チャーチChurch's

    靴・レザー
    1873年創業
    ノーサンプトン

    ノーサンプトンの靴。1足に8週間、250近い工程をかける。減るのはソールだけ、という前提で作られている。

    チャーチ

    画像: Oast House Archive / CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons

    価格の目安

    £400〜700

    旗艦店

    チャーチ ジャーミン・ストリート店

    最寄り: Piccadilly Circus 駅 / Green Park 駅

    チャーチの特徴

    チャーチの価値は、買い替えないことを前提に作られているという一点にあります。

    £550 は高い。ただしこの靴は、ソールが減ったら本体を傷めずに交換できる構造で作られています。グッドイヤー・ウェルト製法といい、10年、20年と履き続ける人が珍しくありません。1年あたりに割れば、量販靴を毎年買い替えるより安く収まる計算です。

    幅(ウィズ)を選べる これが日本で買うのとの最大の違いです。同じ長さでも F・G といった足囲の指定があり、日本ではほぼ選べません。「サイズは合っているのに痛い」の原因はたいてい幅で、これを店頭で出してもらえること自体が現地で買う理由になります。

    履くほど沈んで足の形になる アッパーと中底の間にコルクが入っており、体重をかけるうちに沈んで足裏の形に凹みます。履き主の足の記録が残る靴です。

    価格差が最も大きいカテゴリのひとつ 日本の正規価格との開きが大きく、セール期に当たれば往復の航空券の一部が埋まることもあります。1足で数万円の差が出るので、買う予定があるなら旅程を合わせる価値があります。

    記号は靴底にある

    チャーチには、槍を構えた騎士やシマウマのような物語を持つ図案がありません。ここは他のブランドと対照的です。

    その代わり、識別はすべて靴底で行われます。ソールに刻まれた Church's England の刻印と、内側に押された木型(ラスト)名とサイズ・ウィズの表記。買うときに見るべきなのはロゴマークではなく、この刻印のほうです。

    これは偶然ではありません。この靴の価値は外から見える記号ではなく構造にあり、その構造が現れる場所が靴底だからです。ソールの縫い目が見えていること自体が、グッドイヤー・ウェルトで作られている証明になっている。

    ブランド名を大きく出さないのがこのカテゴリの流儀で、履いている本人以外には分からないことが多い。分かる人にだけ分かるという記号の出し方をしています。

    チャーチの歴史

    1873年、トーマス・チャーチと3人の息子がノーサンプトンで創業しました。

    この街が靴の産地になったのは偶然ではありません。周辺に皮なめしに使う樫の森があり、家畜がいて、があった。原料と工程が全部そろっていたためです。17世紀の内戦期にはすでに軍靴の産地として知られていました。

    左右を分けて作る

    チャーチが初期に打ち出したのは、左右の別と、幅(ウィズ)を分けて作ることでした。

    今では当たり前ですが、当時の既製靴は左右同型が普通でした。履くうちに足の形になじむ、という考え方です。チャーチはこれを否定し、最初から左右別の木型を使い、さらに同じ長さでも幅の違うものを何種類も作った。

    これは製造側からすれば在庫が何倍にも膨れる決断です。それでもやったのは、靴は足に合わなければ意味がないという前提を優先したからでした。

    グッドイヤー・ウェルト

    製法はグッドイヤー・ウェルトです。

    アッパー(甲革)とソールを直接縫い合わせるのではなく、ウェルトという細い革の帯を間に挟みます。アッパー+中底+ウェルトを縫い、そのウェルトに本底を縫い付ける。二段構えです。

    工程は確実に増えます。1足あたり250近い工程、8週間近くかかるのはこのためです。得られるのは次の2つです。

    1. ソールが減ったら、本体を傷めずに交換できる。 縫い直すのはウェルトと本底の間だけで済む
    2. アッパーと中底の間に空間ができ、履くうちにコルクが沈んで足の形に沈む

    つまりこの靴は、修理して履き続けることを前提に設計されています。高いのは素材ではなく、この構造の手間の分です。10年単位で履く人が多いのは、そういう作りだからです。

    ロンドンでの買い方

    日本の正規価格との差が大きく、往復の航空券の一部が埋まることもあります。狙うならセール期です。

    ジャーミン・ストリートで見る

    ロンドンではジャーミン・ストリート周辺が中心です。この通りはシャツと靴の老舗が集まっていて、チャーチ以外の英国靴も並べて見られます。1本の通りで比較が済むので効率がいい。

    リージェント・ストリートにも店があり、セルフリッジズなどの百貨店にも入っています。

    ウィズ(幅)を必ず確認する

    サイズは UK 表記に加えて、F / G といったウィズ(足囲)の指定があります。

    日本ではこの幅を選べないことが多く、サイズが合っているのに痛いという状態が起きます。店頭で幅違いを出してもらえることが、現地で買う最大の利点です。

    • F — 標準
    • G — やや広い

    日本人の足は幅広の傾向があるとされ、G が合う人は少なくありません。店員に「幅も見たい」と伝えれば、両方持ってきてくれます。

    木型で履き心地が変わる

    同じサイズでも、木型(ラスト)が違えば別の靴です。定番の Consul(ストレートチップ)と Shannon では、つま先の形も甲の高さも変わります。

    最初の1足なら Consul が挙げられることが多い型です。ただしこれも足次第なので、2〜3型を履き比べてから決めてください。8週間かけて作られた靴を、5分で決める必要はありません。

    ひとこと: サイズだけでなく必ずウィズ(F・G など)を確認してください。ここが合っていないと、正しい長さでも痛くなります。

    公式アカウントより

    Church's の公式アカウントの投稿です。

    何を買えばいいか

    長く定番として残っているものを中心に選びました。価格は変わります。目安として見てください。

    • コンサル

      Consul

      ストレートチップの定番。最初の1足として挙げられることが最も多い型。

      £550〜

    • シャノン

      Shannon

      同じサイズでも木型が違うので履き心地が変わる。Consul と履き比べる価値がある。

      £550〜

    主な店舗・アウトレット

    営業時間は載せていません。変わりやすく、古い情報を頼りに行くと閉まっていることがあるためです。 行く前に公式サイトで確認してください。

    • 旗艦店

      チャーチ ジャーミン・ストリート店

      Jermyn Street, St James's, London SW1Y

      Piccadilly Circus 駅 / Green Park 駅

      この通りはシャツと靴の老舗が集まっている。1本の通りで他の英国靴と比較できるので効率がいい。

    • 取扱店

      セルフリッジズ

      400 Oxford Street

      Bond Street 駅

      他ブランドの英国靴と並べて見たいとき。

    よくある質問

    Church's 公式サイト →

    ほかのイギリスブランド