運転があります。ただし全区間ではないので、TfL の運行情報で確認してください
深夜バスは安いですが、大きな荷物を持って乗り換えを重ねるのは現実的ではありません。**荷物が多い、あるいは一人で不安がある場合は、無理をせず配車アプリを使ってください。**ヒースローから中心部まで £60〜100 程度です。
もう一つの選択肢は、空港周辺のホテルに1泊して翌朝移動することです。深夜のタクシー代とほぼ同じ金額でホテルが取れることがあり、体力の面でも合理的です。
実務メモ
- 深夜バスの路線番号は N で始まる(N9、N29 など)。日中とは経路が違うことがあるので Citymapper で確認する
- ヒースローには24時間運行の N9(トラファルガー広場方面)がある。荷物が少なければ選択肢になる
- 配車アプリは空港の指定ピックアップポイントまで歩く必要がある。到着ロビーの案内表示に従うこと
注意
到着ロビーで声をかけてくる「タクシー」には絶対に乗らないこと
空港の到着ロビーで客待ちをして声をかけてくる車は、認可を受けていない違法な白タクです。法外な料金を請求されるほか、保険も適用されません。正規のブラックキャブは所定の乗り場に並んでいます。配車アプリを使うか、その乗り場に行ってください。詳しくはタクシーと配車アプリで解説しています。
6. 空港での実務
到着してすぐやること
- 入国審査。日本国籍なら e-gate(自動化ゲート)が使えます。ただし渡航前に ETA の取得が必須です(ETA申請ガイド)
- SIM / eSIM。空港のフリー Wi-Fi は使えますが、外に出た瞬間に必要になります。日本を出る前に eSIM を用意しておくのが最も確実です
- 現金。ロンドンはほぼ完全にキャッシュレスです。空港の両替所はレートが悪いので、両替せずに出て構いません
帰りの注意
ヒースローは巨大で、ターミナル間の移動に20分以上かかることがあります。搭乗するターミナルを事前に確認し、余裕をもって出発してください。
また、ロンドンの鉄道は**週末に計画運休(engineering works)**が頻繁に行われます。空港へ向かう日が土日なら、前日に TfL の運行状況を必ず確認してください。「いつも使っている路線が、その日だけ全区間止まっている」ことが実際に起こります。
実務メモ
- 帰国便に乗る日は、通常の所要時間に最低30分の余裕を足す。渋滞・遅延・計画運休のどれか一つは起きると考えておく
- ヒースロー・エクスプレスとエリザベス・ラインはどちらもパディントン発。パディントン駅では乗り場が違うので表示を確認する
よくある質問
参考・公式情報
- Heathrow Airport – 公式アクセス情報
- Gatwick Airport – 公式アクセス情報
- TfL – Heathrow Airport への行き方
- TfL – Status updates(運行状況・計画運休)
料金・時刻・制度は変更されます。本記事は2026年8月時点の情報です。渡航前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。