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プレミアリーグのチケットの取り方|ロンドンで観戦する現実的な方法
How to Get Premier League Tickets
プレミアリーグには、日本の感覚での「一般販売」がほぼ存在しません。ほとんどの席は年間シート保有者と会員で埋まります。旅行者に残された経路は、会員になる・公式リセールを張る・ホスピタリティを買う・取りやすいクラブを選ぶ、の4つです。
要点
- 一般販売
- 人気クラブにはほぼ存在しません。会員登録が事実上の前提条件です
- 会員費の目安
- 年 £15〜£45。入っても人気カードは数分で売り切れます
- チケット価格
- 大人1枚 £30〜£120。対戦相手のランクで3倍近く変わります
- 動き始める時期
- 試合の2ヶ月前から。旅行の日程を決める前に会員登録を済ませます
- 狙い目
- クリスタル・パレス・フラム・ブレントフォード。強豪との対戦を避けるのが鉄則です
- 絶対にやらない
- 二次流通サイトでの購入。英国では違法で、入場を拒否されます
日本の感覚でプレミアリーグのチケットを買おうとすると、まず間違いなく失敗します。「公式サイトに行けば売っている」という前提が成り立たないからです。
ロンドンの主要クラブでは、1試合分の席の大半がシーズンチケット(年間シート)保有者で埋まります。残った席は会員向けに販売され、そこで売り切れます。一般の人が買える枠は、人気クラブでは実質的に残りません。
アーセナルのEmirates Stadiumは60,704人、トッテナムに至っては62,850人が入ります。それだけの大箱でも足りていません。
つまり、旅行者が取れる経路は次の4つに限られます。
- クラブの会員になる(年 £15〜£45)
- 公式リセールを張る(会員が手放した席が定価で出る)
- ホスピタリティを買う(高いが確実。£150〜)
- 取りやすいクラブを選ぶ(クリスタル・パレス・フラム・ブレントフォード)
この記事は、その4つをそれぞれ具体的に説明します。そして、5つ目の経路——二次流通サイト——は存在しません。英国では football のチケット転売が法律で禁じられており、買った席では入場できません。これについては買ってはいけないチケットで詳しく書きました。
目次
1. なぜこんなに取りにくいのか
構造を理解すると、どこを狙えばいいかが分かります
プレミアリーグのチケットが取れない理由は、人気があるからだけではありません。席の配分の仕組みにあります。
席がどう埋まっていくか
| 段階 | 誰が買えるか | 残る席 |
|---|---|---|
| ① シーズンチケット | 年間シート保有者(数年〜数十年待ち) | 全体の6〜7割が消える |
| ② アウェイ配分 | 対戦相手のサポーター | 約3,000席が消える |
| ③ 上位会員の先行 | 上位ランクの会員 | 人気カードはここで完売 |
| ④ 一般会員 | 下位ランクの会員 | 数分で完売 |
| ⑤ 一般販売 | 誰でも | 人気クラブでは到達しない |
日本のスポーツ観戦やコンサートと決定的に違うのが①です。シーズンチケットは親から子へ受け継がれることすらあり、空きが出ません。アーセナルやトッテナムの年間シートには数万人規模の待機リストがあります。
だから「いつ買うか」より「どこで買う権利を持つか」
日本のチケット販売は「発売日の10時にアクセスする」という勝負ですが、ロンドンでは発売日にアクセスする権利を、事前に金で買っておく必要があります。それが会員制度です。
ここを理解していないと、旅行の1週間前に公式サイトを開いて「売り切れ」と表示され、そこから二次流通サイトに流れて事故る——という典型的な失敗をたどります。
実務メモ
- 旅行の日程が決まった時点で、まず会員登録を済ませる。試合を選ぶのはその後でいい
- 「売り切れ」表示は最終結論ではない。公式リセールに後から席が出てくる
- 2026/27シーズンは全380試合。ロンドンの6クラブ合計で年114試合のホームゲームがある
補足
対戦相手で難易度がまったく違う
同じクラブのホームゲームでも、相手がマンチェスター・ユナイテッドやリバプールなら入手は絶望的、中位・下位のクラブが相手なら現実的に取れることがあります。クラブは試合を Category A / B / C に分類していて、価格も難易度もこれで決まります。狙うべきは Category C です。
2. 経路①:クラブの会員になる
最も王道で、最も確実に「買う権利」が手に入ります
各クラブは有料の会員制度を持っています。会員になると、一般より前にチケットを買う window が与えられます。
ロンドン6クラブの会員費(年額・最安ランク)
| クラブ | 会員費 | チケット価格帯 | 取りやすさ |
|---|---|---|---|
| アーセナル | £40 | £35〜£120 | 非常に困難 |
| トッテナム・ホットスパー | £45 | £38〜£109 | 困難 |
| チェルシー | £15 | £40〜£95 | 困難 |
| クリスタル・パレス | £35 | £35〜£75 | 現実的 |
| フラム | £35 | £30〜£75 | 現実的 |
| ブレントフォード | £30 | £30〜£70 | 現実的 |
重要な注意
会員になれば買えるわけではありません。会員は「買う行列に並ぶ権利」であって、席の保証ではありません。アーセナルの下位会員だと、人気カードは自分の window が開いた時点ですでに売り切れています。
それでも会員になる価値があるのは、次の2点です。
- Category C の試合なら、会員であれば現実的に取れる
- 公式リセールにアクセスできる(これが大きい。後述)
手順
- クラブの公式サイトでアカウントを作る
- 会員(Membership)を購入する。日本の住所・クレジットカードで登録できます
- 会員番号が発行される
- 自分の window が開く日時を確認して、その時刻にログインして買う
登録から会員番号の発行まで数日かかることがあるので、試合の直前に登録しても間に合いません。
実務メモ
- 会員費はシーズン単位。8月に入っても3月に入っても同じ額を払うので、旅行が春なら割高になる
- アカウント登録時の氏名は、パスポートと一致させる。本人確認を求められることがある
- 家族・友人と行くなら、全員それぞれ会員登録したほうが取れる確率が上がる
注意
チェルシーは2026/27から仕組みが変わりました
チェルシーはロイヤルティポイント制で、ポイントが多い会員から優先的に買えます。2026/27シーズンから、ポイントは「実際に試合を観に行くこと」でしか貯まらなくなりました(従来はチケット購入でも貯まった)。新規会員がポイントで競り勝つのは事実上不可能なので、チェルシーを狙うなら会員よりホスピタリティか公式リセールが現実的です。
3. 経路②:公式リセールを張る
旅行者にとって、実は最も勝率が高い方法です
各クラブは公式のチケット再販システム(Ticket Exchange / Ticket Forwarding などと呼ばれます)を運営しています。年間シート保有者が「今節は行けない」と手放した席が、定価でここに戻ってきます。
なぜ旅行者に有利か
- 定価。プレミアム価格になりません
- 合法。クラブが認可した唯一の再販経路です
- 試合が近づくほど出品が増える。1〜2週間前から動きが出ます
- 会員の window 争奪戦と違い、張り続ければチャンスが何度も来る
年間シート保有者は仕事や家庭の事情で毎試合は来られません。ロンドンの大クラブなら、1試合あたり数百枚がリセールに出ることも珍しくありません。
やり方
- 会員登録を済ませておく(多くのクラブでリセール利用に会員資格が必要)
- 試合の2週間前から、1日2〜3回サイトを確認する
- 出品は不定期に現れ、数分で消える。見つけたら即座に買う
- 平日夜の試合、Category C の試合ほど出品が多い
スマートフォンでクラブの公式アプリを入れておくと、通知が来る場合があります。
実務メモ
- リセールが最も出るのは試合の3〜5日前と、当日の朝
- 1枚ずつしか出ないことが多い。2枚並びで買えるとは限らないので、連れとは席が離れる前提で
- クリスマス期と年末年始は出品が増える。家族の予定で来られない保有者が多いため
ヒント
これが旅行者の現実的な本命です
会員になった後、「window で買えなかった」で諦めずにリセールを張り続けるのが、ロンドンでプレミアリーグを観るいちばん確率の高い方法です。定価で、合法で、席の質も普通です。旅行の日程が動かせないなら、この方法に賭けてください。
4. 経路③:ホスピタリティを買う
高い。ただし確実に入れます
ホスピタリティ(Hospitality)は、クラブが公式に販売する食事つきの観戦パッケージです。ラウンジでの食事・ドリンク、良い席、クラブショップの割引などが含まれます。
相場
| 内容 | 価格の目安 |
|---|---|
| 小規模クラブの基本パッケージ | £150〜 |
| 大クラブの基本パッケージ | £400〜£500 |
| ビッグマッチ・上位ラウンジ | £700〜 |
通常のチケットが £35〜£120 であることを考えると、3〜10倍です。
それでも選ぶ理由
- 会員登録も抽選も不要。空いていれば買えます
- 確実に席が確保できる。日程が動かせない旅行では決定的な利点です
- 席の位置が良く、飲食のために外に出る必要がありません
- 合法かつ公式。二次流通の危険がありません
注意点
「ホスピタリティ」を名乗る非公式の業者が大量にいます。クラブの公式サイトから辿れるもの、またはクラブが公式パートナーと明記している業者以外は使わないでください。旅行代理店経由のパッケージも、クラブに認可されているとは限りません。
判断に迷ったら、クラブに直接問い合わせるのが確実です。
実務メモ
- 公式サイトの「Hospitality」ページから予約するのが最も安全
- ドレスコードがある場合がある。ジャケット着用を求めるラウンジもあるので事前確認を
- 食事つきなので、キックオフの2〜3時間前に集合になることが多い。当日の予定を詰めすぎない
5. 経路④:取りやすいクラブを選ぶ
こだわりがないなら、これが最短ルートです
「プレミアリーグの試合を観たい」のであって「アーセナルでなければならない」わけではないなら、最初から取りやすいクラブを狙うのが圧倒的に合理的です。
現実的に狙えるロンドンのクラブ
クリスタル・パレス(セルハースト・パーク・25,194人)
プレミアリーグで最も雰囲気が良いと評されるスタジアム。ゴール裏のホルムズデール・エンドの応援は必見です。
会員でなくても一般販売に回ることがあります。ただし収容25,194人と小さく、人気カードは即完売します。
- 価格:£35〜£75
- 行き方:Selhurst / Norwood Junction駅(ナショナル・レール(ロンドン・ブリッジ等から))から徒歩約10分
フラム(クレイヴン・コテージ・27,782人)
テムズ川のほとりに建つ英国最古級のスタジアム。木造の Grade II 指定建築が残る、観光そのものが目的になる場所です。
ロンドンでは比較的取りやすい部類です。強豪との対戦を避ければ、会員でも一般販売でも現実的に狙えます。
- 価格:£30〜£75
- 行き方:Putney Bridge駅(ディストリクト線)から徒歩約12分
ブレントフォード(Gtech コミュニティ・スタジアム・17,250人)
2020年開業のコンパクトな新スタジアム。ピッチが近く、どの席からもよく見えます。パブ4軒に囲まれた立地も名物です。
収容17,250人とリーグ最小級ですが、需要も穏やかです。初めてロンドンで試合を観るなら現実的な選択肢になります。
- 価格:£30〜£70
- 行き方:Brentford / Kew Bridge駅(ナショナル・レール(ウォータールー等から))から徒歩約8分
「格下だから面白くない」は誤解です
むしろ逆のことが起きます。
- ピッチが近い。小さいスタジアムほど選手との距離が近く、声も聞こえます
- 地元の空気が濃い。観光客が少なく、本物の地元サポーターに囲まれます
- 相手は強豪かもしれない。フラムのホームゲームには、リバプールもマンチェスター・シティも来ます。同じ選手を、半額以下で観られます
最後の点が決定的です。スター選手を観たいなら、強豪のホームゲームではなく、弱いクラブのホームに強豪が来る試合を狙うという発想の転換が効きます。ただし、その試合は Category A なので、そのクラブの中では最も取りにくくなります。
実務メモ
- 「強豪クラブの Category C」と「中位クラブの Category A」なら、前者のほうが安いことが多い
- 土日の昼の試合より、平日夜の試合のほうが明らかに取りやすい
- スタジアムの雰囲気だけならクリスタル・パレスがリーグ屈指と評される。中心部から少し遠いが行く価値がある
ヒント
初めてなら、まずここから
初めてロンドンでプレミアリーグを観るなら、クリスタル・パレス・フラム・ブレントフォードのいずれかで、中位・下位クラブとの対戦を狙ってください。会員になれば現実的に取れて、価格も £30〜£75 に収まります。詳しくはどのクラブの試合を観るかで比較しています。
6. いつ、何をするか
旅行の準備スケジュール
逆算すると、動くべき時期ははっきりしています。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 旅行の3ヶ月以上前 | クラブの会員登録を済ませる。会員番号の発行まで数日かかる |
| 2ヶ月前 | 上位会員の販売開始。日程が確定しているならここが第一の勝負 |
| 1ヶ月前 | 一般会員の販売開始。第二の勝負。同時にリセールの監視を始める |
| 2週間前 | リセールに出品が出始める。1日2〜3回チェック |
| 1週間前 | キックオフ時刻の変更が確定する。宿と交通の計画を最終確認 |
| 3〜5日前 | リセールの出品がピーク。ここが最後の本命 |
| 当日朝 | 直前キャンセルの出品がある。諦めるのはキックオフの1時間前でいい |
日程が先か、試合が先か
試合を優先するなら:2026/27シーズンの日程は公表済みです。観たい試合を決めてから航空券を取ります。
旅行日程が固定なら:その期間にロンドンで開催される試合を全部リストアップし、取りやすいクラブから順に当たっていきます。6クラブあるので、1週間の滞在ならたいてい2〜4試合の候補があります。
日程の組み方は日程の組み方と、直前の変更に詳しく書きました。キックオフ時刻は放映の都合で後から変わるので、試合の前後に予定を詰め込まないことが重要です。
注意
6月と7月には試合がありません
プレミアリーグは8月に開幕し、翌年5月に終わります。6月〜7月は完全なオフシーズンで、リーグ戦は1試合も開催されません。この時期にロンドンに来るなら、スタジアムツアーが代わりの選択肢になります。
よくある質問
参考・公式情報
- Premier League — Tickets
- Premier League — 安全なチケットの買い方
- Premier League — アウェイチケット £30 上限の延長
- Criminal Justice and Public Order Act 1994 s.166(転売規制)
- Football Supporters' Association
料金・時刻・制度は変更されます。本記事は2026年8月時点の情報です。渡航前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。