ダンヒルDunhill
馬具屋の息子が自動車の登場を見て商売を変えた。「エンジン以外のすべて」を売る店から始まっている。

価格の目安
£150〜1,000
旗艦店
ダンヒル ブードン・ハウス
最寄り: Bond Street 駅 / Green Park 駅
ダンヒルの特徴
ダンヒルの面白さは、創業者が時代の変わり目を正確に読んだことから始まっている点です。
家業は馬具屋でした。21歳で継いだアルフレッド・ダンヒルは、自動車が馬車を滅ぼすと判断し、商売の中身を丸ごと入れ替えます。この判断が当たった。
"Everything But The Motor" 当時の商品目録の売り文句です。「エンジン以外のすべて」——クラクション、ランプ、革のコート、ゴーグル、ピクニックセット、時計。自動車という新しい乗り物に必要なものを、車体以外すべて揃えるという発想でした。
ブードン・ハウスが目的地になる メイフェアの店は、1723年建造のジョージ王朝様式の邸宅です。かつてウェストミンスター公爵の住居だった建物で、グレードII*指定。理髪店、地下のウォークイン・ヒュミドール、レストラン、試写室が入っています。買い物というより建物を見に行く場所です。
革小物の質が価格に見合う 革製品と喫煙具が中心で、財布やカードケースは £200 前後から。老舗の割に入口が広く、贈り物として渡したときの説得力があります。
ロゴに図案はない
ダンヒルの記号は、文字だけです。動物も紋章もありません。
これは扱っている商品と関係があります。万年筆、ライター、カフス、革小物——どれも小さく、表面に余白がない。図案を置く場所がそもそもありません。代わりに製品の形そのものが記号になってきました。
代表が ユニークライター(Unique) です。1923年発表の、片手で着火できるオイルライターで、当時としては新しい機構でした。ダンヒルを知っている人は、ロゴではなくこの形で判別します。
装飾の記号を持たないという点で、チャーチと同じ流儀の会社です。
ダンヒルの歴史
1893年、アルフレッド・ダンヒルが21歳で父の馬具屋を継ぎました。
馬車から自動車へ
彼が見ていたのは、自動車という新しい乗り物でした。馬車の付属品を作る商売は、遠からず消える。そう判断して、店を Dunhill's Motorities に改めます。
扱ったのは、クラクション、ランプ、革の外套、ゴーグル、ピクニックセット、時計。当時の自動車には屋根も暖房もなく、乗る人間のほうを装備する必要がありました。
商品目録の売り文句が "Everything But The Motor"(エンジン以外のすべて) です。車そのものは売らないが、それ以外は全部ある。
喫煙具へ
1907年にセント・ジェームズに店を開き、以後パイプと喫煙具が主力になっていきます。
1923年発表の**ユニークライター(Unique)**は、片手で着火できる機構を備えたオイルライターでした。運転しながら、あるいは片手がふさがった状態で火を点けられる。自動車の会社だった記憶が製品に残っている例です。
ブードン・ハウス
現在ロンドンの中心となる店は、メイフェアのブードン・ハウスです。
1723年建造のジョージ王朝様式の邸宅で、かつてウェストミンスター公爵の住居でした。グレードII*指定の歴史的建造物です。
内部には理髪店、地下のウォークイン・ヒュミドール(葉巻の保管室)、レストラン、試写室が入っています。商品を並べた店というより、建物ごと体験させる構成になっています。
ロンドンでの買い方
買い物と建物見学が同時に済むタイプの店です。フォートナム&メイソンに近い性格を持っています。
ブードン・ハウスへ行く
メイフェアのブードン・ハウスが中心です。1723年建造の邸宅がそのまま店になっており、中庭でコーヒーを飲めます。
地下にはウォークイン・ヒュミドールがあり、葉巻を扱っています。理髪店も入っているので、時間があるなら髭剃りを受けることもできます(予約が確実です)。
買うものが決まっていなくても、建物を見に入る価値があります。
何を買うか
主力は革小物、筆記具、ライター、カフスです。
| 品 | 価格の目安 |
|---|---|
| カードケース・財布 | £200〜500 |
| カフス | £200〜400 |
| ライター | £300〜 |
贈り物としての説得力が高いブランドです。名前が知られている割に、日本で日常的に見かけるものではありません。
喫煙具と持ち帰り
葉巻やパイプ煙草を買う場合、日本への持ち込みには本数・重量の制限と課税があります。免税範囲を超える分は申告が必要です。
購入前に最新の規定を確認してください。「お土産だから」で通る量には上限があります。
アウトレット
ビスター・ヴィレッジに入っています。ただし品揃えは限られるので、このブランドのためだけに行く場所ではありません。
ひとこと: ブードン・ハウスは買い物をしなくても入れます。中庭でコーヒーが飲めるので、メイフェアを歩く日の休憩先として使えます。
何を買えばいいか
長く定番として残っているものを中心に選びました。価格は変わります。目安として見てください。
革のカードケース・財布
Leather Small Goods最も入りやすい価格帯。贈り物として渡したときの説得力がある。
£200〜500
カフス
Cufflinks小さく荷物にならない。日本で日常的に見かけるものではない。
£200〜400
ライター
Lighter1923年の Unique が原型。片手で着火する機構は自動車の時代の名残。
£300〜
主な店舗・アウトレット
営業時間は載せていません。変わりやすく、古い情報を頼りに行くと閉まっていることがあるためです。 行く前に公式サイトで確認してください。
- 旗艦店
ダンヒル ブードン・ハウス
2 Davies Street, Mayfair, London W1K 3DJ
Bond Street 駅 / Green Park 駅
1723年建造のジョージ王朝様式の邸宅。旧ウェストミンスター公爵邸でグレードII*指定。理髪店、地下のヒュミドール、レストラン、試写室が入る。中庭でコーヒーが飲める。
- アウトレット
ビスター・ヴィレッジ
50 Pingle Drive, Bicester OX26 6WD
Bicester Village 駅(マリルボン駅から約1時間)
品揃えは限られる。このブランドのためだけに行く場所ではない。