Deification of a Soldier
山下菊二, 1967年
テート・モダン In The Studio(Room 5)

本作は日本の画家山下菊二(1919-1986)による1967年の油彩画です。タイトルが示す通り「兵士の神格化」をテーマとしていますが、描かれるイメージは混沌と暴力に満ちています。
画面には叫ぶ口、歪んだ動物の形、切断された手足などが描かれ、戦争の不条理と残虐さを象徴的に表現しています。山下は第二次世界大戦で徴兵され、中国人捕虜の殺害に加担するなど、戦争の過酷な現実を目の当たりにしました。本作はその個人的体験に加え、ベトナム戦争(アメリカ戦争)に対する当時の日本国内の抗議運動も背景に制作されています。
戦争の非人間性と悲劇を視覚的に強烈に伝える作品であり、山下菊二の社会的・歴史的意識が色濃く反映されています。