セント・パンクラス駅St Pancras International
ビール樽の寸法で柱の間隔が決まった、ゴシックの駅
- 料金
- 無料
- 所要時間
- 30分〜1時間
- 最寄駅
- King's Cross St Pancras 直結
- 開館時間
- 駅は終日(店舗は概ね8:00〜20:00)
料金・開館時間は変更されることがあります。訪問前に 公式サイト で最新情報をご確認ください。
ユーロスターが発着する国際駅で、駅そのものが見学の対象になっている数少ない建物。1868年の大屋根は当時世界最大の単径間で、正面に建つ赤煉瓦のゴシック建築はもとホテルだった。1960年代に取り壊しが決まりかけたが、詩人ジョン・ベッチェマンの運動で保存され、2007年に国際駅として復活した。ハリー・ポッターの映画で「キングズ・クロス駅」として映るのは、隣のキングズ・クロス駅ではなくこの建物の外観である。
このページの内容
着いてからの歩き方
セント・パンクラス駅に着いたら、この順に見ていくと迷いません。
- 到着
ユーストン・ロード側の正面から見る
駅に着いてしまうと、いちばん見るべき赤煉瓦のゴシック建築が背後になります。一度ユーストン・ロードに出て、道の向かい側から正面を見てください。時計塔と尖塔の並びは、ここからでないと視界に入りません。
- 見どころ
上階に上がって、屋根の下に立つ
1868年の大屋根は柱を1本も使わず73メートルを跨いでいます。完成当時は世界最大の単径間でした。プラットホームのある上階まで上がると、その骨組みの下に立てます。下の商業階からでは高さが分かりません。
- 見落としやすい
帽子を押さえて見上げている銅像
上階のコンコースに、鞄を提げて屋根を見上げる男の像が立っています。詩人ジョン・ベッチェマンで、1960年代にこの駅の取り壊しを止めた人物です。彼が見上げているのは、彼が救った屋根です。
- 見落としやすい
巨大な男女の像は、台座のほうが面白い
高さ9メートルの抱き合う男女の像「ザ・ミーティング・プレイス」は目立ちますが、見どころは足元です。台座を一周する帯状の浮彫りに、鉄道の旅にまつわる場面が細かく彫られています。しゃがんで一周してください。
- コツ
ハリー・ポッターの外観はこの駅、店は隣の駅
映画で「キングズ・クロス駅」として映るのはこの建物の外観で、空飛ぶ車が飛び立つのも2本の塔のあいだです。ただし9と3/4番線のカートとショップがあるのは、隣に建つ実際のキングズ・クロス駅のほうです。歩いて2分ですが、別の建物だと知らないと探し回ることになります。
ビール樽の寸法が、建物の寸法を決めた
1868年に完成したこの駅の大屋根は、柱を1本も立てずに73メートルを一気に跨いでいる。当時世界最大の単径間で、設計したのは技師のウィリアム・ヘンリー・バーロウである。
面白いのは、その屋根を支える地下の柱の話である。ミドランド鉄道の主力貨物のひとつは、バートン・アポン・トレントから運ばれるビールだった。ロンドン側には樽の保管庫が要る。そこで設計は、まず地下の保管庫をビール樽が過不足なく並ぶ寸法で割り付け、その柱の位置に合わせて上のホームと屋根を載せた。
つまり、順序が普通と逆である。列車のための駅を建ててから地下を使ったのではなく、ビール樽の格子の上に駅が乗っている。いまその地下空間はユーロスターの出発コンコースと商業区画になっており、歩いている床の下ではなく、歩いている場所そのものが元の樽置き場である。
取り壊しが決まりかけ、詩人が止めた
駅の前面に建つ赤煉瓦の建物は、駅舎ではなくホテルだった。1873年開業のミドランド・グランド・ホテルで、設計はジョージ・ギルバート・スコット。ゴシック・リバイバルの代表作とされる。
ところが設備が古びて1935年にホテルとして閉じ、以後は事務所として使われた。1960年代、鉄道の合理化のなかでこの建物と駅は取り壊しの候補に挙がる。実際、隣のユーストン駅は1961年から62年にかけて壮麗なアーチごと解体されている。
これを止めたのが詩人のジョン・ベッチェマンらの保存運動だった。1967年にグレードI指定を勝ち取り、建物は残った。2007年11月、大規模な改修を経てセント・パンクラス・インターナショナルとして開業する。ホテル部分もホテルに戻った。
上階のコンコースには、帽子を押さえて屋根を見上げるベッチェマンの銅像が立っている。彼が見上げているのは、彼が救った屋根である。
豆知識
- ハリー・ポッターの映画で「キングズ・クロス駅」として映る外観はこの駅である。「秘密の部屋」で空飛ぶ車が飛び立つのも、この建物の2本の塔のあいだ。実際の9と3/4番線のショップは隣のキングズ・クロス駅にある
- コンコースの巨大な男女の像は「ザ・ミーティング・プレイス」(2007年、ポール・デイ)。高さ9メートル。台座の帯状の浮彫りに鉄道旅の情景が彫られており、そちらのほうが見応えがある
- 上階のシャンパン・バーは、名乗っているところによればヨーロッパで最も長い
- 大英図書館が隣、キングズ・クロス駅も隣。3つまとめて30分で見て回れる
場所とアクセス
みんなの口コミ
セント・パンクラス駅を訪れた感想や、これから行く人に役立つコツがあれば教えてください。
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