フレッドペリーFred Perry

    ファッション
    1952年創業
    ロンドン(創業者はストックポート出身)

    ウィンブルドンを3連覇した選手が作ったポロシャツ。月桂樹の冠は、労働者階級の子が入れなかったクラブの記章だった。

    フレッドペリー

    画像: David Hillas / CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons

    価格の目安

    £30〜150

    旗艦店

    フレッドペリー ニューバーグ・ストリート店

    最寄り: Oxford Circus 駅 / Piccadilly Circus 駅

    フレッドペリーの特徴

    フレッドペリーの面白さは、創業者が服飾の人間ではないことです。テニス選手が自分の名前で始めた店が、なぜか英国のサブカルチャーの制服になりました。

    価格の入りやすさが段違い このリストの中で、最も安く「英国ブランドを着た」状態になれるブランドです。定番のポロシャツが £75 前後。バーバリーのコートの20分の1以下で、しかも記号としての分かりやすさは劣りません。

    月桂樹の冠は刺繍で入っている ライバルだったラコステがワッペンを貼り付けていたのに対し、こちらは生地に直接刺繍しています。洗っても剥がれず浮かない。創業当初からの仕様で、今も変わりません。

    着る人を選ばない歴史 モッズ、スキンヘッズ、パンク、2トーン、ブリットポップ。ドクターマーチンと同じく、着る側が次々に意味を上書きしてきた服です。特定の誰かのものになりきらなかったので、今から着ても文脈に閉じ込められません。

    日本より本国のほうが色が多い 定番の白・黒に加え、襟のライン(ティッピング)の配色が本国では大量に並びます。同じ £75 で選べる幅がまるで違います。

    月桂樹の冠——入れなかったクラブの記章

    胸の**月桂樹の冠(Laurel Wreath)**は、ウィンブルドンの古い記章をもとにしています。

    ここに含みがあります。フレッド・ペリーは労働者階級の出で、綿糸紡績工の息子でした。当時のテニスは上流階級の競技で、彼は3連覇してなお、クラブの側から完全には歓迎されなかったと伝えられます。その彼が、自分を締め出した世界の記章を取って、自分の商品に付けた

    もともとは違う案でした。ペリー本人はパイプ愛好家で、ロゴにパイプを使いたがっていたといいます。共同経営者が「女性客に受けない」と反対し、月桂樹に落ち着きました。パイプになっていたら、この服がモッズの制服になることはなかったかもしれません。

    なお1952年の発売以来、この冠がサブカルチャーの記号として使われ続けたことで、一部の政治的集団に持ち去られかけた時期もあります。ブランド側がその都度距離を取る声明を出してきた、という経緯も含めて記号の歴史があります。

    フレッドペリーの歴史

    フレッド・ペリーは1909年、ストックポートの綿糸紡績工の家に生まれました。労働者階級の出です。

    卓球からテニスへ

    最初に世界一になったのは卓球でした。1929年の世界選手権で優勝しています。そこからテニスに転向し、1934年から36年までウィンブルドンを3連覇。全仏・全豪・全米も制し、四大大会をすべて取った最初の男子選手になりました。

    彼の後にウィンブルドン男子単を制する英国人が現れるのは、2013年のアンディ・マリーまで77年間空きます。

    ただし当時のテニスは上流階級の競技で、彼の出自と物言いは歓迎されないこともありました。3連覇した選手が、クラブの空気の中では部外者だった。この距離感が、のちのブランドの性格に効いてきます。

    リストバンドから始まった

    引退後の1940年代、オーストリア人の元サッカー選手ティボー・ワグナーと組んで、まず**手首の汗止め(リストバンド)**を作りました。これが売れたことが出発点です。

    1952年、ウィンブルドンでM3ポロシャツを発表します。すでにラコステの製品がありましたが、フレッドペリーは月桂樹の冠を生地に直接刺繍した。貼り付けではないので剥がれない。この違いが品質の証明として効きました。

    客が勝手に変わっていった

    想定していたのはテニスの客です。ところが1950年代後半から、モッズが着始めます。以降、スキンヘッズ、パンク、2トーン、ブリットポップと、次々に別の集団の制服になっていきました。

    ドクターマーチンとまったく同じ経路をたどっています。安くて丈夫で、記号として分かりやすい。この3つが揃った服は、作り手の意図と関係なく持ち去られていくという実例です。

    フレッド・ペリー。1934年から36年までウィンブルドンを3連覇し、次の英国人優勝者が出るまで77年かかった。

    フレッド・ペリー。1934年から36年までウィンブルドンを3連覇し、次の英国人優勝者が出るまで77年かかった。

    画像: Unknown - Distributed by AFP and ACME Newspictures / Public domain, via Wikimedia Commons

    ロンドンでの買い方

    日本にも展開がありますが、色数と価格が違います。特に襟のライン(ティッピング)の配色は本国のほうが圧倒的に多く、同じ予算で選べる幅が変わります。

    どこで買うか

    ロンドン市内に直営店が複数あり、どれも観光の動線に乗せやすい場所です。

    • ニューバーグ・ストリート(カーナビー周辺) — カーナビー・ストリートの裏手。モッズの街だった一帯で、ブランドの出自と土地が合っている
    • コヴェント・ガーデン — 観光の動線上で最も寄りやすい
    • ソーホー(レキシントン・ストリート) — 落ち着いて見られる

    **ロンドン市内に独立したアウトレットはありません。**値引きを狙うならセール期(6月下旬〜7月、12月26日から)か、地方のアウトレットモール(アシュフォード、チェシャー・オークスなど)になりますが、そこまで行く価値があるほどの元値ではありません。定価で買って構わないブランドです。

    M3 と M12 の違い

    定番の型番は覚えておくと早いです。

    型番特徴
    M31952年発表の原型。細身
    M12襟と袖口にライン(ティッピング)が入る定番。最も見かける型

    M12 のティッピングの配色が、このブランドで最も選ぶ楽しみがある部分です。白地に黒/黄、紺地に白/赤といった組み合わせが棚に並びます。日本ではまず見ない配色が普通にあります。

    サイズは細め

    英国の他ブランドと違い、中に着込む前提の服ではありません。素で着る寸法で、細身に出ます。普段より1つ上を選ぶ人が多いので、必ず試着してください。

    ひとこと: 選ぶ楽しみは M12 の襟のライン(ティッピング)の配色にあります。日本では見ない組み合わせが本国の棚には普通に並びます。

    公式アカウントより

    Fred Perry の公式アカウントの投稿です。

    何を買えばいいか

    長く定番として残っているものを中心に選びました。価格は変わります。目安として見てください。

    • M12 ポロシャツ

      M12 ポロシャツ

      M12 Twin Tipped Polo

      襟と袖口にラインが入る定番。配色の選択肢が本国では圧倒的に多い。

      £75〜85

    • M3 ポロシャツ

      M3 Original

      1952年発表の原型。ラインの入らない無地で細身。

      £75〜85

    • ハリントンジャケット

      Harrington Jacket

      モッズの定番として定着した薄手のブルゾン。ポロシャツの上に羽織る前提。

      £150〜200

    主な店舗・アウトレット

    営業時間は載せていません。変わりやすく、古い情報を頼りに行くと閉まっていることがあるためです。 行く前に公式サイトで確認してください。

    • 旗艦店

      フレッドペリー ニューバーグ・ストリート店

      12 Newburgh Street, London W1F 7RP

      Oxford Circus 駅 / Piccadilly Circus 駅

      カーナビー・ストリートの裏手。モッズの街だった一帯にあり、ブランドの出自と土地が合っている。

    • 直営店

      フレッドペリー コヴェント・ガーデン店

      9 Henrietta Street, London WC2E 8PW

      Covent Garden 駅

      観光の動線上で最も寄りやすい。

    よくある質問

    Fred Perry 公式サイト →

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