バタシー発電所Battersea Power Station
廃墟から再生した、ロンドン最新カルチャー拠点
- 料金
- 無料
- 所要時間
- 1〜2時間
- 最寄駅
- Battersea Power Station
- 開館時間
- 店舗 月〜土 10:00〜20:00 / 日 12:00〜18:00
料金・開館時間は変更されることがあります。訪問前に 公式サイト で最新情報をご確認ください。
バタシー発電所は、かつてロンドンの電力の約5分の1を供給していた巨大火力発電所を再開発した、現在注目度の高い複合観光スポットです。1983年に稼働を停止して以降、約30年にわたり放置されていましたが、大規模な修復を経て2022年に一般公開されました。特徴的な4本の煙突を持つ建築はグレードII指定の歴史的建造物であり、現在は150以上のショップ、レストラン、エンターテインメント施設、展望アトラクションを備え、歴史と最先端が融合した新しいロンドンの象徴となっています。
このページの内容
着いてからの歩き方
バタシー発電所に着いたら、この順に見ていくと迷いません。
- 見どころ
煙突を上るガラスのエレベーター
北西の煙突の内部が、そのまま展望エレベーターになっています。ガラス張りの円筒で地上109mまで上がり、最後は煙突の口から屋外へ頭を出す形。かつて煤煙が出ていた穴から、いまはロンドンを見渡せます。以前は「Lift 109」の名で呼ばれていました。
- コツ
展望の前に展示がある
エレベーターにいきなり乗るのではなく、修復されたアール・デコのタービンホールAでの展示と、360度映像を見てから上ります。全体で40〜50分ほど。また煙突の基部までは39段の階段があります(迂回路あり)。時間に余裕をもって行ってください。
- 見どころ
コントロール・ルームB
1950年代の発電所の制御室が、そのままバーになっています。壁一面の計器盤、スイッチ、ダイヤルは当時の実物。針が振れていた盤の下でカクテルを飲むという、ロンドンでもここにしかない空間です。予約なしでも入れますが、夕方以降は混みます。
- 見どころ
4本の煙突と建物
ピンク・フロイドのアルバム『Animals』のジャケットで知られる、あの建物です。1930年代から石炭火力発電所として稼働し、1983年に停止。長く廃墟でしたが、2022年に商業施設として再開しました。4本の煙突は鉄筋の腐食が激しく解体せざるを得ませんでしたが、当時の図面どおりに建て直されています。しかもホースで流し込まず、当時と同じく手押し車で運んで手作業で流す方式を再現しました。1本51m、使ったコンクリートは手押し車およそ25,000台ぶんです。
- コツ
買い物と食事の場所でもある
150を超える店と飲食店が入っていて、実態としては大型商業施設です。展望だけ見て帰ることもできますが、テムズ川沿いの遊歩道が整備されているので、川を眺めながら食事をする場所として使うほうが土地に合っています。地下鉄はバタシー・パワー・ステーション駅が直結です。
「発電所の大聖堂」と呼ばれた建物
テムズ川の南岸に立つ4本の白い煙突は、発電所のものです。稼働していたのは1933年から1983年まで。
設計はジャイルズ・ギルバート・スコット。赤い電話ボックスを設計した人物で、テート・モダンになったバンクサイド発電所も彼の作品です。産業施設に建築的な意匠を与えたことで知られ、この建物は内部にアール・デコ様式の制御室を備えています。工場に大聖堂のような格式を持たせた設計として、「発電所の大聖堂」と呼ばれました。
建物は2期に分かれて建設されました。西半分(A発電所)が1930年代、東半分(B発電所)が1950年代です。そのため制御室が2つあり、様式が異なります。1930年代のコントロール・ルームAはアール・デコの意匠、1950年代のBは戦後の実用的な設計です。
1983年に閉鎖されたあと、約40年間、屋根のない廃墟として放置されました。何度も再開発計画が持ち上がり、そのたびに破綻します。ロンドンで最も長く手つかずだった大型遺構です。
2022年10月、商業施設として再開しました。グレードII*指定の建造物で、アップルの英国本社が入っています。
煙突は、作り直されたもの
いま見えている4本の煙突は、1933年からそこに立っている煙突ではありません。
50年の稼働と40年の放置を経て、コンクリートの劣化が深刻でした。補修では持たないと判断され、再開発にあたって4本すべてを解体し、同じ形・同じ寸法で作り直しました。
これは議論を呼びました。象徴的な景観を保つためには作り直すしかないという主張と、それでは本物ではなくなるという反論です。結果として選ばれたのは前者でした。
そのうち北西の1本には、内部にガラス張りのエレベーターが入っています。Lift 109と名付けられた施設で、煙突の内側を109m上がり、頂部の展望室から360度を見渡せます。煙突の内部を上がる展望台という発想は他にありません。
つまりこの4本は、保存の名のもとに作り直された複製であり、そのうち1本は展望施設に転用されています。廃墟が商業施設になる過程で何が残され、何が置き換えられたのか——それを考えながら見上げると、単なる景観とは違って見えます。
豆知識
- ピンク・フロイドの豚は、本当に逃げた。1976年12月2日、アルバム『Animals』のジャケット撮影のため巨大な空気人形の豚が煙突の間に係留されました。悪天候で撮影が延び、万一に備えて雇っていた射手を帰らせた翌日、係留が外れて豚は飛び去ります。ヒースロー空港の上空に達し、欠航が出ました。最終的にケントの農地に落下し、農家が「牛が怯えた」と激怒したと伝えられます。なおジャケットの豚は後から合成されたもので、あの1枚は別の日に撮った建物の写真に豚を重ねています。
- 制御室はいま酒場になっている。1950年代のコントロール・ルームBは、当時の計器盤を残したままバーとして使われています。ロンドンの電力を制御していた盤の前で飲めるという場所です。
- 映画によく出てくる。『ダークナイト』『ミッション:インポッシブル』『キングスマン』など、廃墟だった時期にも撮影に使われました。廃墟としての姿を記録した映像が多く残っています。
- 敷地には専用の地下鉄駅ができた。ノーザン線が延伸され、2021年にバタシー・パワー・ステーション駅が開業しています。再開発のために路線が伸びた例です。
いまは商業施設だという前提で
現在の中身はショッピングモールとオフィスです。歴史的な建造物の見学施設ではありません。産業遺構を期待して行くと、想像と違うかもしれません。
見どころとして押さえるべきは3つです。タービンホールの空間、2つの制御室、そしてLift 109。このうちLift 109は有料で事前予約が要ります。
無料で入れる部分も多く、建物の内部を歩いて構造を眺めるだけなら券は不要です。アール・デコの内装が残る区画も通り抜けられます。
ノーザン線のバタシー・パワー・ステーション駅から直結しています。テムズ川沿いを歩けばピムリコやヴォクソール方面へ抜けられます。
週末は家族連れで混みます。建物をゆっくり見るなら平日のほうが快適です。
場所とアクセス
みんなの口コミ
バタシー発電所を訪れた感想や、これから行く人に役立つコツがあれば教えてください。
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