プレミアリーグの転売チケットは違法|買うと入場できません

    Why You Cannot Buy Resold Football Tickets

    英国では、サッカーのチケットをクラブの認可なく転売することが法律で禁じられています。コンサートとは扱いが違います。二次流通サイトで買った席は入場を拒否されることがあり、返金もされません。合法な入手経路との見分け方をまとめます。

    2026年8月時点の情報

    要点

    結論
    二次流通サイトでサッカーのチケットを買わないでください。入場できません
    根拠法
    Criminal Justice and Public Order Act 1994 第166条
    対象
    プレミアリーグ・EFL・FAカップ・代表戦。コンサートや演劇は対象外です
    罰則
    最大 £5000 の罰金。加えてサッカー観戦禁止命令が出ることもあります
    合法な再販
    クラブが運営する公式リセールだけ。定価でのやり取りです
    買った場合
    入場拒否・チケット無効化。返金は基本的にありません

    イギリスのサッカーには、日本人が想像しないルールがあります。

    チケットの転売が、法律で禁止されています

    コンサートやミュージカルのチケットを転売するのは英国でも合法です。サッカーだけが特別扱いされています。根拠はCriminal Justice and Public Order Act 1994の第166条で、1980年代のフーリガン問題を受けて1994年に導入されました。ホームとアウェイのサポーターを座席で分離する必要があり、誰がどこに座るかをクラブが管理できなくなると安全が保てない——これが立法の理由です。

    つまり、viagogo・StubHub・その他の二次流通サイトに並んでいるプレミアリーグのチケットは、そもそも売ってはいけないものが売られている状態です。

    そして買った側にも実害があります。入場を拒否されます

    1. 何が禁じられているのか

    Criminal Justice and Public Order Act 1994の第166条は、試合の主催者(クラブ/リーグ)が認可していない限り、サッカーの試合のチケットを販売・再販売することを犯罪と定めています。

    対象になる試合

    • プレミアリーグ
    • EFL(2部〜4部)
    • FAカップ
    • 代表戦(イングランド代表など)

    対象にならないもの

    • コンサート、演劇、ミュージカル
    • ラグビー、クリケット、テニスなど他競技

    サッカーだけが規制対象という点が、混乱の元になっています。「ロンドンでミュージカルのチケットを二次流通で買えたから、サッカーも大丈夫だろう」という推測が成り立ちません。

    罰則

    有罪となった場合、最大 £5000 の罰金、加えてサッカー観戦禁止命令(Football Banning Order)が科されることがあります。

    なお、2006年のViolent Crime Reduction Act 2006によって、「グッズを買うとチケットが無料で付いてくる」という抜け穴を使った販売も禁じられました。この手口の広告を見かけたら、それは違法業者です

    注意

    「海外のサイトだから英国法は関係ない」ではありません

    海外に拠点を置く二次流通サイトが英国のサッカーチケットを掲載していることは実際にあります。しかし問題は法律だけではありません。クラブがチケットを無効化するという運用上の実害があり、こちらのほうが旅行者にとっては深刻です。サイトの所在地に関係なく、スタジアムの入口で止められます。

    2. 実際に何が起きるか

    法律論より、こちらのほうが切実です

    転売チケットを買った場合、旅行者に起きるのは「罰金」ではなく、もっと即物的な事故です。

    ① チケットが無効化される

    現在のプレミアリーグのチケットはデジタルで、購入者の会員アカウントに紐付いています。クラブは転売を監視していて、不正に転売された形跡があるチケットを無効化します。

    無効化されたチケットは、入場ゲートでスキャンした時点でエラーになります。

    ② 入場を拒否される

    紙のチケットであっても、名義とスタジアムの記録が一致しなければ入場を断られます。特にアウェイ席、そしてビッグマッチでは本人確認が実施されます。

    ③ ホーム側の席で、相手チームのファンだと判明する

    転売で手に入る席は、どのエリアかを選べないことが多いです。ホームサポーター席に相手チームのファンとして座ることは、安全上の理由で禁じられており、発覚すれば退場になります。詳しくは観戦の作法に書きました。

    ④ 返金されない

    そして最後に、返金は基本的に受けられません。違法な取引なので、消費者保護の枠組みも働きにくくなります。

    日本から航空券とホテルを取ってロンドンまで来て、スタジアムの前で入れないと告げられる——これが最悪のシナリオです。実際に起きています。

    実務メモ

    • 「座席番号が購入後に通知される」という売り方は、正規のクラブ販売ではまず行われない
    • 定価の2倍3倍で売られているチケットは、その価格自体が違法性の証拠になる
    • SNSのDMやフォーラムでの個人間取引も同じく違法。かつ詐欺の温床でもある

    注意

    旅行者が最も損をする構造です

    地元の人なら、入場できなくても電車で家に帰るだけです。しかし日本から来た旅行者にとっては、その試合が旅行の目的そのものであることが多く、取り返しがつきません。ここだけは、絶対に節約や近道を試みないでください。

    4. スタジアム周辺の転売屋

    声をかけられても、立ち止まらないでください

    試合当日、スタジアムの周辺には必ず転売屋(tout)がいます。「Any spares?」「Buy or sell?」と声をかけてきます。

    彼らから買ってはいけない理由は3つあります。

    1. 違法です。買う側も巻き込まれます
    2. 偽造チケットが混じっています。印刷されたQRコードが無効なことがあります
    3. 同じチケットが複数人に売られていることがあります。先に入った人が勝ちです

    キックオフ直前になると「安くするよ」と値下げしてきますが、これは在庫を捌いているだけで、チケットが有効である保証にはなりません

    対処法

    無視して歩き続けてください。会話を始めると粘られます。イギリスでは「No thanks」と言って歩き続けるのが普通の対応で、失礼にはあたりません。

    「余りチケット」を譲ってもらうのは?

    サポーター同士で「連れが来られなくなった」という余り券を定価で譲るケースは実際にあります。しかしこれも、クラブの公式リセールを通さない限り法的にはグレーです。そして旅行者には、その相手が本物のサポーターなのか転売屋なのかを見分ける術がありません。

    リスクを取る意味がない、というのが結論です。

    実務メモ

    • 路上での現金取引を持ちかけられたら、その時点で正規ではない
    • スタジアム周辺は試合前後に警察が巡回している。転売屋との取引は見られている
    • どうしても当日券が欲しいなら、クラブの公式アプリでリセールを確認するほうが確実

    よくある質問

    参考・公式情報

    料金・時刻・制度は変更されます。本記事は2026年8月時点の情報です。渡航前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。

    ほかの観戦ガイド