政治・科学

    ウェストミンスター / セント・ジェームズのブループラーク巡り

    Westminster & St James's国会議事堂周辺で半日

    英国政治の中心地であるウェストミンスターと、隣接するセント・ジェームズには、時代を動かした政治家や科学者ゆかりの建物が集まっています。国会議事堂やバッキンガム宮殿と徒歩圏内にあるため、王室観光のついでに立ち寄りやすいのも特徴です。

    ここでは実際に訪ねられる建物を厳選して紹介します。

    掲載プラーク

    科学者 · 1700–1709

    1. アイザック・ニュートン

    Isaac Newton

    ニュートンは1696年、王立造幣局の造幣局長(のち長官)に任命されたのを機にジャーミン・ストリートへ移り、最初は88番地に、1700年からはより広い87番地に移って1709年まで住みました。この間、王立協会の会長も務めています。

    造幣局長としての職務のひとつが贋金の取り締まりで、ニュートンはこれを本気で遂行しました。自ら偽造犯を尋問することもあったと伝えられ、彼の告発によって処刑された者もいたとされています。プレートは1908年に設置され、1915年に付け直されています。

    住所
    87 Jermyn Street, St James's, London SW1Y 6JP
    最寄り駅
    Piccadilly Circus 駅、Green Park 駅(いずれも徒歩約5分)
    見学の可否
    現在は紳士服店が入る商業ビルです。外観・プレートの見学にとどめてください。
    ひとこと
    写真に写る建物の番地表記が「86」になっている資料もありますが、English Heritage公式では87番地とされています。

    政治家 · 1846–1855

    2. パーマストン子爵

    Lord Palmerston

    パーマストンは1846年末から1855年1月まで、この家で外務大臣としての職務の一部を務め、その後1855年に首相の座に就きました。妻エミリーはこの家で影響力のある政治サロンを開いていました。

    パーマストンは若い頃から社交的で魅力にあふれた人物として知られ、「キューピッド」というあだ名がついたほどでした。首相としての長い政治キャリアの締めくくりに、クリミア戦争を通じてイギリスを率いています。なお、パーマストンのプレートはロンドン市内に3か所あり、この4番地はその中でも主要な「政治家としての在住地」を示すものです。

    住所
    4 Carlton Gardens, St James's, London SW1Y 5AA
    最寄り駅
    Charing Cross 駅、Green Park 駅(いずれも徒歩約8分)
    見学の可否
    現在は私有のオフィスビルです。外観の見学にとどめてください。

    初めて議席に就いた女性議員 · 1912–1946

    3. ナンシー・アスター

    Nancy Astor

    アメリカ生まれのアスターは1912年から1946年までこの家に暮らしました。1919年、保守党のプリマス・サットン選出議員として、イギリスで初めて庶民院に議席を持つ女性となり、以後25年以上その座を守り続けました。

    セント・ジェームズ・スクエアで現存する最古の建物(1726〜28年築)であるこの家は、彼女の華やかな政治的社交の舞台でもありました。50人規模の晩餐会や600人規模の舞踏会が開かれたと伝えられ、戦時中の被害もあって1946年に手放されています。プレートは1987年、イギリス初の女性首相マーガレット・サッチャーによって除幕されました。

    住所
    4 St James's Square, St James's, London SW1Y 6JU
    最寄り駅
    Piccadilly Circus 駅 徒歩約5分、Green Park 駅 徒歩約7分
    見学の可否
    現在は会員制クラブ(Naval and Military Club)です。外観の見学にとどめてください。

    3人の首相を輩出した邸宅 · 1735–36年築

    4. ウィリアム・グラッドストン、大ピット、ダービー伯爵

    William Gladstone, Pitt the Elder & the Earl of Derby

    1735〜36年に建てられたこの邸宅は、時代を違えて3人の首相(あるいは首相経験者)が暮らした建物として、異例の大きなプレートが掲げられています。大ピット(チャタム伯爵)、ダービー伯爵エドワード・スタンリー、そしてウィリアム・グラッドストン。いずれも卓越した弁舌家として知られた政治家です。

    ヴィクトリア朝を通じて4度にわたり首相を務めたグラッドストンは、長い政治人生の終盤にあたる1890年の議会会期中にこの家に住んでいました。現在は国際問題を扱うシンクタンク「チャタム・ハウス」(王立国際問題研究所)の本拠地となっており、政治的な系譜がそのまま続いている建物です。

    住所
    10 St James's Square, St James's, London SW1Y 4LE
    最寄り駅
    Piccadilly Circus 駅、Green Park 駅(いずれも徒歩6〜8分)
    見学の可否
    現在はシンクタンク「チャタム・ハウス」の拠点です。一般の見学はできませんが、公開講演会が開かれることがあります。

    政治家 · 1770–1830

    5. ウィリアム・ハスキソン

    William Huskisson

    貿易庁長官、のちに植民地大臣を務めたハスキソンは、19世紀前半を代表する政治家のひとりです。しかし今日では、その死にざまで語られることの方が多い人物でもあります。

    1830年9月、リヴァプール・アンド・マンチェスター鉄道の開業式典で、スティーヴンソンが開発した機関車「ロケット号」に轢かれて死亡し、広く報じられた鉄道事故としては史上初の犠牲者とされています。産業革命の輝かしい一場面の裏にある、痛ましい史実を伝えるプレートです。

    住所
    28 St James's Place, St James's, London SW1A 1NR
    最寄り駅
    Green Park 駅 徒歩約10〜12分
    見学の可否
    私有の建物です。外観の見学にとどめてください。
    ひとこと
    隣接する29番地には、ウィンストン・チャーチルの短期滞在を示す別のプレートがあります。あわせて見学できます。

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