ペンハリガンPenhaligon's
1870年、トルコ風呂の隣に開いた理髪店から始まった香水店。最初の香りは、その浴場の匂いを再現したものだった。

価格の目安
£30〜250
旗艦店
ペンハリガン コヴェント・ガーデン店
最寄り: Covent Garden 駅
ペンハリガンの特徴
ペンハリガンの面白さは、香りに物語が結びついていることです。単に良い匂いを売っているのではありません。
最初の香水 Hammam Bouquet は、隣にあったトルコ風呂の匂いを再現したものでした。花でも果実でもなく、建物の匂いが出発点です。19世紀にこの発想をしたことが、このブランドの性格を決めています。
日本では嗅げないものがある これが最大の理由です。日本での取扱は限られており、本国には廃番になっていない香りが揃っています。価格差より品揃えで選ぶブランドで、「現地でしか出会えない」が成立する数少ない例です。
店で時間をかけられる 内装が凝っていて、じっくり試させてくれます。買わなくても入る価値がある店で、観光の合間の立ち寄り先として機能します。
土産としての収まりがいい 瓶の首に巻かれたリボンはヴィクトリア朝の贈答の作法の名残で、そのままで贈り物の見た目になります。ディスカバリーセットなら £30〜50 と手頃で、荷物にもなりません。
ロゴではなく瓶そのものが記号
このブランドを見分けるのは、文字のロゴではありません。瓶の姿です。
平たいフラスコ型の透明なガラス、丸いガラス栓、そして首に結ばれたリボン。この3点セットが創業者ウィリアム・ペンハリガンの時代から150年以上変わっていません。棚に並んでいれば、名前を読まなくてもそれと分かります。
リボンには機能的な意味がありません。ヴィクトリア朝では贈り物にリボンを結ぶのが作法で、その慣習だけが商品の一部として残ったものです。外すべき包装が、外れないまま製品になっているという珍しい状態です。
例外が Portraits シリーズで、こちらは栓が動物の頭になっています。鹿、狐、兎など、香りごとに与えられた「登場人物」を象ったもので、リボンの瓶とは並べたときの印象がまるで違います。棚で目を引くのはたいていこちらです。
ペンハリガンの歴史
創業者ウィリアム・ペンハリガンはコーンウォール出身の理髪師で、1870年頃ロンドンのジャーミン・ストリートに店を構えました。
建物の匂いから作った香水
隣にあったのが、当時流行していたトルコ風呂でした。
彼が1872年に発表した最初の香水 Hammam Bouquet は、その浴場に満ちていた匂いを再現しようとしたものです。蒸気、濡れた木、オイル、そして人の気配。
香水が花や果実から作られるのが当然だった時代に、建物の匂いを出発点にしたわけです。今でこそ「図書館の匂い」「雨上がりのアスファルト」といった香りは珍しくありませんが、19世紀にこれをやるのはかなり奇妙な発想でした。
物語を売る
その後ヴィクトリア朝の宮廷に納めるようになり、香りごとに物語を与える作り方が定着します。
Blenheim Bouquet は1902年、マールバラ公のために作られたもの。Bluebell は英国の森に春だけ咲く花。それぞれに背景があり、名前がその背景を指している。香りそのものより、香りが指し示す情景を売るという商売です。
今も瓶の首にリボンを巻く仕様が残っています。これはヴィクトリア朝の贈答の作法の名残で、機能的な意味はありません。
ロンドンでの買い方
日本での取扱は限られており、本国では廃番になっていない香りが揃っています。現地でしか嗅げないものがあるという点で、価格差より品揃えが理由になるブランドです。
店で時間をかけられる
ロンドンではコヴェント・ガーデンやリージェント・ストリート、キングス・ロードなどに店があります。
店内で時間をかけて試させてくれるので、観光の合間に立ち寄る場所として成立します。内装が凝っていて、買わなくても入る価値がある店の一つです。
液体持ち込みの制限に注意
香水は機内持ち込みの液体制限にかかります。
- 100ml を超えるボトルは機内に持ち込めません
- 預け荷物に入れる必要があり、割れ物なので梱包が要ります
- 衣類で包んでスーツケースの中央に入れるのが基本
買う前に荷物の状態を確認しておいてください。帰国日の朝に買って、そのまま機内持ち込みにしようとして没収される、というのが最も多い失敗です。
まずディスカバリーセット
香水は数分で決められるものではありません。店頭でいくつも嗅ぐと、鼻が効かなくなって判断できなくなります。
小容量が数本入ったディスカバリーセットなら、£30〜50 程度で、荷物にもならず液体制限にもかかりにくい。帰ってから数日かけて試し、本命を決められます。
現地で1本に絞りきる必要はありません。

瓶の首に巻かれたリボンはヴィクトリア朝の贈答の作法の名残で、今も残っている。
ひとこと: 香水は液体持ち込み制限の対象です。100ml超は預け荷物へ。割れないよう衣類で包んでください。
公式アカウントより
Penhaligon's の公式アカウントの投稿です。
何を買えばいいか
長く定番として残っているものを中心に選びました。価格は変わります。目安として見てください。
ディスカバリーセット
Discovery Set小容量の詰め合わせ。荷物にならず、帰国後に落ち着いて本命を選べる。
£30〜50
ブレナム・ブーケ
Blenheim Bouquet1902年発表の定番。柑橘と松の、はっきりと英国的とされる香り。
£130〜
主な店舗・アウトレット
営業時間は載せていません。変わりやすく、古い情報を頼りに行くと閉まっていることがあるためです。 行く前に公式サイトで確認してください。
- 旗艦店
ペンハリガン コヴェント・ガーデン店
Covent Garden 駅
観光の動線上で立ち寄りやすい。内装が凝っており、買わなくても入る価値がある。
- 取扱店
ハロッズ
87-135 Brompton Road, Knightsbridge
Knightsbridge 駅
他の英国香水ブランドと並べて比較できる。