ポール・スミスPaul Smith

    ファッション
    1970年創業
    ノッティンガム

    英国の仕立ての型を守りながら、色でそれを裏切る。多色のストライプは、その態度がそのまま柄になったもの。

    ポール・スミス

    画像: David Howard / CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons

    価格の目安

    £80〜1,200

    旗艦店

    ポール・スミス アルベマール・ストリート店

    最寄り: Green Park 駅(徒歩約5分)

    ポール・スミスの特徴

    ポール・スミスの面白さは、保守的な服に、見えない場所だけ遊びを仕込むという一点に尽きます。

    外から見ると、輪郭は極めて正統です。肩の作り、身頃の絞り、ラペルの返り。サヴィル・ロウの仕立ての型をそのまま踏襲していて、黙っていれば真面目なスーツに見えます。

    ところが上着を脱ぐと裏地が花柄だったり、カフスを折ると内側だけ色が違ったりする。"Classic with a Twist" と呼ばれるこの姿勢が、ブランドの中身そのものです。

    日本人の体格に合いやすい 英国ブランドの中では比較的細身の作りで、サイズ展開も小さい方から揃っています。バブアーやバーバリーが「中に着込む前提」で大きめに出るのに対し、こちらは素で着る前提の寸法です。

    入口の価格が低い スーツやジャケットは £600 以上しますが、ソックス £15、財布 £90 から入れます。ストライプの入った小物は、それだけでブランドが伝わるので、土産としての費用対効果が高いブランドです。

    店そのものが目的地になる ノッティング・ヒルの店は建物全体がショッキングピンクに塗られていて、買い物と関係なく写真を撮りに来る人がいます。

    2つの記号——ストライプとシマウマ

    このブランドには見分けやすい記号が2つあります。

    **多色のストライプ(Signature Stripe)**は、細い色の帯を並べたもの。財布でもソックスでも、これが入っていればポール・スミスだと分かります。

    もう一つがシマウマです。2007年に、コミック調の絵としてTシャツにプリントされたのが始まりで、そこからブランド全体の記号に昇格しました。主に若い層に向けた PS Paul Smith のラインで使われています。

    なぜシマウマなのか。縞(ストライプ)を持つ動物だからです。ブランドの信条である "Classic with a Twist" を、動物1匹で言い直したような記号になっている。ストライプという看板を、生き物の姿を借りてもう一度出しているわけです。

    買うときの実用的な意味もあります。店頭でシマウマが付いていれば、それはたいてい PS Paul Smith ライン——本流よりカジュアルで価格も低い。予算を抑えたいならシマウマを目印にすると早く探せます。

    ポール・スミスの歴史

    ポール・スミス本人は、もともとプロの自転車競技選手を目指していました。服にはまったく興味がなく、15歳で学校を出て地元の衣料倉庫で働き始めたのも、自転車に乗る時間が欲しかったからだといいます。

    事故から始まった

    17歳のときの自転車事故で、半年近く入院します。競技選手の道はそこで絶たれました。退院後、療養中に知り合った友人たちに連れられて行ったパブに、美術学校の学生が集まっていた。そこで初めてバウハウスやウォーホルの話を聞き、服とデザインの世界に入っていきます。

    1970年、ノッティンガムに開いた最初の店はわずか3平方メートルほどの部屋でした。窓もなく、週2日しか開けていない。それでも他の店が置かないものを置いたことで客がつき、1976年にパリでコレクションを発表して国外に広がります。

    Classic with a Twist

    彼の服が英国的とされるのは、サヴィル・ロウに連なる仕立ての型を土台に置いているからです。肩の作り、身頃の絞り方、ラペルの返り。輪郭そのものは保守的といっていいほど正統です。

    そのうえで、裏地に予想外の色を入れる。ボタンだけを変える。スーツの内側だけが花柄になっている。"Classic with a Twist" と呼ばれるこの姿勢が、多色のストライプという分かりやすい記号に結晶しました。

    ストライプは当初、正式な柄として発表されたものではなく、あくまで遊びの位置づけでした。今ではブランドを指す記号として単独で通用します。バーバリーのチェックと同じで、周縁にあったものが中心になったという経緯をたどっています。

    ロンドンでの買い方

    日本での展開が大きいブランドですが、本国のほうが品揃えの幅が広く、価格も下がります。特にセール期の差は大きくなります。

    店ごとに置いているものが違う

    ロンドンには複数の店があり、それぞれ扱うラインが違います。片方で見つからなかったものが、もう片方にはある。

    • アルベマール・ストリート(メイフェア) — 中心となる大型店。フォーマル寄りのラインが揃う
    • ノッティング・ヒル/ウェストボーン・グローブ — 後述の「ピンクの建物」

    徒歩圏にアウトレットがある

    アヴェリー・ロウ23番地のセール・ショップは、前シーズン品を最大70%引きで出す独立したアウトレットです。Bond Street 駅から徒歩5分、メイフェアの旗艦店からも歩ける距離にあります。

    メンズが中心で、2階にスーツとタイ。店は小さく、在庫は行ったときの運次第です。ただし定価の店と同じ日に回れるので、寄る手間はほとんどかかりません。定価で買う前に一度覗く価値があります。

    買わなくても行く価値がある店

    ノッティング・ヒルの店は、建物全体がショッキングピンクに塗られています。通称ピンク・ハウス。街の目印になっていて、買い物というより写真を撮りに行く場所として扱われています。

    ポートベロー・マーケットからそう遠くないので、土曜の市に行くならそのまま足を伸ばせます。外観だけなら数分で済むので、旅程に組み込む負担が小さいのも利点です。

    何を買うか

    スーツやジャケットは価格も荷物も重くなります。小物から入るのが現実的で、財布・ソックス・シャツあたりが定番です。ストライプの入った小物は £100 前後から選べ、土産としても分かりやすく収まります。

    ロンドン市内の店舗。店ごとに扱うラインが違うので、探しものがあるなら複数回る価値がある。

    ロンドン市内の店舗。店ごとに扱うラインが違うので、探しものがあるなら複数回る価値がある。

    画像: Stephanie Watson / CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

    ひとこと: ノッティング・ヒルのピンクの建物は写真の名所です。ポートベロー・マーケットと同じ日に回すと効率よく済みます。

    公式アカウントより

    Paul Smith の公式アカウントの投稿です。

    何を買えばいいか

    長く定番として残っているものを中心に選びました。価格は変わります。目安として見てください。

    • ストライプの財布

      Signature Stripe Wallet

      ブランドの記号が最も分かりやすく出る小物。価格帯も土産に収まる。

      £90〜200

    • ソックス

      Striped Socks

      最も軽く、最も安い入口。数足まとめても荷物にならない。

      £15〜25

    • シャツ

      Tailored Shirt

      外は無地で、カフスの裏だけが柄。この作りが最も分かりやすい一枚。

      £150〜250

    主な店舗・アウトレット

    営業時間は載せていません。変わりやすく、古い情報を頼りに行くと閉まっていることがあるためです。 行く前に公式サイトで確認してください。

    • 旗艦店

      ポール・スミス アルベマール・ストリート店

      9 Albemarle Street, Mayfair, London W1S 4HH

      Green Park 駅(徒歩約5分)

      中心となる大型店。フォーマル寄りのラインが最も揃う。

    • 直営店

      ポール・スミス ノッティング・ヒル店

      Westbourne House, 122 Kensington Park Road

      Notting Hill Gate 駅

      建物全体がショッキングピンク。ポートベロー・マーケットから歩けるので、外観だけなら数分で寄れる。

    • アウトレット

      ポール・スミス セール・ショップ(アヴェリー・ロウ)

      23 Avery Row, Mayfair, London W1K 4AX

      Bond Street 駅(徒歩約5分)

      前シーズン品を最大70%引きで出す独立アウトレット。メンズ中心で2階にスーツとタイ。店は小さく在庫は運次第だが、旗艦店から徒歩圏なので併せて回れる。

    よくある質問

    Paul Smith 公式サイト →

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