ナターシャ・ジンコNatasha Zinko
オデーサ出身の元法学生がロンドンで始めたブランド。売れ残りの生地を作り直すことを、環境対策ではなく手法として選んでいる。

価格の目安
£150〜800
直営店
ナターシャ・ジンコ(メイフェア)
最寄り: Oxford Circus 駅 / Bond Street 駅
ナターシャ・ジンコの特徴
このリストの中で唯一の現代ブランドです。他が100年以上の歴史を持つ中で、2011年創業。買い物の性格がまったく違います。
「まだ有名ではないもの」を持ち帰れる バーバリーやマックイーンは日本でも知られています。ナターシャ・ジンコは日本での流通がほとんどありません。ロンドンで買って帰ることに、他のブランドとは別の意味があります。
一点物に近い デッドストック(売れ残った生地)や過去のコレクションを解体して作り直すため、同じものが大量に存在しません。棚にあるものが最後の1点ということが普通に起きます。
ウクライナという背景 創業者はオデーサ出身。ドーヴァー・ストリートの店はウクライナ国旗の青と黄色に塗られており、ウクライナの若い作り手を紹介する場としても使われてきました。買うという行為に文脈がある数少ないブランドです。
価格は中〜高価格帯 Tシャツで £150 前後、上着は £500 以上。老舗の定番品ほど「確実」ではないので、気に入ったものがあれば買うという向き合い方になります。
記号は決まっていない
このブランドには、月桂樹の冠やオーブのような固定されたロゴがありません。
理由ははっきりしていて、毎回違う素材から作っているからです。デッドストックを解体して組み直す手法では、同じ記号を同じ位置に付け続けることに意味がありません。
代わりに識別点になるのは、素材の出自がそのまま見えていることです。前のコレクションの生地が別の形で使われていたり、異なる生地が縫い合わされていたりする。「作り直された跡」が残っていること自体がこのブランドの署名になっています。
老舗ブランドが「変わらないこと」を記号にするのに対し、ここは**「毎回違うこと」を記号にしている**わけです。
ナターシャ・ジンコの歴史
ナターシャ・ジンコはウクライナのオデーサ出身です。
法律からファッションへ
最初に学んだのは法律でした。そこから進路を変え、ロンドンのセントラル・セント・マーチンズでファッションを学び直しています。アレキサンダー・マックイーンやジョナサン・アンダーソンと同じ学校です。
2011年に自身の名前でブランドを始め、2015年6月に英国ファッション協議会(British Fashion Council)の正式メンバーになりました。同年9月にロンドン・ファッション・ウィークでデビューしています。
解体して作り直す
このブランドの手法は、デッドストック(売れ残った生地)と過去の在庫を解体して作り直すことです。
環境負荷を下げる取り組みとして語られることが多いのですが、順序としては手法が先にあります。限られた素材から組み立てるという制約が、結果として毎回違うものを生む。同じ型を量産する前提に立っていません。
そのため同一の製品が大量に存在しないという性質を持ちます。棚にあるものが最後の1点ということが普通に起きます。
青と黄色の店
ドーヴァー・ストリートに開いた店(併設のカフェを含む)は、ウクライナ国旗の青と黄色に塗られました。ウクライナの若い作り手を紹介する場としても使われています。
メイフェアのスタジオを拠点に、ロンドンを活動の中心にし続けているデザイナーです。
ロンドンでの買い方
日本での流通がほとんどないブランドです。現地で買う意味が、価格差ではなく「そこにしかない」ことにあります。
店は流動的
老舗と違い、店舗の場所と形態が変わります。メイフェア周辺(メドックス・ストリート、ドーヴァー・ストリート)やソーホーに店やポップアップを出してきましたが、恒久的な旗艦店として固定されていません。
行く前に公式サイトかインスタグラムで現在地を確認してください。これはこのブランドに限った注意点です。
セレクトショップで見るほうが確実
店を探すより、セレクトショップの取り扱いを当たるほうが確実な場合があります。ドーヴァー・ストリート・マーケットやセルフリッジズなど、ロンドンの主要なセレクトショップで扱われることがあります。
買い方が他と違う
老舗ブランドは「定番のこれを買う」と決めてから行けます。このブランドは違います。
**同じものが再入荷しません。**デッドストックから作るため、気に入ったものを見送ると次はない。逆に「何を買うか決めてから行く」という計画は立てられません。
棚を見て決めるという前提で寄ってください。時間に余裕がある日の予定に入れるのが向いています。
価格帯
Tシャツやスウェットで £150 前後、上着やドレスは £500 以上。老舗の定番品のような「確実さ」はないので、気に入ったものがあれば買うという向き合い方になります。
ひとこと: 店の場所が変わるブランドです。行く前に必ず公式サイトかインスタグラムで現在地を確認してください。
何を買えばいいか
長く定番として残っているものを中心に選びました。価格は変わります。目安として見てください。
アップサイクルのアウター
Upcycled Outerwearデッドストックを解体して作り直したもの。同じものは基本的に再入荷しない。
£500〜800
スウェット・Tシャツ
Sweatshirt / T-shirt価格の入口。荷物にならず、日本ではまず見かけない。
£150〜300
主な店舗・アウトレット
営業時間は載せていません。変わりやすく、古い情報を頼りに行くと閉まっていることがあるためです。 行く前に公式サイトで確認してください。
- 直営店
ナターシャ・ジンコ(メイフェア)
Maddox Street 周辺、Mayfair
Oxford Circus 駅 / Bond Street 駅
店舗の場所と形態が変わるブランド。訪問前に公式サイトかインスタグラムで現在地を必ず確認すること。
- 取扱店
セレクトショップ(ドーヴァー・ストリート・マーケット等)
Piccadilly Circus 駅 周辺
直営店を探すより、主要なセレクトショップの取り扱いを当たるほうが確実な場合がある。