セルフリッジズSelfridges
「ただ見て回る」買い物は、この店から始まった
- 料金
- 無料(入店)
- 所要時間
- 1〜2時間
- 最寄駅
- Bond Street 徒歩3分
- 開館時間
- 月〜土 10:00〜21:00 / 日 11:30〜18:00
料金・開館時間は変更されることがあります。訪問前に 公式サイト で最新情報をご確認ください。
オックスフォード・ストリートの西寄りに建つ百貨店。1909年、シカゴから来たアメリカ人ハリー・ゴードン・セルフリッジが開いた。商品をガラスケースに仕舞わず手に取らせ、香水売り場を入口の正面に置き、屋上に庭園を作って客を長居させる——いま世界中の百貨店がやっていることの多くが、この店から始まっている。正面の「時の女王」の時計と、季節ごとに作り替えられるショーウィンドウで知られる。入店は無料。
このページの内容
着いてからの歩き方
セルフリッジズに着いたら、この順に見ていくと迷いません。
- 到着
正面より、裏の入口のほうが空いている
オックスフォード・ストリート側の正面入口は一日中詰まっています。建物の裏、デューク・ストリート側にも入口があり、こちらは人が少ない。ボンド・ストリート駅から歩くなら、裏側のほうが近道でもあります。入店は無料です。
- 見どころ
入ってすぐの香水売り場が、この店の発明
1階に入るとまず香水の売り場に出ます。いまはどの百貨店でもそうですが、この配置を最初にやったのがこの店です。1909年の開店当時、香水は奥に置くのが常識でした。入口の正面に持ってきたのは、通りかかった人を引き込むためです。
- 見落としやすい
正面の時計は「時の女王」
入口の上に張り出した時計は1931年、ギルバート・ベイズの作です。女王が船の舳先に立ち、商業の航海を導くという寓意になっています。フォートナム・アンド・メイソンの時計と違って人形は出てこないので、正時を待つ必要はありません。
- コツ
ショーウィンドウは日が落ちてから
通り沿いのショーウィンドウは季節ごとに作り替えられ、専門の部署が担当しています。中に照明が入っているので、昼より日没後のほうがはっきり見えます。買い物をしないなら、夕方に外側を一周するだけでも見応えがあります。
- コツ
食料品売り場は地下ではなく1階
ハロッズと配置が違います。土産を買うつもりなら1階で用が済みます。屋上にはレストランとテラスがあり、これも創業者が客を帰らせないために作った仕掛けの名残です。
- コツ
百貨店を1日に3軒回らない
ハロッズはナイツブリッジ、リバティはリージェント・ストリートの裏、この店はオックスフォード・ストリートの西寄りです。地図では近く見えますが、それぞれ中を歩けば1時間はかかります。1日2軒までにしておくほうが、結局よく見られます。
シカゴの店員が、ロンドンの買い物を作り変えた
ハリー・ゴードン・セルフリッジはウィスコンシン生まれの米国人で、シカゴの百貨店マーシャル・フィールドで四半世紀を過ごした男である。1900年代にロンドンを訪れ、この街の店の売り方に驚いた。商品は鍵のかかるケースに収められ、店員に頼まないと見ることもできない。冷やかしは歓迎されない。買う気のある客だけを相手にする商売だった。
彼は逆をやった。私財を投じて、当時は場末とされていたオックスフォード・ストリートの西の端に土地を買い、1909年3月15日に店を開いた。商品は台の上に出して自由に触らせる。それまで奥に置かれていた香水売り場を、慣例を破って入口の正面に持ってきた。屋上に庭園とカフェを作り、用が済んだ客を帰らせない。要するに「ただ見て回る」ことを咎めない店にした。
宣伝も派手だった。開店の年、ドーバー海峡を初めて飛行機で越えたルイ・ブレリオの機体を店内に運び込んで展示し、4日間で15万人を集めている。1925年にはジョン・ロジー・ベアードがこの店でテレビの公開実演を行った。一般の客が世界で初めてテレビを見た場所である。
皮肉なことに、本人は蓄財に失敗した。晩年は賭博と浪費で財産を失い、経営から追われ、1947年にほぼ無一文で死んでいる。
買い物客の足元で、戦争の電話がつながっていた
建物は1909年の第一期から段階的に建て継がれ、現在の姿になったのは1920年代の終わりである。関わったのはシカゴの建築家ダニエル・バーナムで、オックスフォード・ストリートに面した巨大なイオニア式の柱列は、当時のロンドンの商業建築としては異例だった。いまも指定建造物として保護されている。
正面の入口の上に据えられた時計は「時の女王」と呼ばれる。1931年、ギルバート・ベイズの作で、女王が船の舳先に立ち、商業の航海を導いている、という寓意になっている。
第二次大戦中、この建物の地下には別の顔があった。SIGSALY——世界で初めて実用化された暗号化音声通信の装置が据えられ、チャーチルとルーズベルトの会話はここを経由していた。装置は数十トンあり、専用の部屋を占めていたとされる。買い物客が頭上を歩いているあいだ、その下では大西洋をまたぐ戦争指導の回線が通っていたことになる。
所有者はその後何度も替わった。長く英国資本にあった店は2003年にカナダのウェストン家の手に渡り、2022年にタイのセントラル・グループを中心とする陣営へ売却されている。
豆知識
- 入店は無料。買わずに建物とショーウィンドウだけ見て出る人が多い
- ショーウィンドウは季節ごとに作り替えられ、専門の部署が担当している。中の照明が効くので日没後のほうが見やすい
- 食料品売り場は地下ではなく1階にある。ハロッズとは配置が違う
- ハロッズがナイツブリッジ、リバティがリージェント・ストリートの裏、この店がオックスフォード・ストリート。3軒を1日で回るのは無理がある
- 「クリスマスまであと○日」という煽り文句は、この店の創業者が広めたとされる
- 建物の裏手(デューク・ストリート側)に別の入口があり、正面より空いている
場所とアクセス
みんなの口コミ
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