第9章
参考リンク集
Resources and official links
実際に使った公式の情報源をまとめます。それぞれ何が書いてあり、どの段階で必要になるかを添えました。
実際に使った情報源をまとめます。
すべて公的機関または公式の窓口です。それぞれについて、何が書いてあり、どの段階で必要になるかを添えました。
なお、手続きの内容や期限は変わることがあります。実際に動く前に、必ず公式サイトで最新の情報を確認してください。
1. まず相談する
無料で、どの段階でも使える
Acas(Advisory, Conciliation and Arbitration Service) https://www.acas.org.uk
雇用に関する英国の公的機関です。相談は無料で、雇用主・労働者のどちらの立場でも利用できます。
- 労働問題全般のガイダンス
- Early Conciliationの申請窓口
- 電話相談窓口(通訳の利用について相談できます)
チップとサービスチャージの取り扱いに関するガイダンス https://www.acas.org.uk/tips-and-service-charges
サービスチャージの配分について、雇用主が何をすべきかが説明されています。自分の職場の運用が適切かを判断する出発点になります。
Citizens Advice https://www.citizensadvice.org.uk
雇用問題を含む幅広い相談に対応する無料の窓口です。対面での相談も可能です。
2. チップ・サービスチャージの法律
何が違法で、雇用主に何が義務づけられているか
Employment (Allocation of Tips) Act 2023 https://www.legislation.gov.uk/ukpga/2023/13
法律の本文です。要点は次のとおりです。
- 雇用主はチップやサービスチャージを自分のために留保できない
- 公正かつ透明な方法で配分しなければならない
- チップの配分方針を書面で定める義務がある
- 配分の記録を保持し、従業員の求めに応じて開示する義務がある
Code of Practice on fair and transparent distribution of tips https://www.gov.uk/government/publications/distributing-tips-fairly-statutory-code-of-practice
法律を実務でどう運用すべきかを示した行動規範です。「公正」が何を意味するかが具体的に説明されています。
繰り返しになりますが、「公正」は「全員同額」を意味しません。勤続年数や役割に応じた傾斜配分は適法です。ただし、その基準が定められ、書面化され、説明できることが前提になります。
3. Employment Tribunalの手続き
申立てから判決まで
Employment Tribunalへの申立て(gov.uk) https://www.gov.uk/employment-tribunals
手続きの全体像、期限、申立ての流れが説明されています。申立て手数料はありません。
ET1のオンライン提出 https://www.employmenttribunals.service.gov.uk
実際の申立てフォームです。途中保存ができるので、一度に書き上げる必要はありません。
審理と判決についてのガイド(T426) https://www.gov.uk/government/publications/employment-tribunal-hearings-judgment-guide-t426
判決が出た後の扱い、利息、支払いについて説明されています。判決の通知と一緒に案内される資料です。
公開されている判決の検索 https://www.gov.uk/employment-tribunal-decisions
イングランド・ウェールズのEmployment Tribunalの判決は公開されており、誰でも検索できます。
会社名で検索できるので、応募先や勤務先に過去の労働紛争があるかを調べるのにも使えます。逆に言えば、自分が申立てた場合、その記録も公開されるということです。
4. 相手方を特定する・状況を確認する
申立て前と、強制執行前に必ず見る
Companies House https://find-and-update.company-information.service.gov.uk
英国の法人登記を無料で検索できます。確認できるのは、
- 会社の正式名称と登記上の所在地
- 会社の状態(活動中、清算手続き中、解散済みなど)
- 取締役の情報
- 決算書類
2つの場面で必ず確認してください。
- ET1提出前 — 相手方の正式名称を特定するため。店名ではなく法人名で申立てる必要があります
- 強制執行前 — 会社が清算手続きに入っていないかを確認するため。状況によって取れる手段が変わります
The Insolvency Service https://www.gov.uk/government/organisations/insolvency-service
会社が清算手続きに入った場合の窓口です。雇用主が支払不能となった場合、一定の未払い賃金について国の基金から支払いを受けられる制度があります。
5. 判決が支払われないとき
回収のための手続き
判決が支払われなかったときの選択肢(gov.uk) https://www.gov.uk/employment-tribunals/if-you-win-your-case
審判所で勝った後、相手が支払わない場合に何ができるかが説明されています。
Fast track scheme(様式EX727) https://www.gov.uk/government/publications/form-ex727-i-have-an-employment-or-an-employment-appeal-tribunal-award-but-the-respondent-has-not-paid-how-do-i-enforce-it
審判所の判決をHigh Court Enforcement Officerに直接引き渡すための様式です。私が使った経路がこれにあたります。判決額を回収したい場合、まずここを見てください。
審判所の判決の執行(gov.uk) https://www.gov.uk/make-court-claim-for-money/enforce-a-judgment
執行手段全般(動産差押え、第三債務者命令など)の説明です。
Employment Tribunal penalty enforcement and naming scheme https://www.gov.uk/guidance/employment-tribunal-penalty-enforcement-and-naming-scheme
これは知っておく価値があります。 判決が支払われない場合に使える、無料の公的な制度です。
- 判決から42日後に、無料で未払いを登録できる
- 執行官が確認したうえで、雇用主に警告通知が送られる
- それでも28日支払われない場合、判決額の50%に相当する制裁金と年8%の利息を科す通知が出る
- 支払わない雇用主は、gov.uk上で公表(naming)される場合がある(申立て時に公表の可否を選べます)
High Courtの執行と並行して、あるいはその代わりに検討できる選択肢です。費用がかからない点が大きな利点です。
覚えておくべき点を再掲します。
- 1,600ポンドを超える債権なら、High Courtのwritに移行できます
- writの発行費用(£80程度)は立替になりますが、債務者に加算されます
- HCEOの手数料も債務者負担です
- 回収金は14日間保持されてから支払われます
- 「取消しを申し立てた」という相手の主張だけでは、執行は止まりません。 止めるには裁判所の命令が必要です
- 費用をかけたくない場合は、まず上記のpenalty enforcement and naming schemeを検討する
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