マークス&スペンサーMarks & Spencer
「値段を聞かないで、1ペニーだから」という掛け声から始まった露店。今は英国人の食卓そのものになっている。

価格の目安
£2〜30
旗艦店
M&S マーブル・アーチ店
最寄り: Marble Arch 駅
マークス&スペンサーの特徴
M&S は、このリストの中で唯一「観光地ではない」場所です。だからこそ価値があります。
高級ブランドの旗艦店は、結局のところ観光客のための空間でもあります。M&S は違います。英国人が普段の食事を買っている店で、旅行者が入っても誰も気に留めません。
土産の効率が最も高い ここのビスケット、紅茶、菓子は、£2〜5 の価格帯で英国らしさが揃います。フォートナム&メイソンが「特別な1人用」なら、M&S は職場に配る20人分を現実的な予算で用意できる場所です。
Food Hall が本体 衣料品店として知られていますが、旅行者にとって重要なのは**食品売り場(Food Hall)**のほうです。サンドイッチ、惣菜、菓子の質が高く、英国の食事情への評価が変わることがあります。
滞在中の食事が安く済む ロンドンの外食は高い。M&S の惣菜やサンドイッチを使えば、1食 £5〜8 に収まります。旅程に組み込むと予算が明確に変わります。
どこにでもある 駅、空港、街角。ロンドン中に店があり、探す必要がありません。
セント・マイケルという名前
かつて M&S の商品にはすべて St Michael(セント・マイケル) という名前が付いていました。1928年に商標登録され、長らく自社ブランドの総称として使われた名前です。
由来は創業者のマイケル・マークスとされます。亡くなった父の名を、商品の品質保証の印にしたわけです。
現在この表記は使われていませんが、古着屋や骨董市で古い M&S の衣料を見ると、タグに St Michael と入っています。年代を判別する手がかりになるので、ヴィンテージを探すなら覚えておく価値があります。
現在の記号は、緑地に白の M&S という文字だけです。図案も紋章もありません。日用品の店であることを、記号のほうも主張していないという作りです。
マークス&スペンサーの歴史
1884年、マイケル・マークスがリーズのカークゲート・マーケットで露店を開きました。
「値段を聞かないで、1ペニーだから」
彼は現在のベラルーシ領スロニム出身のポーランド系ユダヤ人移民で、英語がほとんど話せませんでした。
そこで採った方法が単純です。商品をすべて1ペニーに統一する。値段の交渉も説明も要りません。掲げた看板が "Don't ask the price, it's a penny"(値段を聞かないで、1ペニーだから) でした。
言葉の不自由さを、価格の単純化で解決したわけです。これが当たり、ペニー・バザーとして広がります。
1894年の共同経営
1894年9月28日、トーマス・スペンサーと組みます。彼はヨークシャー出身の出納係でした。
商才のあるマークスと、経理と仕入れを見るスペンサー。この組み合わせで事業が拡大し、1900年までに12の店舗と24の露店を持つまでになります。
セント・マイケル
1928年、自社商品の名称として St Michael を商標登録します。名付けたのはマイケル・マークスの息子サイモン・マークスで、亡父の名に由来するとされます。
以後この名前は、M&S の品質保証の印として長く使われました。今は使われていませんが、古い衣料のタグに残っています。
食品の会社になる
衣料品から始まった会社ですが、20世紀後半以降は食品が大きな柱になりました。
英国の食生活において、M&S の惣菜と調理済み食品が果たした役割は大きく、「英国の食事はまずい」という評価を変えた要因のひとつに数えられます。
ロンドンでの買い方
**旅行者にとっての本体は Food Hall(食品売り場)**です。衣料品ではありません。
土産をここで済ませる
配る用の土産は、ここで完結します。
| 品 | 価格 | 用途 |
|---|---|---|
| ビスケット | £2〜5 | 配る用の基準 |
| 紅茶 | £3〜6 | トワイニングと並ぶ選択肢 |
| 菓子(Percy Pig 等) | £1.5〜3 | 数を配るなら最安 |
| ショートブレッド | £3〜6 | 英国らしさが分かりやすい |
Percy Pig は M&S を代表する菓子で、英国では誰でも知っています。安く、軽く、数が作れる。職場に配るなら最も効率がいい選択肢です。
滞在中の食事に使う
ロンドンの外食は高く、簡単な昼food でも £15〜20 かかります。
M&S のサンドイッチ、サラダ、惣菜を使えば 1食 £5〜8 に収まります。夕方以降は値引きシールが貼られることもあります。
ホテルに戻って食べる日を数日作るだけで、旅費の感覚が変わります。
どこにでもある
マーブル・アーチ店(458 Oxford Street) が英国最大の店舗です。オックスフォード・ストリートの西端にあり、買い物の動線上にあります。
ただしわざわざ大型店に行く必要はありません。駅構内、空港、街角に店があり、食品だけなら小型店で足ります。Simply Food という食品専門の業態も各所にあります。
肉製品に注意
フォートナム&メイソンと同じです。
- 紅茶・菓子・ビスケット — 問題ありません
- 肉製品(ソーセージロール、ミートパイ、パテ) — 日本への持ち込みは厳しく制限されます
滞在中に食べる分には問題ありませんが、持ち帰り用に買わないでください。

オックスフォード・ストリートの店舗。ロンドン中に店があり、食品だけなら小型店で足りる。
ひとこと: 旅行者にとっての本体は食品売り場です。滞在中の食事をここで数回済ませるだけで、ロンドンの食費の感覚が変わります。
何を買えばいいか
長く定番として残っているものを中心に選びました。価格は変わります。目安として見てください。
パーシー・ピッグ
Percy PigM&S を代表する菓子。英国では誰でも知っている。安く軽く、数を配るのに最適。
£1.5〜3
ビスケット
Biscuits配る用の基準。缶入りより安く、種類が多い。
£2〜5
サンドイッチ・惣菜
Food Hall Meals土産ではなく滞在中の食事用。1食 £5〜8 に収まる。
£3〜8
主な店舗・アウトレット
営業時間は載せていません。変わりやすく、古い情報を頼りに行くと閉まっていることがあるためです。 行く前に公式サイトで確認してください。
- 旗艦店
M&S マーブル・アーチ店
458 Oxford Street, London W1C 1AP
Marble Arch 駅
英国最大の店舗。ただし食品だけが目的なら、わざわざここまで来る必要はない。
- 直営店
M&S Simply Food(駅構内・街角の小型店)
食品専門の業態。ロンドン中の駅や街角にあり、探す必要がない。土産も食事もここで足りる。