ハンターHunter

    アウトドア・カントリー
    1856年創業
    エディンバラ

    第一次大戦の塹壕用に100万足以上を納めたゴム長靴。フェスの泥の中で履かれるようになったのは、ずっと後のこと。

    ハンター

    画像: Jen / CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

    価格の目安

    £70〜180

    取扱店

    セルフリッジズ

    最寄り: Bond Street 駅

    ハンターの特徴

    ハンターは、このリストの中で最も用途がはっきりしているブランドです。雨と泥の中で足を濡らさない。それだけです。

    そしてイギリスは、その用途が日常的に発生する国です。現地で買って現地で使えるという点で、旅行中に最も出番があるかもしれません。

    塹壕で証明された性能 第一次大戦で陸軍省に100万足以上を納めています。塹壕足という深刻な症状への対策として採用されたもので、兵士の脚を守れるかどうかが基準でした。今の製品も出発点はここにあります。

    色の選択肢が本国では圧倒的に多い 日本で見かけるのは定番色が中心ですが、本国では季節ごとの色が並びます。同じ £140 でも選べる幅が違うというのが、現地で買う一番分かりやすい理由です。

    手入れがほぼ要らない バブアーやチャーチと違い、ゴムなので基本は洗って干すだけ。買ったあとに何もしなくていいという点で、手のかかる英国ブランドの中ではむしろ例外的です。

    記号は甲の赤い札 このブランドには紋章も動物もありません。あるのは、甲の中央に貼られた赤い長方形のラベルに白抜きで HUNTER と入っただけのものです。

    黒や緑の長靴に赤い札が1つ。色の対比だけで遠目に見分けがつくという、極めて単純な作りをしています。装飾を足していないという点では、むしろこのリストの中で最も潔い記号かもしれません。

    偽物が多く出回るブランドでもあるので、この札の書体と位置、そしてソールの刻印は買うときに一度見ておいてください。

    ただし持ち帰りはかさばります。ここだけは覚悟が要ります。

    ハンターの歴史

    起源は1856年、エディンバラで設立されたノース・ブリティッシュ・ラバー・カンパニーです。創業者はアメリカ人のヘンリー・リー・ノリスで、ゴム加工の技術を持ち込んで工場を建てました。

    塹壕足という問題

    転機は第一次大戦です。

    西部戦線の塹壕は常に水が溜まっていました。兵士は何日も冷たい泥の中に立ち続けることになり、**塹壕足(trench foot)**という症状が広がります。血行が止まり、組織が壊死し、切断に至ることもある。戦闘ではなくこれで戦力を失うという事態でした。

    陸軍省がゴム長靴を大量発注し、この工場は昼夜稼働します。納入は100万足を超えたとされます。第二次大戦でも同様の需要がありました。

    ウェリントンという名前

    「ウェリントン・ブーツ」という呼び名自体は、この会社より古い由来を持ちます。

    ワーテルローの戦いで知られるウェリントン公アーサー・ウェルズリーが、19世紀初頭に自分用に仕立てさせた革のブーツが元です。従来の膝上まであるヘシアンブーツを短くし、脚に沿わせた形にした。これが上流階級で流行し、彼の名で呼ばれるようになりました。

    その後ゴム製が普及しても、名前だけが残りました。今「ウェリントン」と言えばゴム長靴を指します。革の原型は消え、名前が別のものに引き継がれた形です。

    泥から泥へ

    農場と狩猟の道具だったものが都市で履かれるようになったのは2000年代以降です。舞台は音楽フェスの泥でした。

    グラストンベリーで有名人が履いた写真が広まり、機能ではなく見た目で選ばれるようになる。もとが塹壕の泥で、次が野外フェスの泥、というのは出来過ぎた話ですが、求められた機能はどちらも同じでした。

    起源となったノース・ブリティッシュ・ラバー・カンパニーの建物(エディンバラ)。ここで塹壕用の長靴が量産された。

    起源となったノース・ブリティッシュ・ラバー・カンパニーの建物(エディンバラ)。ここで塹壕用の長靴が量産された。

    画像: Peter McDermott / CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons

    ロンドンでの買い方

    日本でも手に入りますが、色とモデルの選択肢は本国のほうが広く、価格も下がります。

    どこで買うか

    ロンドンでは百貨店(セルフリッジズ、ジョン・ルイス、ハロッズなど)での扱いが中心です。定番の Original Tall / Short はほぼどこでも見つかります。

    靴下の厚みで決まる

    サイズ選びに注意が要ります。

    **ゴムなので伸びません。**そして厚手の靴下を履く前提で作られています。素足に近い状態で試すと、実際に使うときにきつくなり、逆に厚い靴下を想定しすぎると歩くたびに脱げます。

    **試着には必ず、実際に履くつもりの靴下を持っていってください。**これだけで失敗がほぼなくなります。

    持ち帰りの問題

    長靴はスーツケースの中でかさばります。Tall(膝下丈)は特に厄介で、スーツケースの一辺をほぼ占有します。

    対処としては、

    • 中に靴下や下着を詰めて空間を無駄にしない
    • 履いて帰国する(機内では脱げばいい)
    • Short 丈を選ぶ

    購入前に荷物の余裕を確認しておいてください。帰りの荷物が読めないうちに買うと、空港で詰め直すことになります。

    ひとこと: 試着には実際に履くつもりの靴下を持っていくこと。ゴムは伸びないので、靴下の厚みがそのままサイズを決めます。

    何を買えばいいか

    長く定番として残っているものを中心に選びました。価格は変わります。目安として見てください。

    • オリジナル トール

      オリジナル トール

      Original Tall

      最も知られている膝下丈。色数が多いが、スーツケースではかさばる。

      £140〜

    • オリジナル ショート

      Original Short

      丈が短い分、持ち帰りが現実的。日常で履くならこちら。

      £120〜

    主な店舗・アウトレット

    営業時間は載せていません。変わりやすく、古い情報を頼りに行くと閉まっていることがあるためです。 行く前に公式サイトで確認してください。

    • 取扱店

      セルフリッジズ

      400 Oxford Street

      Bond Street 駅

      色の選択肢が最も多い。定番の Original Tall / Short はほぼ確実に置いている。

    • 取扱店

      ジョン・ルイス

      300 Oxford Street

      Oxford Circus 駅

      セルフリッジズより落ち着いて選べる。価格は変わらない。

    よくある質問

    Hunter 公式サイト →

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