アスプレイAsprey
1781年創業、ボンド・ストリートの同じ場所で200年近く。ヴィクトリア女王以降、歴代すべての君主から王室御用達を受けている。
価格の目安
£100〜5,000
旗艦店
アスプレイ ニュー・ボンド・ストリート店
最寄り: Bond Street 駅 / Green Park 駅
アスプレイの特徴
アスプレイの位置づけは、このリストの中で最も敷居が高いところにあります。それを承知で入る価値のある店です。
歴代すべての君主から御用達を受けている 1860年代にヴィクトリア女王から最初のロイヤル・ワラントを受け、以後英国の歴代君主すべてから受け続けています。フォートナム&メイソンも御用達ですが、この継続性は別格です。
旅行鞄の会社だった 最初の御用達は、宝飾ではなくドレッシングケース、旅行鞄、書き物入れに対して与えられました。19世紀に世界へ出ていった英国人のための、持ち運ぶ道具を作る会社だったわけです。フォートナム&メイソンのハンパーと同じ需要を、革と銀の側から取っていました。
建物そのものが見どころ ニュー・ボンド・ストリート167番地。1847年から同じ場所にあります。1930年に隣の169番地を買い足して現在の空間になりました。
買わなくても入れる 価格帯は高く、宝飾は数千ポンドからです。ただし小さな銀製品や革小物なら £200 前後からあり、店内を見ること自体は自由です。入って見るだけという使い方で構いません。
紫という記号
アスプレイの記号は、図案ではなく紫です。
包装、箱、店内の意匠に一貫して紫が使われています。紫はもともと最も高価な染料の色で、古代のティリアン・パープルは貝から極微量しか取れなかったため、王侯貴族以外は身につけられませんでした。紫=王権という結びつきはここから来ています。
歴代すべての君主から御用達を受け続けてきた店が、その色を選んでいるというのは筋が通っています。フォートナム&メイソンのオー・ド・ニルが「ナイルの水」という異国趣味だったのに対し、こちらは王権そのものを指しています。
同じ「色が記号」でも、指している方向が正反対です。
アスプレイの歴史
起源は1781年、ミッチャム(サリー州)の絹の捺染工房です。宝飾店として始まったわけではありません。
ボンド・ストリートへ
1847年、ニュー・ボンド・ストリート167番地に移ります。以後、この場所を離れていません。1930年に隣の169番地を買い足し、現在の店舗空間ができました。
200年近く同じ通りの同じ番地で営業しているという点で、フォートナム&メイソン(ピカデリー181番地)やトワイニング(ストランド216番地)と並びます。ロンドンの老舗にはこの型が繰り返し現れます。
旅行の道具から
1860年代後半、ヴィクトリア女王から最初のロイヤル・ワラントを受けます。
対象は宝飾ではなく、ドレッシングケース、旅行鞄、書き物入れでした。当時の英国人は世界中に出ていき、長い船旅と滞在に耐える道具を必要としていた。身の回りのものを持ち運ぶための、精巧な入れ物を作る会社だったわけです。
この御用達は息子のエドワード7世に引き継がれ、以後歴代すべての英国君主から受け続けています。
銀と宝飾へ
20世紀を通じて、銀製品、宝飾、時計、革製品を扱う総合的な luxury goods の店になりました。
旅行鞄から始まって王室の宝飾に至る道筋は、ダンヒルが馬具から自動車用品へ移ったのと似た構図です。どちらも「客が移動する時代」に、移動のための道具を売ることで足場を作りました。

ニュー・ボンド・ストリート167-169番地。1847年から同じ場所にあり、1930年に隣を買い足して現在の空間になった。
ロンドンでの買い方
買うより先に、入ってみる価値のある店です。価格帯は高いですが、見学を拒む店ではありません。
ニュー・ボンド・ストリートへ
167-169 New Bond Street。1847年から同じ場所です。
メイフェアの高級店が集まる一帯で、アレキサンダー・マックイーン(オールド・ボンド・ストリート)やダンヒル(ブードン・ハウス)から歩けます。この3軒をまとめて回ると、英国の老舗の作りがよく分かります。
価格帯の現実
宝飾と時計は数千ポンドからで、旅行の土産の範囲を超えます。
現実的なのは、
| 品 | 目安 |
|---|---|
| 小さな銀製品(キーリング、しおり等) | £200〜500 |
| 革小物 | £250〜600 |
| 文具 | £100〜 |
それでも安くはありません。「記念に1つ」という買い方をする店です。
見るだけでも構わない
高級店に入り慣れていないと気後れしますが、見るだけで追い返される店ではありません。
店員に "Just looking, thank you" と伝えれば問題ありません。建物と内装を見る目的で入って構いません。
紫の包装
買った場合、紫の箱と包装で渡されます。これ自体が記号として機能するので、贈り物として渡すときに説明が要りません。
ひとこと: 見学だけでも入れます。マックイーン(オールド・ボンド・ストリート)とダンヒル(ブードン・ハウス)が徒歩圏なので、3軒まとめて回ると英国の老舗の作りがよく分かります。
公式アカウントより
Asprey の公式アカウントの投稿です。
何を買えばいいか
長く定番として残っているものを中心に選びました。価格は変わります。目安として見てください。
銀の小物
Silver Accessoriesキーリングやしおりなど。この店で最も現実的な価格帯。
£200〜500
革小物
Leather Goods旅行鞄から始まった会社の本来の商品筋にあたる。
£250〜600
主な店舗・アウトレット
営業時間は載せていません。変わりやすく、古い情報を頼りに行くと閉まっていることがあるためです。 行く前に公式サイトで確認してください。
- 旗艦店
アスプレイ ニュー・ボンド・ストリート店
167-169 New Bond Street, Mayfair, London W1S 4AY
Bond Street 駅 / Green Park 駅
1847年から同じ場所。1930年に隣の169番地を買い足して現在の空間になった。マックイーンやダンヒルから歩ける距離で、まとめて回れる。