日本からイギリスに送金する方法|手数料の本当の内訳

    Sending Money from Japan to the UK

    「手数料無料」を掲げる送金ほど高いことがあります。取られているのが手数料ではなく**為替レートの上乗せ**だからです。銀行送金・Wise・Revolut を同じ物差しで比べると、順位ははっきりします。加えて、週末に送ると損をするという落とし穴も。

    2026年8月時点の情報

    要点

    総コスト
    手数料 + 為替の上乗せ。後者のほうが大きいことが多い
    基準にする選択肢
    Wise(実勢レート、上乗せなし)
    Revolut
    平日は安い。週末は約1%の上乗せ
    銀行送金
    固定手数料+2〜3%の上乗せ。少額では選ぶ理由がない
    着金
    Wise は同日〜翌営業日、銀行送金は2〜5営業日

    日本からポンドを送るとき、多くの人が「手数料はいくらか」で比較します。ところが、その比較の仕方だと 最も高い選択肢を選んでしまうことがあります。

    送金の総コストは2つの要素でできています。

    1. 手数料(明示される。数百円〜数千円)
    2. 為替レートの上乗せ(明示されない。送金額の数%)

    そして多くの場合、2のほうが大きい。「手数料無料」と書いてある送金サービスが、実は最も高いという逆転が起きるのはこのためです。

    比較すべきは手数料ではなく、「日本円をいくら出したら、ポンドがいくら着金するか」 という一点です。この記事では、その物差しで比べます。

    1. 隠れているのは為替の上乗せ

    ここを見ないと比較にならない

    為替レートには「実勢レート(ミッドマーケットレート)」という基準があります。Google で「GBP JPY」と検索したときに出てくる、あの数字です。

    送金事業者の多くは、この実勢レートより 顧客に不利なレート を提示し、その差額を収益にしています。これが「上乗せ(マークアップ)」です。

    具体的にどう効くか

    仮に実勢レートが 1ポンド = 190円だとします。

    提示レート上乗せ100万円を送ると
    190円(実勢どおり)0%£5,263
    193.8円2%£5,160(−£103)
    195.7円3%£5,110(−£153)

    100万円を送るとき、上乗せ2%は約2万円分の差になります。これに対して、明示される手数料は数千円です。

    つまり 手数料が無料でも、上乗せが2%あれば高い。「手数料無料」という表示は、比較の役に立ちません。

    正しい比べ方

    各サービスの画面で、「送金額」を入力したときに表示される「受取額」 を見比べてください。手数料と上乗せの両方が反映された、唯一の正しい数字です。

    同じ日、同じ時刻に、同じ金額で比べること。レートは時々刻々と動くので、日をまたいだ比較は意味がありません。

    ヒント

    実勢レートを先に確認する習慣をつける

    送金前に Google で「GBP JPY」と検索し、実勢レートを確認してから各サービスの受取額を見てください。実勢レートで計算した金額と比べて、どれだけ削られているかが一目でわかります。

    2. 主な選択肢の比較

    同じ物差しで並べる

    サービス手数料為替レート着金
    Wise送金額に対しておよそ0.4〜0.6%実勢レート(ミッドマーケットレート)。上乗せなし。同日〜翌営業日
    Revolutプランごとの無料枠あり。超過分に手数料。平日は実勢レートに近いが、土日は1%前後の上乗せ。数分〜翌営業日
    銀行の国際送金(SWIFT)1件あたり数千円の固定手数料+中継銀行手数料実勢レートに2〜3%前後の上乗せ2〜5営業日

    それぞれの評価

    Wise

    レートに上乗せがないぶん総額が読めます。曜日による差もありません。日本↔英国では基準にしてよい選択肢です。

    Revolut

    平日に無料枠の範囲で送るなら安い。週末に送ると上乗せぶん確実に損をするので、送金は平日に寄せてください。

    銀行の国際送金(SWIFT)

    手数料より為替の上乗せのほうが高くつきます。少額では選ぶ理由がありません。大金を確実な記録付きで送る場合だけ検討対象になります。

    結論

    基準にすべきは Wise です。 レートに上乗せがなく、手数料が明示され、曜日による差もないため、総額が事前に読めます。日本↔英国の送金では、まずここの受取額を見て、他がそれを上回るかを確認する使い方が効率的です。

    Revolut は平日かつ無料枠の範囲なら競合します。 ただし週末は約1%の上乗せが入るため、金曜の夜から日曜にかけての送金は避けてください。急ぎでなければ月曜まで待つだけで済む話です。

    銀行の国際送金は、少額では選ぶ理由がありません。 固定手数料に加えて中継銀行(correspondent bank)の手数料が差し引かれることがあり、着金額が事前に確定しないという欠点もあります。

    実務メモ

    • 比較するのは手数料ではなく受取額。同じ日・同じ時刻・同じ金額で並べる。
    • Revolut で送るなら平日に。週末の上乗せは待つだけで回避できる。
    • 銀行送金は中継銀行の手数料が引かれることがあり、着金額が読めない。

    3. 実務上の注意

    金額が大きいときほど効く

    学費のようなまとまった額を送る場合

    数十万円から数百万円を一度に送るとき、上乗せの差は数万円規模になります。必ず複数のサービスで受取額を比較してください。

    また、高額送金には送金元・送金先の双方で確認が入ることがあります。

    • 日本側:金融機関から送金目的の確認、マイナンバーの提出を求められることがあります
    • 英国側:資金の出所(source of funds)を尋ねられることがあります

    留学の学費であれば、入学許可証や請求書を用意しておくとスムーズです。これは疑われているのではなく、マネーロンダリング対策の標準的な手続きです。

    為替のタイミング

    ポンド円は年間で10%以上動くことがあります。数百万円を送る場合、タイミングの差は手数料の差より大きくなり得ます。

    とはいえ為替の予測は誰にもできません。現実的な対処は、一度に全額を送らず、数回に分けることです。平均化されるため、最悪のタイミングで全額を送る事態を避けられます。

    受取口座の指定

    英国側の口座番号は、sort code(6桁)と account number(8桁) の組み合わせです。IBAN を求められることもあり、これはアプリ内で確認できます。

    入力を1桁間違えると、実在する他人の口座に着金することがあります。送金前に必ず読み合わせてください。 誤送金の回収は極めて困難です。

    現金を持ち込む選択肢

    英国に入国する際、£10,000相当以上の現金 を持ち込む場合は申告が必要です。申告を怠ると没収の対象になります。

    そもそも多額の現金の持ち込みは盗難のリスクが大きく、送金のほうが安全かつ安価です。初期費用として数十万円を現金で持ち込む程度であれば実務的ですが、それ以上は送金を勧めます。

    実務メモ

    • 高額送金では資金の出所を尋ねられることがある。学費なら請求書や入学許可証を用意しておく。
    • 大金は数回に分けて送る。為替のタイミングを平均化できる。
    • sort code と account number は送金前に必ず読み合わせる。誤送金は回収できない。
    • £10,000相当以上の現金持ち込みは申告義務がある。

    注意

    「有利なレートで両替します」という個人間の勧誘に応じない

    SNS や日本人コミュニティで、個人が「銀行より良いレートで両替する」と持ちかけてくる例があります。これはマネーロンダリングの資金移動に利用されている可能性があり、加担すると口座凍結や刑事責任のリスクを負います。相手が知人であっても応じないでください。

    よくある質問

    参考・公式情報

    料金・時刻・制度は変更されます。本記事は2026年8月時点の情報です。渡航前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。

    本記事は情報提供を目的としたもので、金融商品の推奨や投資助言ではありません。 手数料・為替の上乗せ・口座開設の条件は各社が予告なく変更します。実際に送金・ 申込みをする前に、必ず申込画面に表示される金額とレートをご確認ください。 特定の事業者との提携関係はなく、掲載順は渡英直後の使いやすさを基準にした 編集判断です。

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